マイリップ、マイストーリー。 松本千登世が出合った、運命のベージュリップとは。

Beauty 2017.10.17

おしゃれなあの人は、リップとどんな出合いをして、いまどうつけているの? それぞれの物語に、自分も一本の運命リップと出合いたくなるはず。ビューティエディター・ライター松本千登世にとって運命の一本は、クレ・ド・ポー ボーテの「粘膜色」のベージュリップ。

クレ・ド・ポー ボーテ
ルージュアレーブルn 1 バンブー

松本千登世(ビューティエディター・ライター)

その日は「赤の唇」がテーマのインタビュー。当時、来る日も来る日も「楽だから」という理由で、塗るのを忘れても気付かないくらいのベージュリップに頼っていた私は、久しぶりのきれいな赤に緊張して、いつもより時間をかけて口紅を塗り、いつもより力を込めて洋服を着た。すると……? あれっ、ピアスを取ったほうがいい? ベルトも要らないよね。そもそも、肌のつくり方が違うかも。結局私は、メイクをし直し、洋服を選び直した。たかが一本の口紅にこんなにも振り回されるなんて! 同時に、こうも思ったのだ。口紅で楽をしちゃいけない。背筋が伸びる口紅に出合わないと……。

あれから何年が経ったろう? トレンドに乗り、赤に慣れたいま、実は、あれだけ私を甘やかしてくれたはずのベージュの口紅に、逆に女を試されている。ただなんとなく選んで、ただなんとなく塗っただけでは、思い切り地味になって疲れて見える、老けて見える。そうとはいえ、アイメイクやコーディネートに過剰な派手さを加えると、どうにも痛々しい。あの時、赤が鍛えてくれたように、私を磨いてくれるベージュに出合いたい……。

そんな私が、鳥肌が立つほど興奮した運命のリップがこの一本だ。たとえるなら、まさに「粘膜色」。思わずはっと息を呑む色と質感は、「この一本が似合う人でありたい」と思わせるほど、ピュアでいてエロティック。唇にのせただけで、肌も髪も、洋服やジュエリーまでも「素材」にこだわりたくなる。大人すぎる大人になった私にまだ、背伸びの意味と価値を教えてくれる最上級の口紅なのである。

そういえば、メイクを始めた頃、友人が「口紅は5分かけて塗るの」と言ったのを思い出した。口紅は女を女にする「儀式」だから、と。「似合いたい」口紅に出合ったいま、私はもう一度、その5分を大切にしたいと思っている。口紅を差す所作や唇で溶ける心地よさを楽しみ、手鏡と全身鏡で調整する時間が女を高めてくれると信じて。

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美しいツヤと発色、官能的な感触で潤う新リップ。涼やかなベージュ。¥6,480/資生堂インターナショナル

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Chitose Matsumoto

雑誌、単行本など、美容やインタビューを中心に活動。美の本質に迫る『結局、丁寧な暮らしが美人をつくる。今日も「綺麗」を、ひとつ』(講談社刊)など、著書多数。

●問い合わせ先:
資生堂インターナショナル
0120-81-4710(フリーダイヤル)

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*『フィガロジャポン』2017年10月号より抜粋

 

photos : JOHN CHAN

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