オン ザ ワイルド サイド創業者が語る、オーガニックを超えた美。

Beauty 2022.11.09

肌のためはもちろん、地球、環境、全ての生きるものたちのために――そんな信念のもと、フランスで野生の収穫物から原料を採取し100%天然由来のワイルドクラフトコスメを展開する「オン ザ ワイルド サイド」。ヘアオイルの発売を前に来日した創業者アン=ソフィ・ナーディに、ブランドのことや仕事への向き合い方について聞きました。

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アン=ソフィ・ナーディ|Anne-Sophie Nardy
リヨン生まれ。ビジネススクールを卒業後、パリで美容業界でのキャリアをスタートする。大手コスメブランドで12年間の経験を積んだ後、2017年ボルドーへ移住。自然を身近に感じられる環境で新ブランドの構想を練り、2019年、オン ザ ワイルド サイドをローンチ。

―アン=ソフィさんがワイルドクラフトに興味を持った理由は?

「オーガニック以上の、本当に自然のあるがままの素材であるというところに惹かれました。オーガニックの世界では、認証を受けている畑であっても同じ作物をたくさん育てたせいで土地がやせてしまったり、認証にひっかからない程度の農薬を使用して早く育成させたりということが一部で行われているのが実情です。でもワイルドクラフトであれば、土地を自然に循環させることができます。表面的なオーガニックで立ち止まりたくないんです」

―自然への敬意が伝わってきます。幼い頃から身近に自然があったのでしょうか?

「いいえ、私が生まれたのはリヨンで、フランスで2番目に大きな街。その後パリに引っ越したので大都市でしか生活してきていなくて、自然に対して特別な思い入れがあるわけではなかったんです。でも仕事を始め、目まぐるしいスピード感に巻き込まれるようになると、自分自身のバランスを取るために違う生活も必要なのかな?と次第に思うようになり……。夫がサーファーなのですが、彼のライフスタイルにも、私の仕事にもよい環境を考え、ボルドーに移住したことが自然に近づくきっかけになりました」

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製品に配合する白樺樹液は、ボルドー近郊の森で採取。

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―そうだったんですね。ブランドの立ち上げにあたっては、どのような思いがありましたか?

「原料、フォーミュラ、パッケージ……すべてにおいて自然環境を壊さないものを、コスメでどのように表現できるだろう?ということを考え、それを実現したいと思っていました。以前は大きな会社に所属していて、コスメが開発される過程も、発売された製品を使った人からの何万というフィードバックも見てきて、世の中の人が何に興味を持ち、どういうものを欲しがっているのかを感じていたので」

―会社員時代のジレンマを解消することができたのですね。

「ええ。そしてオン ザ ワイルド サイドでもうひとつ大切にしているのが、シンプルな3ステップのスキンケア。新製品を次々と発表し、使うアイテムを増やす提唱はしないようにしています。おすすめされて、使い切らないまま新しいものを買って、気付いたらバスルームにスキンケアがずらっと並んでいて、結局廃棄しなくてはならない……。その中に化学成分が含まれていれば海洋汚染に繋がるし、ごみも増えますね。『化粧品が環境を破壊している』と言われないよう、極力シンプルなケアで済むものを目指しています。それに、何種類も重ね使いするというのは、肌への摩擦ダメージも大きいんです」

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デイリーのケアはクレンジング、肌に栄養を与えるオイル、保湿の3ステップ。
上: フェイシャルオイル 15ml ¥6,050 中: デイクリーム 50ml ¥7,370 下: クレンジングオイル 100ml ¥5,610/以上エドストローム オフィス

―日本はまだまだ環境への意識が低いので、このようなアイテムが広まることを願っています。

「日本の皆さんには、ブランドのことをぜひ知っていただきたいです。いままでの経験上、日本の方々は肌について繊細に考えているという印象があります。フランスは環境問題については教育もされているので意識は高く、成分的に環境に配慮された化粧品は充実していますが、一方で肌への効果が低く、使っても満足感が得られないものも多いのです。そのようなことが起こらないよう、研究にはものすごく時間をかけたので、オン ザ ワイルド サイドの製品は使い始めてすぐに手ごたえを感じていただけると思います。使っていることで環境保護にも貢献しているというのは、精神的にも健康でいられますよね。お客様から『ブランドの背景を知り、自然に対する考え方や人生観が変化した』というメッセージをいただくこともあります」

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―新製品のヘアオイルについて教えてください。

「合成シリコンを使わず、サラサラの仕上がりやツヤ感を自然界のものだけでどうやって実現するのか?ということに挑戦しました。ベジタブル由来のシリコンと、近所の林でとれたセントジョーンズワートの花をオイルで抽出した成分を入れているのですが、これがナチュラルなツヤ感の秘密。少量を手にとって温めて、髪になじませるだけで違いが感じられると思います」

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髪に栄養を与え、なめらかに整える。100%自然成分で合成物質やエッセンシャルオイルは使わず、頭皮にもやさしい。ヘアオイル ¥6,050(11/14発売)/エドストローム オフィス

―アン=ソフィさんは、仕事とプライベートのバランスはどのようにとっていますか?

「ウィークデーにはとにかく思い切り仕事をする。そのぶん週末は一切仕事のことを考えず、家族と過ごすことに集中する。その切り分けが私にとってはすごく大切です。いま10歳、7歳、4歳の3人の男の子を育てていて、週末はとにかく外に出て彼らと遊びますが、仕事で養った集中力が助けになっていると感じます。反対に、週末に家族と過ごして蓄えたエネルギーが、仕事へのモチベーションになるんです」

―野生の植物を使った自然療法のレシピブックも出版されていますね。

「外からも身体の中からもきれいで健康になりたいという思いがあり、ハーブ使いが得意なお菓子職人の友人と本を作りました。ワイルドクラフトの素材を使ったジュースは簡単にできて効果が感じられるので、ぜひ皆さんにも試していただきたいです。たとえば髪を美しくするハーブ、イラクサはシャンプーにも使っているんですが、飲むことで身体の内側からも髪を健康にしてくれますよ」

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パティシエで自然療法士のジェニファー・ハート=スミスとの共著『ワイルドセラピー』。

―今後トライしたいことは?

「いま研究しているのは、寝ている時間を有効に使うスキンケア。朝起きた瞬間に鏡を見たら『違う!』と思えるほどの効果を出したいと思っています」

オン ザ ワイルド サイド
https://onthewildside.jp

●問い合わせ先:
エドストローム オフィス
tel: 03-6427-5901

 

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