パリ街歩き、おいしい寄り道。

お仕事モードのカフェ巡り。 #4

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カフェでお仕事するのが楽しくて、コースを考えては
PCを携えて出かけるようになったこの頃。もともと
家が大好きなので、実は驚くほどの引きこもり。
だけどここのところ、どこかで自分が感じた空気を
思い出しながら体験談として書く原稿が重なって、
そうしたら、家の外で作業するのがとてもよかった。
次号のフィガロ本誌に、私の旅の話を寄稿することに
なり、その原稿を仕上げるのには大好きな空間で
ゆっくり向きあいたくて、サンマルタン運河へ
行くことにした。
まずは、基本的にベジタリアンメニューのImaへ。
ベジだけど卵はある。そして、朝ごはんが
15時まで食べられて、ホウレン草やズッキーニ入りの
卵のココットのような温かいお皿もあるのがうれしい。
お昼近くにはテイクアウトもできる野菜料理の数々が
カウンターテーブルの上に並び始めていた。


快晴で気持ちはよいものの、まだ空気はひんやり。
少し疲れてもいたからか、スープを食べたかった。
それでお昼は、夜はバーになるアジアン食堂の
Sisengに向かった。いまっぽい構えなのだけど、
台湾人のお母さんと、パリ生まれの息子さんで
経営するお店。中華まんの生地で具を挟む、
食べ応えバグツンのバオ・バーガーが人気で、
おいしい。でもこの日はスープ。トム・カー・カイを
頼んだら、どーんとごはんが付いてきた。
お漬物的なものがあったらなぁ、サラダも取るべき
だったかな、と思いながら、うーんここはちょっと
お行儀悪いけど、ごはんをスープに入れてしまおう、
と、誰にも会わないことを願いつつスープごはんに。
身体も温まって少しほっとして、La Chambre aux
Oiseaux
へ。ここの寛げる空間が好きなのだ。
チャイ・ティー・ケーキにとっても惹かれたけれど
おなかがいっぱいだったので、タイムがひと枝と、
ハチミツ、シナモンの入ったハーブティーを注文。
午前中に、練り直していた箇所と文章を、ここで
PCに打ち込んで、仕上げた。
帰りにサンマルタン運河に出たら、ひなたぼっこを
する人たちで賑わっていた。

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川村明子

文筆家
1998年3月渡仏。ル・コルドン・ブルー・パリにて料理・製菓コースを修了。
朝の光とマルシェ、日々の街歩きに日曜のジョギングetc、日常生活の一場面を切り取り、食と暮らしをテーマに執筆活動を行う。近著は『日曜日はプーレ・ロティ』(CCCメディアハウス刊)。


Instagram: @mlleakikonotepodcast「今日のおいしい」 、Twitter:@kawamurakikoも随時更新中。
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