クレイドをつくるクリエイターたち。Vol.1 クレイド、パッケージに秘められた想い。

Beauty 2019.10.19

日々の疲れを癒し、美肌へと導く――アメリカ西海岸の砂漠地帯で、原住民の手によって長年守られてきたクレイ。その知られざるパワーをプロダクト化したクレイドが、フィガロジャポンとスペシャルコラボ。今回は、クレイド全製品のデザインからパッケージングまでをすべて行うデザイナー、山口圭二郎を取材。

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デザインと技術、両方を知ることでお互いを高め合う。

下町の一角に佇む、黒いファサードの一軒家。デザイナー山口圭二郎は、この工房で、あらゆるデザインとパッケージを手掛けてきた。
「もともとはさまざまなデザイン事務所に勤務していたんです。ただ、いくらデザインを量産しても、それを“どうやって作るか”ということが抜け落ちているということに、ある時から違和感を感じて。そこまで自分でコントロールできたら、もっと違う達成感を味わえるんじゃないか……そう思ったのが独立のきっかけです」
その後彼は、デザイン事務所を退職し、一度文具の会社に入社。そこで紙や印刷に関するあらゆることを、ひととおり学んだ。

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印刷技術は簡単に引き継げない。半年から1年、何度も何度も町の小さな印刷工場に通って、やっと譲り受けた凸版印刷機。箔押し、型押し、抜き加工もできる。

「知れば知るほど、デザインと技術は相互で関係し合っていて。技術を学ぶことでデザインがブラッシュアップされたり、デザイナーの視点から見て技術の伸びしろが広がったり。そういう発見や経験がいくつもありました。と同時に、小さな印刷会社が直面する厳しい状況も目の当たりにしました。日本の印刷は素晴らしく、その会社でしかできない技術もそれぞれにたくさんあるのに、下請け制度や後継者問題で引退を余儀なくされる方も多い。そんななかで自分にもできることがあるんじゃないかと、4年前にこの工房を構えたんです」

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「この印刷は素晴らしく、ずっと眺めていられる」と熱く語る山口。

下町の小さな製鉄工場をリノベーションし、工房に。年代ものの断裁機を入れ、1年近く通った印刷工場から古い凸版印刷機を譲ってもらった。ときを同じくしてクレイドというブランドが立ち上がる。
「クレイドの代表である羽田賀恵さんとは、以前彼女が手がけていたローチョコレートのパッケージデザインでご一緒させていただきました。賀恵さんはいつも自由にやらせてくれるので、僕自身も誰も真似できない、世界にひとつだけのもの作りたい、といつも思っています。今回の特装版に入っているウィークブックも、実は特別な色を3色使って印刷しています。クレイドが採掘された大地の風景写真はとても素晴らしいのですが、プロダクトとしての存在感を出すためには、すべてがひとつのストーリーとして成立しなくはいけない。そこで、3つの特別な色を使って中間色を豊かにすることで、単なる風景写真の印刷ではない繊細なデッサンのような魅力を印刷で表現しています」
こだわりの印刷と手作業によるパッケージング。クレイドのほとんどの商品が彼の手によって作られている。

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環境を変える、行動する。それがモノの価値を決める。

191015-clayd04.jpg彼が手がける文具ブランドのパンフレット。サイドが蛍光に色づいた綴じ方にも、センスと技が光る。

デザイン、そして印刷に関して語るその情熱は、どこまでも熱い。
「いまはクレイドのほかに、『やまま文具』という名前でメモや付箋、木製のクリップなどの文具も制作しています。海外のバイヤーからの反応がよく、来年、ヨーロッパの展示会などにも出展する予定です」
クレイドも文具も、熱い想いが注がれたプロダクトの数々は、どれも手に取ると、優しく温かい。

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印刷と型押し、抜き加工を必要とする明治記念館のコースター。山口の手によって作られている。隣はオリジナルの木製クリップのケース。

「昔に比べて生み出しているデザインの数は減りましたが、デザインそのものの価値は上がった、と自信を持って言えます。僕自身は、グラフィックデザイナーである平野敬子さんに憧れてデザイナーを目指したんですが、彼女の本をいくら読んでも、どんなデザイン事務所に行っても、まったく彼女に近づいている感じがしなくて。デザインを量産して、大きな仕事をたくさんしても、それは変わらなかったんです。本当の意味での価値やクオリティについて考えるなら、やっぱり環境を変えて行動しないといけない。やっとそのことに気付けました」
クレイドが目指すのは、忙しい現代を生きる私たちの生活環境をよりよい方向へと導き、キレイと健康をサポートすること。そしてその先にある地球の環境保全に貢献すること。ひと口に環境と言っても、個人から世界までさまざまな解釈があるが、そのすべては根っこの部分で繋がっている。さまざまな想いが詰まったクレイドのプロダクトを使い始めることが、私、そして世界の環境改善への一歩となるだろう。まずは今日から小さな行動を起こして。

191017-IMG-4114.jpg 10月19日にTSUTAYA限定で発売になったフィガロジャポン×クレイドの特装版。「身体と心を癒やすバスクレイブックセット」と名付けられたスペシャルボックスは、クレイドの7日間分のバスクレイ(通常価格は¥3,850)とフィガロジャポン12月号(通常価格は¥730)がセットになって¥2,200とお得。

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