2021年 第74回カンヌ国際映画祭 カンヌ映画祭、メイクの主流はヘルシー志向に?

Beauty 2021.07.23

華やかなカンヌはフレンチテイストの映画祭。フランスの女優たちがお得意のナチュラルシックなメイクで例年以上に魅せてくれた。

【写真】ナチュラルメイクが映える、カンヌの女優たち。

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フランソワ・オゾン監督の『Tout s'est bien passé』の上映に登場したソフィー・マルソー。2021年7月7日。photo: Getty Images

パンデミックを経て、自由でグラマラスなカンヌ国際映画祭が戻ってきた。レッドカーペットではマスクを外し、笑顔で再会を喜ぶセレブたち(ただし試写会場ではマスクを着用)。もちろん、装いは華やかなオートクチュールや有名ブランドだ。ではメイクは? 今年はライト、ナチュラル、そしてシンプル。「フランスの映画祭なので、フランスの女優が多数参加していることを忘れてはなりません。レッドカーペットでも、開催国の影響が感じられます。フランスでは印象的だけど控えめなメイクが伝統的に好まれます」と映画祭期間中、マリオン・コティヤール、メラニー・ロラン、カミーユ・コタンのメイクアップを担当したクリストフ・ダンショーは言う。

真っ赤な口紅や派手なアイシャドウはほとんど見かけない。メラニー・ティエリーが、ある晩のパーティーに真っ青なアイシャドウで遊んでみせたぐらいだ。

それ以外はナチュラルなメイクばかり。ただ、ナチュラルであってもノーメイクでは決してない。ノーメイクに見えるのは幻想にすぎないことは何シーズンも前から学習済み。ベースを軽やかに、唇はグロスの質感を強調し、目元はスモーキーカラー、またはごく控えめなペンシルのラインで仕上げる。

「コロナ禍のストレスの多い時期を経て、いま、ヘルシーさを求める気分が高まっています。元気であることをアピールしたいのです。だからたとえばチークの人気が復活しています。血色のよさや健康を強調できますからね」とサンドリーヌ・カノボックは言う。サンドリーヌは映画祭期間中、シャネルのメイクアップアーティストとしてヴァネッサ・パラディやアンジェルらのメイクを担当した。「パンデミックの影響で、自分を見つめたい欲求が生まれています。それが、メイクを控えてもっとフレッシュな美しさを表現したいと思う女優が増えていることに繋がります」とクリストフ・ダンショーも言う。

このナチュラル志向はここ数カ月、ファッションキャンペーン(たとえばグッチやマーク ジェイコブス)やインスタグラムなどでも非常に顕著な傾向だ。「みんな不完全さを求めているのです。素の美しさに対する新しい美のビジョンが生まれています」とサンドリーヌ・カノボック。この第74回カンヌ国際映画祭がその最高の舞台となった。

text: Justine Feutry (madame.lefigaro.fr)

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