アンチエイジングの最新事情をアップデート 幹細胞治療で内側から若返る。

Beauty 2023.02.24

美容医療や最先端医療の進化を追いかけていると、可能性と選択肢が増えて、歳を取るのも悪くないと思える。とはいえ、決して安くはない治療でもあるわけで、自分の年齢や目指す理想にマッチするかはよく吟味を。今回は、最近よく耳にする「幹細胞治療」について、ワイズサイエンスクリニック広尾の日比野佐和子先生に教えてもらった。

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photography: iStock

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日比野佐和子
医療法人康梓会
ワイズサイエンスクリニック広尾
統括院長

エクソソーム療法、ゲノム栄養学などエイジングマネジメント医療における第一人者として国内外のVIPの治療を担当。現在は、大阪大学大学院医学系研究科 遺伝子治療学特任准教授も務める。

「美容医療が一般的になり、さまざまな施術や治療が手軽に受けられるようになっているからこそ、果たしてそれが本当に必要な治療かどうか、自分で見極められる知識を持つことが重要です。外見だけの美容医療は老体にただムチを打っているだけ。内側からの若返りを同時に行っていく必要があると思います。

クリニックでは美容医療に加え再生医療の分野を設けて、年齢によって失われた機能や組織を幹細胞の働きによって補う、“年齢を巻き戻す”治療を行っています。幹細胞治療は、大きく分けると3つ」

①自身の脂肪組織から幹細胞を取り出し、培養して戻す。
「ヒト自己脂肪組織由来間葉系幹細胞投与による肝障害の治療」

腹部もしくは臀部から皮下脂肪組織を10〜20g採取し、そこから分離した自身の幹細胞を約5週間かけて培養。それを点滴で体内に戻す。戻した幹細胞は体内を巡り、幹細胞自体の働きや、幹細胞から放出される成分によって、傷ついた組織(臓器や肌)を修復する。3カ月〜半年程度で定着し、2年ほど持続する。初回投与¥2,791,800〜

②自身の脂肪組織から幹細胞を取り出し、濃縮して注射。
「脂肪組織由来間葉系幹細胞群を用いた慢性疼痛治療」

①と同様、自身の脂肪細胞から幹細胞を分離するが、培養はせず、濃縮させて末梢静脈内に点滴で投与する。手術そのものは当日5時間程度で終わるが、最低20gの脂肪採取が必要。1回¥2,200,000~

③活発な幹細胞培養の上澄み液を点滴、注射する。
「エクソソーム療法・幹細胞培養上清点滴療法」

胎盤などから摂取した幹細胞を培養し、その培養液に含まれる上清液を点滴や注射で投与する。1回¥110,000〜。特に赤ちゃんの臍の緒近くから摂取したウォートンジェリーと呼ばれる上清液は、細胞間のコミュニケーションを活発にするエクソソームがほかの細胞由来と比較して20万倍近く豊富といわれる。こちらは1回¥330,000〜

「①は自身の脂肪組織や骨髄から幹細胞を取り出し培養して戻す方法、②は自身の取り出した幹細胞を濃縮して点滴する方法、③は別の若いヒト由来の幹細胞培養の上澄み液(上清液)を点滴または注射する方法です。体内を会社にたとえると、①②は仕事のできる人材を採用する、③は人材は採用せず社内の環境を良くするイメージです(下図)。当然①②のほうが効果も高く長続きしますが、金額も時間もかかります。

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内側からの若返りには、生活習慣も深く関係しています。幹細胞治療に抵抗を感じる方には、血液で遺伝子解析も行っています。そこから弱点を見極め、食や睡眠などライフスタイルの改善を提案します。いずれにしても、美しく歳を重ねるには健康で楽しくいることがいちばん! 進化する治療が若々しい見た目と身体を可能にしてくれます」

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ワイズサイエンスクリニック広尾
Y’s Science Clinic Hiroo

東京都港区南麻布5-15-27
広尾REEPLEX B’s 6F
tel:03-6447-7605
診:10:30~18:00 
休:月、日、祝
https://yss-clinic.jp
●初診¥8,800 

*「フィガロジャポン」2023年3月号より抜粋

editing: Sachico Maeno

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