ディオール最先端スキンケアの研究者たちに聞く!
Beauty 2019.12.20
ディオールは、30年に及ぶ細胞研究、そして、20年の幹細胞研究を誇り、新発見をどこよりも早く化粧品へと応用してきた。その象徴とも言えるスキンケアライン「カプチュール トータル」が、2020年1月、華麗に進化! その驚くべき先進性と独自性について、トップサイエンティストたちに聞いた。
ディオール サイエンスが切り拓く、幹細胞研究の未来。
幹細胞と言えばカプチュール トータルの代名詞と言えるほど、20年にもわたり、幹細胞研究を続けるディオール サイエンス。幹細胞とはあらゆる細胞の源であり、肌の細胞においては0.2%しか存在しない希少なもの。今回、幹細胞研究のパイオニアとして、驚くべき新事実を発見したと語る。
実は、年齢を重ねても幹細胞の数は変わりませんが、潜在的なエネルギーが50%も減少することが明らかになりました。また、幹細胞周辺の細胞が持つ6つの生体機能が低下することも突き止めました
――――ブリューノ・バヴーゼ
LVMHリサーチ所長
6つの生体機能とは? それは肌の再生や自己修復など肌の健やかさにとって大事なミッションであり、つまりは幹細胞自体のエネルギー低下が細胞周辺に影響を及ぼし、肌老化のサインを招いているということ。これは20歳のドナーから提供された若い幹細胞と40歳のドナーから得た幹細胞とを比較し発見された、肌老化に関する事実である。
フランス・パリ郊外のコスメティックバレーにあるLVMHリサーチ、通称エリオス。東京・上海・ソウルにあるアジア イノベーションセンターと連携し、350人以上の研究者が従事している。パルファン・クリスチャン・ディオールをはじめとする、LVMHグループの化粧品のための研究・技術・製品開発を行っている。
ブルーノ・バヴーゼ
LVMHリサーチ所長 アジアイノベーションセンター統括
さらに今後、未来の肌研究に向けて、ディオールの研究所エリオスは、ノーベル生理学・医学賞受賞の山中伸弥教授が所長を務める京都大学iPS細胞研究所(CiRA)とタッグを組み、皮膚の代謝メカニズムの研究をスタートさせるというビッグニュースを、2019年9月に発表した。
iPS細胞科学は、再生医療の分野に応用できるよう研究を続けてきましたが、今後は、エリオスとの共同研究によって皮膚科学の分野にも応用する予定です。スキンサイエンスの進化にも大きく貢献できると自負しています
――――ホセ・ファビアン博士
京都大学iPS細胞研究所
皮膚幹細胞研究が進化することによって、美しい肌に導かれるスキンケアの可能性も、肌の未来も大きく変わる! そんな期待が寄せられている。
ホセ・ファビアン博士
京都大学iPS細胞研究所所属
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植物の多様性と潜在能力を探求。
スキンケア成分の源として植物の可能性を研究、天然原料の開発にも力を入れるディオール。いち早くディオール ガーデンを開設し、殺虫剤や化学肥料を使わず、生物多様性を尊重した栽培方法を貫いている。
今回は幹細胞のエネルギー低下という課題に対し、1667種の植物成分をスクリーニングしました。マダガスカル産ロンゴザ、シャクヤク、ホワイトリリー、ジャスミンの4種の花のコンプレックスを開発し、バイオ発酵による新しい浸透技術にも成功しています
――――パトリック・ショワジー
LVMHリサーチ 天然原料&サステイナブル ディベロップメント ディレクター
植物本来の潜在能力を高めるために、あえて手をかけないこともあるという。
地球温暖化による高温問題等の影響下で、サステイナブルな取り組みは、今後ますます重要なミッションとなりそうだ。
ディオール独自のフローラル コンプレックスには、1667種のスクリーニングから厳選し、採用された4種類を採用。再生力を備えたマダガスカル産ロンゴザ、生命力をたたえたシャクヤク、再生効果が期待されるホワイトリリー、中医学でも豊かな生命力を持つ植物と長らく注目されているジャスミン。いずれも見た目が美しいだけではなく、生物科学的なパワーにも満ちあふれている。
2019年11月に東京で行われたディオール スキンケア サイエンティフィック サミット 東京 2019の様子。会場は、サイエンス、ディオール ガーデン、独自のフォーミュレーションやサステイナビリティを喚起させる仕掛けがいっぱい。まさに花々に彩られた演出だった。
パトリック・ショワジー
LVMHリサーチ 天然原料&サステイナブル デベロップメント ディレクター
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AIを駆使し、新しい美の基準を確立。
今回、LVMHリサーチが初めて実施したのが、脳神経科学と人工知能(AI)を駆使した大規模な調査。いったいスキンケア製品はどんな恩恵と印象を肌にもたらしてくれるのか、これまで曖昧だった美の基準を客観的に計測したのだ。
肌のどんな要素が若々しさや美しさと結びつくのか、日本人、フランス人、中国人女性の顔から収集した2億件を超えるデータを分析しました。脳神経科学のエキスパートとともにスキンケア効果を評価する新たな指標、ヘルシー ビューティ インデックス™を確立しました
――――エドアール・モーベーズ=ジャービス
パルファン・クリスチャン・ディオール
サイエンティフィック コミュニケーション ディレクター&環境ディレクター
輝き、活力、弾力性、エネルギー、魅力、強さ、健やかさの7つが、見た目の美しさの基準として挙げられた。
ヘルシー ビューティ インデックス™が低いと、見た目年齢は実年齢より高く見えてしまうこともわかりました
――――ブリジット・ノエ
LVMHリサーチ フォーミュレーション研究所所長
これらの研究データから、健やかさこそが美の基準であること、肌が健康に見えるように導くことがスキンケアの重要課題であることを証明したディオール。新しいミューズ、ジゼルの存在により、健やかさと美の関係がひときわリアリティをもって印象づけられることとなった。
新生カプチュール トータルのミューズに抜擢されたジゼル・ブンチェンのイメージビジュアルが背景に。美しい肌の条件とは何か、ウェルビーイングな生き方とはどんなものかを体現するスポークスパーソンだ。ジゼルはスーパーモデルとしての華やかなキャリアのみならず、アスリートとして、また、環境擁護活動家、国連環境計画親善大使としても活躍する。
エドアール・モーベーズ=ジャービス
パルファン・クリスチャン・ディオール
サイエンティフィック コミュニケーション ディレクター&環境ディレクター
ブリジット・ノエ
LVMHリサーチ フォーミュレーション研究所所長
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美肌へと導くパワフルな効果と、肌へのやさしさを両立した新シリーズ。
幹細胞のエネルギー低下に着目し、4種の花のフローラル コンプレックスと独自の浸透技術によるバイオセルラー テクノロジーを採用。スターアイテムのセラムでは自然由来成分91% 、シリーズの他製品では自然由来成分84%以上を叶え、肌へのやさしさと環境に配慮しながら、生き生きとした印象へと導くシリーズ。
パルファン・クリスチャン・ディオール
tel:03-3239-0618
interview et texte : SAWAKO ABE