イライラがとまらない! ストレスホルモンによって起こされる「怒りの引き金」、コントロールする術はあるの?

Beauty 2025.02.24

怒りを適切に表現することは、非常に大切なこと。怒りをいつまでも持ち続けると、ストレスホルモンの値に悪影響を及ぼしかねない。ストレスが溜まりすぎて、つい攻撃的になってしまうことは誰にでも経験があるのではないだろうか。でも、怒りはストレスを感じている物事にきちんと対策を講じるべき時を教えてくれる、大切なサインでもあるのだ。

※本稿は、ダヴィニア・テイラー著『いつでも調子がいいカラダになる! ホルモンをととのえる本』(CCCメディアハウス)の一部を再編集したものです。

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photography: shutterstock

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なぜ怒りを抑えられないのか

ときには激しい怒りを避けられないこともあります。現代のようなせわしない社会をストレスなしで生きるなんて、とにかくムリなのです。そして多少のストレスなら問題ないのです。結局のところ、人間はストレスに対応するようにできていますから。

数万年前、捕食動物に襲われそうになると、人はアドレナリンとコルチゾールを分泌したものでした。急いで逃げるのに力を貸してくれるホルモンだからです。

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しかし今や、こうしたホルモンが分泌されるのは、攻撃的な文面のメールを受け取ったり、クレジットカードの支払いに追い立てられたり、車の運転中に誰かに割り込まれたりしたときです。多くの人(普段はかなり穏やかな人でさえ)がすぐにキレてしまう「ロードレイジ(運転中の激しい怒り)」は、典型的な例です。

インスタグラムでフォロワーのみんなに、激しい怒りについて経験を聞かせてくれるようお願いしてわかったのは、人は現代の暮らしの中で、さまざまな怒りの引き金を引かれているということ。(中略)私は最近まで、怒りの原因が実は「恐怖」であるということに気づいていませんでした。怒りが沸いてくるとき、人はたいてい恐怖を感じています。ニーズが満たされず、そのせいで大惨事になるのではないかと思ってしまうのです。

ロードレイジの例に戻ると、相手のせいで自分の身に危険が差し迫っているかもしれないという恐怖を感じています。たとえば、運転しながら携帯電話をいじっている人を見かけた場合。脳はとっさに、「あのせいで私の命はどのくらいの危険にさらされるのだろう?」と無意識のうちに考え、すぐに警戒します。「あの車が突っ込んできて私たちは死んでしまう!」と、最悪の事態にまで想像がいたり、ストレスホルモンであるコルチゾールが増加します。

パニックになってピリピリしたあの感覚はコルチゾールのせいであり、コルチゾールが体内に溢れすぎると、ものすごい恐怖を抱くのです。

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怒りとは、脅威を感じたときに抱く正常な感情的反応です。とはいえ、21世紀の暮らしでは、コルチゾールが上昇するようなストレス要因がいくらでもあるため、物事はますます過酷になっています。ニュース、子ども、家族、金銭的なプレッシャー、仕事の心配、SNS。こうしたすべてがストレス反応を増幅させ、それが攻撃性に変わる可能性もあります。

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楽しいはずの旅行さえストレスになる

私は常に強い警戒モードになっており、自分にとって安全な空間(自宅でネットフリックスを見ているとき)でない限り、すぐにブチッとキレてしまいかねません。おかしな話ですが、歳を重ねるごとに悪化していることに気がつきました。もちろん、以前より賢明になったと思いたいですし、人からバカにされることも減りました。でも確実に、20代のときにしていたすべてを冷静にこなすことはできなくなりました。

当時の私にとって、旅行はワクワクして楽しいものでした。でも今では、旅やバカンスに行くと考えただけでも、ストレスでまいってしまいます。「眠れるかな?」「ホテルにネットフリックスあるかな? そうすればリラックスして安心できるんだけど」「道路を渡るときに左右の確認を間違えて車にひかれたりしないかな?」と心配し始めてしまうのです。私にとって、もはや楽しめる状況ではありません。荷造りがヘタで忘れ物をするし、いっぱいいっぱいになって、愛犬のところやいつものルーティンに戻りたいと思ってしまいます。最近は飛行機に乗るたびに、口唇ヘルペスができます。間違いなく、カラダがストレスを受けている証拠です。

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これは、人が年齢を重ねるとホルモン値も変化して、それがストレスや怒り反応に大きな影響を及ぼすことが原因です。(中略)月経周期のさまざまなタイミングで、状況はさらに悪化します。私のインスタグラムには、たくさんの女性がイライラした経験をシェアしてくれました。カレンはこう言います。

「生理の10日前に、ものすごい怒りを感じます。(略)かなりよくあることなのは理解しています。お医者さんにもそう言われました。でも私の場合、自制できないくらいなのです! 理由もないのに夜中に目覚めて腹が立ち、朝も腹が立った状態で目覚めます。あまりにもひどいから会議をキャンセルしたこともあります」

「よくあること」や「標準的」だからといって、それは健康という意味ではありません。でも、なぜ怒りが沸き上がってくるのか原因がまったくわからないこともあり、そんなときはさらにひどい気分になります。

クレアは、「ときどき、理由もなく激しい怒りが沸いてきます。たいていはいっぱいいっぱいになって自分でコントロールできません」と話します。「そんなときは、我慢、がまん、がまん、ドカン......という感じで、中間がありません。(略)娘にキレてしまったときは、ものすごい罪悪感にさいなまれます」

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最悪ですよね。「ホルモンの変化」+「現代社会でのストレス要因」=「怒り」であり、イコール「罪悪感」です。これに対して、何かしら打てる手はあるのでしょうか?

うれしいことに、あります。人生では、誰もが常にストレスと隣り合わせで、もうこれ以上我慢できないというときがあるものです。もしあなたに、打たれ強さなど微塵も残っておらず、手に負えないくらいの激しい怒りとイライラが爆発してしまうのなら、そして激しい感情に対する理解やコントロールを求めているのなら、本章はまさにぴったりです。

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『いつでも調子がいいカラダになる! ホルモンをととのえる本』
(CCCメディアハウス)
ダヴィニア・テイラー 著

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