昼食後の眠気、パフォーマンス低下......対策のカギは朝食に?

Beauty 2023.12.12

桐村里紗

お昼ごはんを食べたら眠くて仕事ができない。
やる気が落ちて、パフォーマンスが低下する。
そんな人は多いはず。

血液が脳から胃に集中して、脳機能が低下する、というのが一般的に言われることだけど、それだけじゃありません。
食後に血液が胃に回るのは生理現象で、避けられないことではありますが、もうひとつの原因には自分で対策ができます。

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photo: shutterstock

実は、午後のパフォーマンス低下の原因のひとつは、血糖値。
症状としては、食後の眠気や倦怠感、場合によっては焦燥感やイライラ、動悸や息切れなどのパニック障害のような症状も。
糖尿病と診断されていなくても、食後に血糖値が跳ね上がる「血糖値スパイク」は20代であってもこっそり起きているんです。
急上昇した血糖値を下げるには、血糖値を下げるインスリンが過剰に分泌されますが、そうなると今度は低血糖となります。
よく、夕方近くに低血糖を起こす人は多いと思いますが、実は血糖値スパイクが起きた後の反応性低血糖かもしれません。
そこで甘いものを補食すると、また血糖値が上がるので、血糖値が乱高下します。

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昼食に血糖値が上がりやすいパンや麺類、甘いものを食べることはもちろん血糖値スパイクの原因になりますが、最も重要なのは、それよりも前の食事、朝食。
朝に時間がなくて、コーヒーだけ。ヨーグルトだけ。ジュースだけ。
こんな人は、昼食後のパフォーマンス低下リスク大!
昼食後のパフォーマンス低下を防ぐカギは、朝食にあるんです。

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昼食後の血糖値を下げるために重要なこと。
それは朝食に「食物繊維」を含むものを食べること。
カナダ・トロント大学のジェンキンス博士が提唱する「セカンドミール効果」という理論があります。
1日のうちで最初に摂った食事が、2回目の食後血糖値にも影響を及ぼすというもの。
つまり、昼食後に血糖値が乱高下して眠気が来たり集中力が切れたりしてパフォーマンスが下がるという人は、朝食で食物繊維を意識してとってみてください。
血糖値を下げ、満腹感をもたらす痩せホルモンGLP-1(ジーエルピーワン)の分泌も期待できます。
ヨーグルトを食べるなら、それだけじゃなく、食物繊維が豊富なバナナやグラノーラ、オートミールを加えて。
食パンとコーヒーよりも、ご飯と納豆を選ぶようにしましょう。さらには、白いご飯よりも雑穀米や胚芽米のほうが食物繊維が豊富でベターです。
コンビニで野菜ジュースを買うならば、食物繊維が少しでも多いスムージータイプを選びましょう。

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photo: shutterstock

朝のちょっとした工夫で、食物繊維を補給すれば、昼食後のパフォーマンス低下を防ぐことができますよ。

桐村里紗

医師 / tenrai株式会社 CEO
臨床現場において、最新の分子栄養療法や腸内フローラなどを基にした予防医療、生活習慣病から終末期医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。食や農業、環境問題への洞察を基にした人と地球全体の健康を実現する「プラネタリーヘルス」や女性特有の悩みを解決する「フェムケア」など、ヘルスケアを通した社会課題解決を目指し、さまざまなメディアで発信、プロダクト監修などを行なっている。また、東京大学工学系研究科道徳感情数理工学・光吉俊特任准教授による社会課題を解決する数式「四則和算」の社会実装により人と社会のOSをアップデートすることを掲げたUZWAを運営。現在は、東京と鳥取県米子市の2拠点生活を送り、土と向き合う生活を送っている。フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演するなどメディアでも活躍し、新著『腸と森の「土」を育てる 微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)が話題。
https://tenrai.co/

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