佐賀・呼子に生まれたスリーの精油蒸留所で、国産ハーブの恵みをチャージ。
Beauty 2026.02.05
日本発のビューティブランドとして国産精油を用いたものづくりにこだわり、化粧品ブランドにおいて国内最大規模の自社農園を有するスリー。佐賀県内の畑で採れたハーブをフレッシュなうちに蒸留し、より高品質な精油を得るため、海と人々の活気が息づく港町の呼子(よぶこ)に小さな蒸留所をオープンさせた。充実した設備を製品づくりのために役立てる傍ら、ビジターの見学も受けつけるという新たな試みの気になる全貌をご紹介。

全国にも名を轟かすほど鮮度の高いイカ漁をはじめ、約100年もの歴史を持つ朝市で知られる佐賀県の呼子。玄界灘で水揚げされたさまざまな魚介類が取引されるみずみずしい交流の様子は、日本三大朝市にも数えられている。

そんなこの地の名物でもある、レトロな風情漂う目抜き通りの古民家を改装してオープンしたのが「THREE Aroma Distillery(スリー アロマ ディスティラリー)」だ。スタイリッシュにリノベーションされた木造建築に足を踏み入れると、建物内に立ちこめる芳しいハーブの残り香が早くも鼻腔をくすぐる。

入り口すぐのところに鎮座する国内最大級のオリジナル蒸留器の容量は、なんと1600リットル。この近辺だけでもローズマリーやユーカリ、ティーツリー、コモンタイムにロザリーナといった植物を栽培しているのだといい、土起こしより収穫まで丁寧に人の手で慈しまれた無農薬ハーブから、迅速かつ丹念に精油を抽出する。

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精油の香り成分は約0.2秒で脳に届き、私たちの心身にさまざまな効能をもたらすというのは、すでに知られている通り。その働きを最大限に高めて、いっそう上質な製品づくりに役立てるため、完成した精油はプロダクトの生産に使われるだけでなく、自社のリサーチセンターでの研究にも活用されるそう。

現状はオペレーションの関係上、製品づくりのための蒸留は一般のゲストがいないタイミングで行われているそうだけれど、2026年春からは事前予約制の精油蒸留体験に申し込みをすれば見学できることに。まずハーブガーデンへ足を運び植物の植え替えや収穫作業にトライしたのち、この施設で蒸留作業の様子を肌で感じる......というプログラムが予定されている。

ちなみに、スリーのオリジナル精油をブレンドして自分だけのディフューザーをクリエイトできるクラフト体験や、季節に応じたポプリかエアーリフレッシャーを調香するアロマワークショップなどであれば、すでに不定期で予約を受け付けている。
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建物の2階にあるワークショップスペースには、厳選された全30種のオリジナルエッセンシャルオイルがずらり。スリーの精油はその抽出方法も明らかで、たとえば同じユズが原料でも「水蒸気蒸留法」「圧搾法」「溶剤抽出法」と、どの方法で得られたのかが公開されている。メソッドによって香り立ちの印象が異なることからも、アロマの底知れぬパワーを実感できるはずだ。

国産のものは唐津に南阿蘇、富山に高知、愛媛......と、産地も明記。スリーが取り組む全国各地での生産活動の様子と、国産精油にかける思いがひしひしと伝わってくる。

ほかに入手できるアイテムとして、店舗限定で展開されている全5種のオリジナル ブレンドティーや、この蒸留所でしか手に入らないハーブアイスミルクも。こちらは3個セットでの販売だが、ゼラニウム、ペパーミント、ホーリーバジルのフレーバーの中から好きなものを組み合わせ可能。もちろんお茶にもアイスにも自社農園で育てた国産植物が使用されており、摘みたての生命力が鮮やかに五感へ訴えかけてくる。精油の香りのみで調香された大ヒットフレグランスの「エッセンシャルセンツ R」や、佐賀県内の農園で収穫されたハーブの精油を含むボディケア製品などが手に入るのもうれしい。
プロダクトとしてのさらなる高みを目指すのみならず、地産地消や地方創生にも働きかける──サステイナブルで心地よい生産の仕組みを確立するために誕生した新たな香りの拠点を訪れれば、いつも愛用しているアイテムたちもさらに身近で愛おしく、パワフルに感じられそう。
佐賀県唐津市呼子町呼子3769-1
営)9:00〜15:00(平日)、9:00〜17:00(土日祝)
休)火、水、木、年末年始
https://www.threecosmetics.com/shop/three-aroma-distillery/
photography: Courtesy of Three text: Misaki Yamashita




