リリー=ローズ・デップ、オールバックで「おでこ」を見せるトレンドのリーダーに⁉

Beauty 2025.02.17

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2024年12月にリメイク版『吸血鬼ノスフェラトゥ』が本国で公開されて以来、多くのネットユーザーが、広い額を再び流行らせた25歳の女優を称賛している。

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アカデミー名誉賞授賞式に出席するリリー=ローズ・デップ。(ロサンゼルス、2024年11月17日)photography: Getty Images

「大きなおでこが再び流行るかも?」これは多くのネットユーザーの間で盛り上がっている話題であり、女優リリー=ローズ・デップがこのトレンドの旗印になっている。中世では美と高貴さの象徴であった広い額は、その後は輝きを失い、見栄えが悪いとされるまでに衰退した。その結果、ヘアファッションの世界では広い額を隠すために前髪、レイヤー、ハイライトを採用したが、特に大流行中のカーテンバングスなど、女性が顔の上部を隠すのにさまざまなトリックが役立っている。一方で、2024年12月全米公開のホラー映画『吸血鬼ノスフェラトゥ』(ロバート・エガース監督)に登場するジョニー・デップとヴァネッサ・パラディの娘に触発され、広いおでこを受け入れることを選んだ人も現れた。これは、かつて美の基準だったおでこが威厳を取り戻す兆しなのだろうか?

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大きなおでこの歴史

中世の終わりに、ヨーロッパでは広い額が美の象徴と考えられていた。広いおでこは当時の女性のワードローブの中で非常に人気のあったヘッドドレスを引き立てたからだ。「キリスト教の伝統により、女性は髪を覆うことが義務付けられていました。髪は不信感を招き、男性を誘惑する罠と考えられていたため、隠されていたのです」と、ファッション史家で『Ma première histoire de la mode』(パレット社刊、2021年)の著者であるガブリエル・シャロードーは説明する。「頭飾りが重要視されているのは、中世では頭が身体の最も重要な部分、つまり個人のステータスに関する情報を伝えるパーツだと考えられていたからです」

そのため、女性たちは顔、特にその上部が重要視されたのだが、広いおでこは女性の若さと知性を象徴する、非常にエレガントなものと考えられたのだ。さらに額を強調するために、中には顔を長く見せるトリックを使う人もいたという。「14 世紀末から、こめかみとうなじの毛は剃られ、額の毛、そして時には眉毛も脱毛したのです」と、シャロードー。「髪が頭飾りからはみ出ないように、額をかなり広くするのが目的でした」。そのために女性たちは、薄いガラスの刃でできたカミソリやピンセット、さらには脱毛クリームを使用したと考えられている。後者は「生石灰でできており、健康に非常に有害です。この流行はルネッサンス初期までしばらく続きましたが、16世紀に廃れました。17世紀には、人々は平たい大きなおでこという概念から離れ、カール、真珠、リボンなどをあしらった、手の込んだヘアスタイルを好むようになりました」

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リリー=ローズ・デップはおでこのシンボル

長い間忘れられていたこの中世のトレンドは、リリー=ローズ・デップのおかげで再び流行するかもしれない。ヴァネッサ・パラディとジョニー・デップの娘である25歳の彼女は、ファッションアイコンであり、才能ある女優として地位を確立している。そして現在では、大きなおでこのスポークスマンという新しい役割を担う存在になった。

実際、長編映画『吸血鬼ノスフェラトゥ』に出演しているリリー=ローズ・デップの演技は、批評家から称賛されている。彼女の衣装は、19世紀初頭のヨーロッパのファッションに特徴的な"ヴィクトリア朝のゴス"スタイルにインスパイアされたもので、大衆の心を掴んだ。そしてサイドに三つ編みを巻いたヴィクトリアンヘアスタイルは広いおでこを強調しているが、誇示しているようにも見える。額をむき出しにしたこのヘアスタイルは、新古典主義のロマンティックな美学の典型であり、中世ファッションの復活に応えるものだ。「17世紀には、フォンタンジュスタイルというマイクロトレンドが生まれました」とシャロードーは説明する。「中世のように脱毛はせず、髪を頭上高く結い上げ、レースで留めるのです」。1990年代のオランダでは、ハードコアテクノの1ジャンルであるガバのカウンターカルチャーとして、女性ファンが髪の根元を剃って、広い額にする髪型が復活したこともあった。「ヘアスタイルの歴史を通して、広い額が再びファッションになるというマイクロ現象を私たちは観察してきました」とシャロードーは回想する。

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"大きなおでこ"のコミュニティも登場⁉

リリー=ローズ・デップが『吸血鬼ノスフェラトゥ』で披露したヴィクトリアンヘアスタイルは大成功を収め、TikTokなどのSNSでは彼女のスタイルを真似するファンが後を絶たない。「リリー=ローズ・デップのおかげで、大きなおでこを隠さずに生活が送れるようになった」「私のおでこはリリー=ローズ・デップに似ているかしら?」

また別のファンはリリー=ローズに似たヘアカットで登場し、「おでこが広い=ハートが大きい」とキャプションに綴っている。「大きなおでこのコミュニティのために、多大な貢献をしてくれたリリー=ローズ・デップが大好き!」と、語るファンは、髪留めで前髪を整えてからおでこを露出させている。

@newemberwest

For everyone who has a big forehead, you're beautiful

_hudaylc -

そのように皆が皆、面長の顔を自然なスタイルに戻すよう主張しているのだ。SNSでは「中世風のスタイル」も登場している。したがって、大きなおでこをむき出しにするスタイルは、ヘアトレンドとして復活を遂げる可能性があるといえそうだ。実際、顔の上部を露出するこのトレンドは数年前から台頭している。すでにヘッドバンド、シニヨン、スリークバンズと呼ばれる編み込みポニーテールが大流行中で、ベラ・ハディッドやケンダル・ジェンナーなどのセレブが取り入れている。

「ファッションの歴史はトレンドの回帰によって特徴づけられます」と、シャロードーは締めくくる。リリー=ローズ・デップのおかげで、大きなおでこは自信と独自性のシンボルとなった。誇りを持って、見せつけるべきものなのだ。

From madameFIGARO.fr

text: Juliette Gurunlian (madame.lefigaro.fr) translation: Eri Arimoto

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