自分も地域も元気になる、鹿児島の離島の旅へ。

Beauty 2023.04.24

桐村里紗

01-tokunosima-230416.jpg

世界自然遺産に選ばれた鹿児島県奄美群島の徳之島へ、初めての旅。
徳之島初の一棟貸切型、全棟オーシャンビューでサウナ付きというプレシャスなヴィラ「YUUNA-結那(ユウナ)」での打ち合わせという贅沢な時間です。

このヴィラは、徳之島町の町有地・里久浜海浜公園に建築されています。
滞在する人の心身が満たされるだけでなく、ふるさと納税経由での宿泊を促すことで地域の経済を活性化し、関係人口を増やして地域に経済と人の循環を生み出すことまでも設計されているのが特徴。

これまでのツーリズムは、人気になればなるほどにその土地が荒らされたり、地域住民の暮らしが脅かされたりすることも問題になっていました。

奄美群島は生物多様性が豊かな自然や島民中心の営みが残る場所です。島民からは、世界自然遺産に登録されたことで観光地化が進み、自然や地域の暮らしにネガティブな影響が出るのではないかという懸念の声も聞こえていました。そんな中、世界的な流れを受けて、自治体と企業がタッグを組む形で立ち上がったのが「ユウナ」のプロジェクトだったのです。

自然や地域の営みを守り、より豊かにする再生型(リジェネラティブ)ツーリズムへ。これからの観光事業にはそのシフトが求められています。

---fadeinpager---

「ユウナ」の全開放できる窓からは、サーフスポットであるビーチにすぐにアクセスできます。滞在期間中もコンスタントに良い波がたっており、サーフィンをする地元の人たちの姿が見られました。

02-tokunosima-230416.jpg

セルフチェックイン&アウトで、調理器具が充実したキッチンで自炊するスタイル。
車でほど近いスーパーマーケットに買い出しに行けば、ローカルな暮らしに触れることができます。
ゆったりと心地良い3室のベッドルームがあり、家族連れやグループでも気兼ねなく滞在が可能です。

03-tokunosima-230416.jpg

ラウンド型の可愛いバスタブ付きの浴室には、サウナも完備。
焼けた石に水をかければひとりロウリュもできるから、サウナーにもうれしいはず。

04-tokunosima-230416.jpg

アメニティは、オーガニック仕様。
リサイクル素材で地球環境にも優しい。

05-tokunosima-230416.jpg

---fadeinpager---

農薬や化学肥料を使わずに育った徳之島産のコーヒー豆や月桃、パパイヤのリーフティーもキッチンに備わっています。
特にコーヒーは貴重品。

230424_tokunoshima.jpg

徳之島の森の中にある宮出珈琲園で、宮出さんが木々と対話しながら手間隙をかけて大切に育てるコーヒー豆を使用しています。

230424_tokunoshima_02.jpg

一般的な輸入コーヒーは、私たちの嗜好品として楽しみを与えてくれる一方で、大規模なプランテーション型のコーヒー農園で育てられ、農薬や化学肥料を使うことで生態系に負担をかけ、低賃金で働く労働者にも負担を強いるものでした。

宮出珈琲園の豆を使ったコーヒーを飲むことで、私たちの心が豊かになることはもちろん、宮出さんがコーヒーの木を通して徳之島の森を豊かにする活動を応援することができます。

そんな貴重すぎる徳之島産のオーガニックコーヒーやお茶を入れて、窓辺のリクライニングチェアで心を空っぽに。
スマホやPCは、当然、オフ。
デジタルなノイズを排除して、鳥のさえずりや波の音に耳を澄ませれば、五感が開いてきます。

06-tokunosima-230416.jpg

仕事が立て込んで1カ月ほど不眠モードだったのですが、あっという間に緊張が緩んでぐっすりと眠れました。
あえてカーテンを閉めずに眠れば、朝日とともに自然に目が覚めます。
朝ヨガプログラムに参加して、太陽礼拝の動きで全身を目覚めさせたら、島のリズムと身体がすっかりシンクロし始めます。

07-tokunosima-230416.jpg

旅行によって自分の心身が満たされながら、生態系がより豊かに、地域の文化がより醸成していく新しい旅行スタイルは、再生型を超えたプラネタリーヘルス・ツーリズムです。

YUUNA-結那-
鹿児島県大島郡徳之島町花徳47番地
https://ui-yuuna.com

 

text: Lisa Kirimura

桐村里紗

医師 / tenrai株式会社 CEO
臨床現場において、最新の分子栄養療法や腸内フローラなどを基にした予防医療、生活習慣病から終末期医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。食や農業、環境問題への洞察を基にした人と地球全体の健康を実現する「プラネタリーヘルス」や女性特有の悩みを解決する「フェムケア」など、ヘルスケアを通した社会課題解決を目指し、さまざまなメディアで発信、プロダクト監修などを行なっている。また、東京大学工学系研究科道徳感情数理工学・光吉俊特任准教授による社会課題を解決する数式「四則和算」の社会実装により人と社会のOSをアップデートすることを掲げたUZWAを運営。現在は、東京と鳥取県米子市の2拠点生活を送り、土と向き合う生活を送っている。フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演するなどメディアでも活躍し、新著『腸と森の「土」を育てる 微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)が話題。
https://tenrai.co/

Share:
  • Twitter
  • Facebook
  • Pinterest

シティガイド
フィガロワインクラブ
Business with Attitude
編集部員のWish List!
BRAND SPECIAL
Ranking
Find More Stories