日本上陸20周年! アヴェダが創業以来大切にする「3つの柱」とは?
Beauty 2023.04.17
1978年のブランド設立以来、一貫して人のため、地球のためといったマインドを掲げ、サステナビリティを追求してきたアヴェダ。日本上陸20周年を迎えた今年初めには、社会や公益のために事業を行う企業に発行される国際的な民間認証制度、B Corp(ビーコープ)の認証を取得したことを発表。業界を牽引するリーダーとして、アヴェダはどう進化して行くのか。来日した副社長、デイヴィット・ハッチンソンに話を聞いた。
――日本上陸 20 周年、おめでとうございます。アヴェダにとって日本のマーケットはどんな存在ですか?
日本上陸20周年を祝うことができて私たちも大変うれしく思っておりますし、ワクワクしています。日本はとても重要なマーケットであり、そして日本のアーティストの方々、日本におけるトレンド、そしてスカルプケアの文化などから本当にさまざまなヒントをもらっています。前回、製品開発の仕事で来日した際に、日本のクリエイターからアイデアをもらい、それをアヴェダの商品に生かすことができました。私自身もたくさんのひらめきをもらえるので、訪れるのがとても楽しみな国です。
――デイヴィットさん自身は、日本のどのような部分がお好きですか?
来日した際には毎回、迷ってしまうくらい街中を歩いてインスピレーションをもらいますね。トレンドだけでなく、ファッションもヘアアーティストのクリエイションも含め、色々なことがヒントになります。また表現の方法やクリエイティビティにおいて、とても豊かなカルチャーがあると思うので、私のように製品を作ったり、広告を手掛けたりしている人間には、とても刺激になる国ですね。
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――デイヴィットさんは、製品開発から広告まで広い範囲のお仕事に携わってらっしゃいますね。
私は製品のアイデアからコンセプト、素材選びなどを含む商品開発から、世界規模で展開する広告やソーシャルメディアでのキャンペーンまで携わっています。アヴェダには魂があり、ミッションがあって、さらにDNAがあります。単純に素晴らしい製品を作るということだけでなく、私たちアヴェダで働く多くの人々、そして我が社のヘアスタイリストたちにとっても、社会にちゃんと関わることによって、地球に対して良いことをしているという気持ちを持つことができるスペシャルなブランドです。
――1978 年以来、「BEAUTY(美)」「WELLNESS(健康)」「ENVIRONMENT(地球環境)」 の3本柱で美容界を牽引してきました。その頃と現在、変わらないものは何ですか? 逆に変わったことは?
私たちは1978年のブランド設立当初から、常に「BEAUTY(美)」「WELLNESS(健康)」「ENVIRONMENT(地球環境)」 の3本柱に対して一貫してコミットメントを持っていて、それはアヴェダにとっては普遍的なものです。それがアヴェダのすべての活動の源泉になっていて、3つのミッションやパイオニア精神を真摯に受け止め、ブランドを運営しています。
設立後に変わったことは、常に基準を高めているということ。最近では100%ヴィーガンを達成しましたし、B Corp認証も取得しました。パッケージを作るための新しい素材もいつも探しています。私たちはブランド創設者のパイオニア精神を引き継ぎ、立ち止まることなく、常に前進することに注力する。そして不可能だったことを可能にしていくのが使命だと考えています。
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――アヴェダはサステナビリティの先駆者で、今年初めには BCorp認証も取得されました。いまでは多くの企業がアヴェダに追随していますが、これからのアヴェダの役割をどのようにお考えですか?
アヴェダの役割は、常にリーダーとして、この業界を牽引していくことだと考えています。現在のように多くの企業がサステイナビリティに大変真剣に取り組んでいることは、とても喜ばしい状況ですし、それは人間、動物、地球のすべてにとって正しい行動だと思っています。そんな状況の中でのアヴェダの役割ですが、ブランドの規模を鑑みると、私たちとしては新しい進化の方法を常に模索していき、社会的に貢献しながら、環境に優しい製品の作り方、仕事の仕方を追求していくことだと思います。
そのひとつが、アヴェダが1999年来以降、毎年4月に行なっているアースデイ月間です。アースデイ月間とは、世界中の必要なところにきれいな水を提供、支援する活動です。私たちはこの取り組みの中でアースデイ月間の限定商品を発表するのですが、今年の限定プロダクトボタニカル リペア リーブイン トリートメントでは海洋由来のプラスチックを使ったパッケージを作っています。海洋ゴミを収集し、再利用したものです。このように他社とは違うアプローチで皆様の期待を裏切り、より驚いてもらえるような形で業界をリードして行くのもアヴェダの役割だと捉えています。
――アヴェダはとても大きな企業です。その中で常に新しいことに挑戦するのは大変なことだと思います。さらに人、動物、地球環境といったさまざまな要素が密接に絡まったブランドを運営していく、そのやり甲斐とはどんな部分でしょうか?
私たちは「正しいことをやりたい」だけなのです。これは、1978年の会社設立当時からそうなのですが、当時はサステイナビリティなど口にする人もいませんでしたし、コンセプトしても存在してなかったと思います。しかし、アヴェダの創立者、ホースト・レッケルバッカーはそれが正しいことだと信じ、現在でもそのマインドが脈々と受け継がれている。なのでアヴェダに関わるすべての人が同じ信念を持っていて、パフォーマンスの高い素晴らしい製品を作るというだけではなく、常に地球に対しての影響を頭に入れながら行動する、それが私たちの役目で義務なのだと思っています。アヴェダで働いていると、それは選択肢ではなく、すでに身体や思考に組み込まれているもので、その辺りも他のブランドとは違うところかもしれないですね。
――もちろんデイヴィットさんもそのアヴェダの考えに共感して、この仕事を選ばれたと。
以前の職場にいる時、アヴェダに携わる機会がありまして、「この会社は世界をより良い場所にしようとしているブランドだ」と知りました。製品を作るだけではなく、地球を大切にし、世界をより良い場所にしていくことに毎日取り組める、それは自分にも大きな意味があって、強い信念に基づいた仕事に関われることがうれしく、アヴェダで働くことに決めました。明確な目的のあるブランドなので、トレンドだけに左右されることなく、ものづくりに強い信念が織り込まれている。そして、それを作り出す一員として関われることは私にとってもすごく刺激的なことなので、私も何かお返しできるように自分を奮起してみようと思ったんです。
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――現在、デイヴィットさんはアヴェダの中で色々な仕事に携わってらっしゃいますが、仕事上でいちばん好きなプロセスは何ですか?
私は製品の開発が本当に大好きで、開発チームとのやり取りも楽しいです。アヴェダでものすごくユニークなことは、研究開発チームとアロマラボが一箇所に集まっていること。アロマラボはアヴェダ独自のもので、香りの設計から素材の選別から生産まですべてを手がけています。そういったユニークな開発プロセスに関われることがすごく好きです。デザイナー、ヘアアーティスト、さらには研究開発のスタッフと連携をしながら、素晴らしい製品を作っていく。それは単純にパフォーマンスが素晴らしいということだけではなく、ヴィーガンでクルエルティフリー(製造開発の工程で動物に残虐な手段が取られていないもの)、そして責任のある原材料を使うこと、責任のあるパッケージを採用している、さらに地球環境に配慮した生産方法であること。これらすべてを満たした中で製品を作っていくことは、本当に大きなチャレンジでもあります。そんな中、アヴェダの商品を買って下さる方々を見ていると、私は自分の仕事がきちんと出来ているんだなと感じられて、その瞬間が何よりもうれしいですね。
text: Tomoko Kawakami