私にも地球にも健康的な、プラントベースの乳製品とは？

前回、多くの人が「腸活といえば」で毎日食べているヨーグルトが、実は不健康であることをお伝えしました。
乳製品は腸に悪影響を及ぼす可能性があることも。
環境への負荷が甚大だという点でも、まったくプラネタリー・ヘルス的ではないのです。
そんなわけで、世界的に、代替ミルクを使った乳製品へのシフトが進んでいます。

アメリカのオーガニック・ナチュラルなローカルスーパーでは、もはや「牛乳」をほとんど見かけず、一般的なスーパーでもたくさんの代替ミルクが選べますが、そのほとんどは、プラントベース・ミルクです。

アーモンドミルク、ヘーゼルナッツミルク、カシューミルク、ココナッツミルク、ヘンプミルク、オーツミルク、ライスミルク、豆乳など、ナッツ類、穀類、豆類由来のたくさんのミルクが並んでいます。
一部、羊やヤギミルクなどの動物由来もありますが、基本的にはオーガニックな牧草地で育てられたもの。

ロサンゼルスの高級自然派スーパー『Erewhon Market』にて。

---fadeinpager---

よりベターなプラントベースミルクは何だろう？

日本のスーパーでは、どこでも豆乳を見かけます。大手メーカーから販売されている「有機JAS認定」を受けた有機栽培の大豆由来の豆乳や、豆乳ヨーグルトもありますね。

「豆乳、好きじゃないわ」という方には、アーモンドミルクやアーモンドミルクヨーグルトも一般的になってきました。ただしアーモンドミルクについては、添加物がたくさん入っているものがありますのでご注意を。

また、研究によると、アーモンドミルクは、アーモンドを育てる際に比較的多くの水を必要とします。それからライスミルクは、排出される温暖化ガスが比較的多めです。稲作をする際に水を張る、その水田からメタンが発生するからです（しかし温暖化ガスの排出量は、牛乳と比較すると半分以下）。
※ Science,:vol.360,Issue6392,June,2018

オーツミルクは、風味やテクスチャーのために「ひまわり油」が入っているのが基本です。オメガ6系の植物油は、摂りすぎると体内に炎症を起こすので、これも日常的には控えたいところ。もし「植物性油脂」と書いてあれば、パーム油を使っている可能性もあります。パーム油は、その生産過程が森林破壊の元凶になっているうえに、酸化、劣化を起こしやすく身体にも悪いので、ご用心です。

---fadeinpager---

生搾りアーモンドミルクにもチャレンジを！

「あら、それでは一体何を選べば良いのかしら？」と、分からなくなってしまったかもしれません。
でも、プラントベースミルクを選ぶ時点で、乳製品より環境負荷が少ないのは確か。ただし上に書いたように、製品によっては、環境にも人にもよろしくないものもあります。ここは製造する人の意識、心意気にかかっていますから、これを見極める目を養いたいところ。目利きが選んで商品を陳列してくれているオーガニックスーパーであれば、信頼して買い物ができるのでストレスが減ります。これが妥当な線でしょうか。

ちなみに私は、時間にも心にも余裕がある時、オーガニックの生アーモンドを絞って自前のアーモンドミルクを作ります。生アーモンドを一晩浸水して、バイタミックスでミキシングして、ガーゼで濾して出来上がり。ひと手間かかりますが、味は濃厚でとてもおいしいことを保証します。

仕事で追い詰められている時には、当然のごとく「そんな手間暇かけてられないわよ！」となるわけですが。
余裕がある際には、ぜひお試しを。食の世界が開ける気がしますよ。