Be UnFramed / FLOWFUSHI 軽やかなパッションで、MEGが届けるクリエイティビティ。
Beauty 2018.12.25
ルールや常識といったフレームを飛び越えたアイテムを提案してきたビューティブランドのFLOWFUSHI(フローフシ)が、2018年末でブランドに終止符を打つ。今後は舞台を世界に移し、ブランド名も一新、次のステージでの挑戦をしていくことを発表した。
そんなFLOWFUSHIの「UnFrame」な精神を体現する9名にフォーカス。今回は、ロンドンを拠点にシンガー、ファッションディレクターなど幅広い活動を展開するMEGさんが持つ、アンフレームな視点に迫る。
MEG
2002年シンガーデビュー。自身がデザイナーを務める「カロリナ グレイサー」のほか、ブランドとのコラボレーションや商品開発など、ファッションアイコンとしても活躍。15年、ロンドンに活動拠点を移し、18年には新世代スキンケア「phy」の販売をスタート。
喜んでくれる人がいることが、モノづくりのモチベーション。
シンガー、デザイナー、カフェやコスメのプロデュース業など、これまでジャンルにとらわれない活躍を見せてきたMEGさん。何かを始めたいと思った時は、情熱のままにスピーディに行動する。
たとえばアパレルブランドを立ち上げた当時は、いまほどオンラインで服を買う文化がなく、携帯もガラケーの時代でしたが、東京だけに限らず喜んでくれる人に洋服を届けたいという思いで、ブログにリンクをつける形で通販のシステムを自分で構築して......ということをやっていました。
誰かが喜んでくれる。その思いがエネルギーになるという。
「こういうのが欲しい」というリクエストがそもそも大好物なんですけど、音楽も服も「表現したいものを作る」というのとは少し違って、私にとっては、相手がそれを喜ぶかどうかというのがすごく重要。小さい頃、保育園で作った工作を母親に見せた時に「すごいね、ありがとう」と言ってもらえて、うれしかったこととかがベースになって、ずっとその延長にいる気がします。何かを作って誰かが受け取るキャッチボールがあるかどうか。それがないと、アイデアを形にするところまではいかないかな。
今後はモノづくりやプロジェクトの途中段階を公開し、共有していく試みも考えている。
CDも服のデザインも、構想から作るプロセスをSNSで見せたり、投票してもらったりと、作る楽しみをシェアできたらいいなと。できあがったモノだけで判断してもらうのではなく、そこにたどり着くまでの経験も共有したい。いま、それが新しいなと思っています。
---fadeinpager---
視点を変えてみることで、フレームを外す。
ロンドンに移住して4年の間に出産を経験し、いまは育児も楽しんでいるところだ。
多様性の都市で、いろんなバックグラウンドの人が暮らしているから、宗教もカルチャーも人と違うのは当たり前でお互い認め合っている。特に子育てをしていると、日本のお母さんがいかに「こうじゃなきゃいけない」という思い込みにとらわれているかを感じますね。それで悩んでいる人も多いと思うけれど、私みたいなゆるい子育ての姿を見て、ちょっとでも気持ちが軽くなってもらえればと思っています。
以前に開催した「メグミーティング」というイベントもユニークだった。
ランダムな参加者4人と私で、トピックを持ち寄って、1時間いろんな意見を交わすという企画だったんです。年齢も性別も職業も、普段出会わない人同士が対話して、そこから新しい考え方が広がるきっかけになればいいなと思って。自分の周りの人はどうしても価値観が似ていたりするので、それ以上のことが出てこなくなってしまうこともある。全部で200人くらいと会ったんですけど、初対面の4人が仲良くなってそのままお茶に行ったりすることもありましたし、イベントを通して、私自身もいろんな発見があり、新鮮でした。
そんなMEGさん、未来の姿を思い描くことは?
考えたことがないんですよね。計画を立てないからこういう感じなんです。やろうと思ったら、いまやる。娘にも、アイデアを大切に育ててほしいと思っているし、苦手な物事に対してもいい部分を見つけられるような、トラブルシュートがうまい人になってほしい。そういう柔軟さがあると、楽しく生きられるような気がしています。
---fadeinpager---
MEGのアンフレームなメッセージ。
パズルにはめていくような形で大きくしていくと、どうしても過去のアーカイブの延長になってしまう。まったく新しいコンセプトでスタートするFLOWFUSHIの決断は、いちばん楽しいやつじゃないですか?
photos:TAK SUGITA (Y’s C)