ティーンエイジャーに伝えたい、フランス流シンプルスキンケア。

Beauty 2025.03.10

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ティーンエイジャーに複雑なルーティンは必要なく、ベーシックなスキンケアが最善だ。photography: Tassii / Getty Images

皮膚科医でCeraVeブランドのコンサルタントでもあるマリーナ・アレクサンドルが、ティーンエイジャーに伝えておきたい効果的なスキンケアの基本をアドバイスする。

セフォラキッズ(幼い頃から美容製品にハマり、不要なアイテムを増やす子どもたち)とスキンケアに無頓着な子どもたちの、妥当な中間点を見つける必要がある。なぜなら思春期には誰しもスキンケアが重要になってくるからだ。しかし、親にとってこの時期の子どもたちをサポートするのは必ずしも簡単ではない。「思春期は、子どもたちが自分で衛生管理をするようになる時期です。子どもたちは自立し、親はコントロールできなくなります。しかし、水で顔を洗うだけではもはや十分ではありません。ですから、いまこそ正しいスキンケアを身につけさせるべきなのです」と医師は語る。彼女は、「少ないほど良い」という信条のもと、洗顔、保湿、保護というシンプルな3ステップの習慣を確立する必要があると説いている。「一般的に言うと、肌が汚れている時、つまり夕方に洗顔し、乾燥している時は保湿し、そして太陽から肌を守る必要があります。生涯を通じて、やるべきことはそれだけです」

毎日肌を洗浄する

幼少期には、皮膚疾患がある場合を除き、肌に特別なケアは必要ない。医師は、乾燥肌ならば適切な保湿剤を使用するようアドバイスするだろう。しかし、思春期には戦略を変える必要がある。「ニキビのない美しい肌を維持するか、ニキビ問題に対処しなければならないかのいずれか」と、医師が語るように、2種類のシナリオのどちらかに直面するからだ。幸運にも肌トラブルのない場合、彼女は次のような基本的なルーティンを推奨している。「1日に1回シャワーを浴びて、身体を洗う際、シャワージェルよりもやさしい顔に適した製品を使用する習慣をつけてください」。しかし、ニキビに悩む人にとっては、これだけでは十分でない。「まず、軽度のニキビと重度のニキビを区別する必要があります。後者の場合は、化粧品では不十分なので、医師の診察を受けることが不可欠です。化粧品だけで対処しようとすると、自尊心が損なわれたり、傷跡が残ることもあります」。ニキビが中程度にある場合は、毎日の洗顔を1回ではなく、朝と晩の2回にすることを勧めている。「不純物や汚染物質を取り除く、夜の洗顔が最も重要であることを覚えておいてください。よほど、脂性肌でない限り、朝の洗顔はオプションです。夜の間に肌に蓄積された皮脂を取り除きます」

どのようなテクスチャーを選ぶべきかは、「洗顔料に関しては、皆が同じ好みではないので、使いたいと思う製品を選ぶことが大切です」と、ティーンエイジャーの好みに任せていいと医師は主張する。同じことは香水についても言えるだろう。「感覚は本当に重要であり、あなたが与えるものを使ってもらうために、できる限りのことをする必要があります。アトピー性皮膚炎の場合を除いて、香料入りの製品を使用することはNGではありません」。また彼女は、シャワーの際に、洗顔料を泡状にして使用することを推奨しているが、トラブル肌にはニキビ予防の洗顔料を勧めている。「ただし、ニキビがない場合は、シンプルな石鹸または合成洗剤で十分です」。10代の若者にとても人気のあるミセラーウォーターはどうだろうか?「私はあまり好きではありませんが、使用後によくすすげば、使っても何も問題ありません」

この時期からメイクを始めるティーンエイジャーも多いが、メイクをした場合は? 「その場合は洗顔の前に、バームやオイルといった本格的なメイク落としを取り入れる必要があります」。実際、医師が指摘するように、クレンジングが不十分な肌は、少しでも毛穴が詰まると、トラブルが生じたり、皮脂の分泌が過剰になったりする。いずれにせよ、不衛生であったり、過剰に洗いすぎると、オイリー肌のニキビを引き起こし、バランスを崩すことになると彼女は注意を促している。

保湿はやり過ぎないこと

皮膚科医の主張によると、保湿は何よりもまずティーンエイジャーのニーズを満たすものでなければならないと言う。「肌が乾燥していたり、つっぱっている場合は、夜に保湿剤を塗ってあげてください。しかし、一方で、美容液やその他のアイテムで手順を増やす必要はありません」。ニキビができやすい肌にとって、抗ニキビの薬用成分が含まれている保湿剤は貴重な味方にもなるだろう。しかし、必ずしも適切ではない可能性のあるソーシャルメディアのトレンドやその他のマーケティングの謳い文句には注意を向ける必要がある。「たとえば、ワセリンを顔に塗るという"スラッギング"のトレンドは、ニキビができやすい肌にも良いアイデアと言えるかは不明です。TikTokのトレンドを何でも追いかけようとしたり、美容アイテムをやたら増やしたり、よく分からないままDIYを始めることで、肌の調子が良い時でも、バランスを崩してしまう可能性があるのです」。彼女は特に、ソーシャルネットワークで度々話題となる有効成分について警告している。「レチノールはニキビに有効ですが、ニキビがなければ全く役に立ちません。ビタミンCについては、アンチエイジングには非常に良いですが、25歳未満は使用しないでください。適さない製品を使うことで、アレルギーや過敏症を引き起こすリスクがあります」

紫外線から肌を保護する

有害な紫外線から肌を守ることも重要だ。「親は子どもが幼い時には非常に注意深く見守りますが、思春期になると警戒を緩めてしまいます」と語る医師だが、幼い子どもでさえ必ずしも十分にケアされているわけではないと指摘する。「ある研究によると、子どもの頃に浴びる紫外線の47%は遊び場で浴びるそうです。ビーチや休暇先で紫外線対策をするのは良いことですが、実際には学校でも日焼け止めクリームや衣類で紫外線をブロックする必要があるのです。生徒たちは、たとえば昼休みなど日差しが最も強い時間帯に、日陰になることがほとんどない屋外の運動場で多くの時間を過ごします。子どもの皮膚はとりわけ脆弱で傷つきやすいので、皮膚がんなどの紫外線に関連するリスクを避けるため、肌を普段から保護する必要があります」

したがって、10 代の若者にも、晴れた日にはしっかりと日焼け止めを塗ることを医師は強く勧めている。「ニキビができやすい肌には、ニキビ予防の有効成分が入った SPF クリームを選ぶこともできます。ただし注意も必要です。そう謳っているものの中には、実際にはニキビを治すのではなく、肌をつややかにする作用しかないものもあります。成分をよく確認することです」

では、10 代の若者にとても人気のあるBBクリームやCCクリームのような SPF配合のメイクアイテムはどうだろう?「このタイプの製品は、顔に塗る量が少ないため、保護効果はかなり低いです。日焼け止めとSPF入りのファンデーションを併用すれば、より効果的です」

最後に、医師は薬局やドラッグストアで販売されている製品を利用することを推奨している。「特に今日では、CeraveやSVRといったブランドは若い世代に非常に人気があり、ソーシャルメディアで話題になっています。だから、ティーンエイジャーにそれらを使うよう説得するのは簡単です」。Z世代をターゲットにした、セフォラの棚を埋め尽くしているようなブランドについては、「子どもに決定の余地を残しておきたいのであれば、保湿剤や洗顔料は好きに選ばせると良いでしょう。ただし、ニキビケアや紫外線対策には、効果が実証されているものに頼る必要があります」。それから彼女はアメリカのサンケアブランドについても警告する。 「米国の法律では、非常に刺激が強くアレルギーを起こしやすい古いフィルターの使用を義務付けています。ヨーロッパ製の日焼け止めを入手できるのであれば、他を探す必要はありません。特にフランスには、幸運にも実績のある薬局があるのですから」

これこそ、パッケージや話題性に惹かれやすい10代の若者に伝えておきたいメッセージだろう。

From madameFIGARO.fr

text: Justine Feutry (madame.lefigaro.fr) translation: Eri Arimoto

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