初夏お決まりのデザートと、ロダン没後100周年展。
例年だったらすでに食べに行っているのに、
どうにも時間が取れずにそれが叶わなくて、
バカンスシーズンに入る前に行かなくちゃ! と
思っているものがあった。季節が終わる前に。
ラ・フォンテーヌ・ド・マルスのデザート、
「イチゴとピスタチオ風味のサバイヨンソース」。
やっとスケジュールが落ち着き、ほっと一息したくて
革命記念日の前日、ランチに出かけた。
もう10年以上通っているお店だけれど、このお店に
ひとりで訪れたのは初めて。ボックス席に座った
私の姿を見つけると、オーナーのクリスチアーヌが
「明子! 今日はひとりなの? わかるわぁ、ひとりで
静かに過ごしたいの。ゆっくりしてってね!」と
温かく迎えてくれた。
メイン何にしたの?と聞かれたので
「木曜日だから、ブランケット!」と答えると、
ブラボーと、満面の笑みを返してきた。
フォンテーヌ・ド・マルスには日替わりのお料理が
設定されていて、それらはその日にしか提供されない。
木曜日はブランケット・ド・ヴォーの日。
私はここのブランケットが、私的パリいちばんで、
大好きなのだ。
メインを食べ終わり、デザートが運ばれてきて
ご機嫌な私を見つけ、クリスチアーヌがすかさず
「やっぱり! ぜーったい明子はデザートには
これを頼んでると思ってた」とまた笑った。
なにせ私は毎年この季節、お店に入るなり、
「今日はサバイヨン・フレーズある?」と聞き、
ある、と言われたら、ひとつキープ!と注文よりも前に
お願いしていた。じゃないとディナーのときには、
たまに、売り切れてしまうのだ。
ずっと気にかかっていたこのデザートも食べられて、
心地よい時間を過ごし、すっかり気持ちがほぐれた。
落ち着いたら行きたいと思っていた、グラン・パレで
開催のロダン展に、そのまま歩いて向かう。
すると、アレクサンドル3世橋が通行止になっていた。
翌日の革命記念日の式典にあわせパリに到着した
トランプ大統領が、マクロン大統領との会談のために
アンヴァリッドに向かうタイミングだったのだ。
警戒態勢のなか、シャンゼリゼの方に回り、展覧会へ。
彫刻の後ろに外の景色があるのはやっぱりいいなぁ。
同テーマで作られた別の作家の作品と並べての展示や
デッサン、作品を写真に撮り現像したものを見て
削った方が良いところにチェックを入れている画、
など面白いものがいくつもあった。
最後のコーナーにあったバルザックの部屋着の彫刻が
かっこよかった。モダンな印象なのにも驚いた。
通行止めの解かれたシャンゼリゼに出て、
少し歩いてからメトロに乗った。
お野菜の足りないランチだったので、
帰ってからトマトをつまんだ。
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