パリ街歩き、おいしい寄り道。

朝カフェとおしゃれホテル、お気に入りのパンの店。

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3区アール・エ・メチエ付近の変化が著しい。
お店がポコポコ増えている印象を受ける。
その中で7月にオープンしたオテル・ナショナル
すっかりおしゃれスポットになっていると聞き、
ホテル内にあるイタリアンレストランも気になって
いたので、友人とランチに行く約束をした。
じゃあ午前中は近くのカフェで仕事をしよう、と
朝の光がきれいに入り、天井が高くて気持ちのよい
ブロークン・アームへ行くことにした。
久しぶりにすっきりした青空が広がり、冬の朝の光が
差し込む店内で、心地よく作業をしていたら
あっという間にお昼になった。

寒空の下、早歩きで、12時ちょうどにお店に着くと
いちばん乗りだった。
この日のランチメニューには、パスタがラインナップ
していなかったので、アラカルトで頼むことにする。
タコとブッラータ、それに野菜のグリルを前菜に、
メインは、カムット麦のスパゲッティ、サフラン風味
と、オリーブにケッパー、アンチョビが具のコーン粉
のパスタをそれぞれ注文。
パスタ自体はおいしかったのだけれど、私にはちょび
っとしょっぱくて、少しずつ食べ進めていたら、
早くも友人が次のアポイントへ向かう時間になって
しまった。それで、カフェを頼んでお会計を済ませ、
私はカップを持ってバーのコーナーへ移動。
私たちが食事を終えたころ、レストランが混み始め、
バーの方にはひとりしかほかにゲストがいなかった。
さっそく、書き途中の原稿の続きにとりかかる。
4時頃になるとバーも満席になった。
見回すと、大半の人が仕事をしている。
居心地よく、作業に集中できて
やっと原稿を書き終えた頃には、もう外は暗かった。

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ホテルを出て、ずっと北上したところに、
最近気に入っているパンを売っているお店があり、
寄って帰ることにした。数日前から食べたかったのだ。
歩くこと15分ほど。
このお店、パン屋さんではなくて、
店主自身が作っている天然酵母パンと、店主セレクト
の自然派ワイン、それにチーズとシャルキュトリーを
少し売っているお店だ。イートインもできる。
その名もルヴァン・ル・ヴァンLevain Le Vin。
ルヴァンはパン種を意味し、ル・ヴァンはワイン。
近くに住む友人が、ここのパンがおいしくて、少しだ
け揃えているハムやサラミも全部がおいしい!と
連れて行ってくれて、それから数回パンを買った。
そのパンのおいしさは、
焼きがどうとか生地がどうのとかそういうことより、
なんて言うんだろうなぁ、パンの表情がいい
と言うのかなぁ。粉の風味もさわやかで、
主張した味ではないのだけれど、味がある。
作り手さんを感じられるようなパンが好きな方には、
ぜひ食べてみて欲しいなぁ。
翌朝、楽しみに起きて、朝ごはんにいただきました。

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川村明子

文筆家
1998年3月渡仏。ル・コルドン・ブルー・パリにて料理・製菓コースを修了。
朝の光とマルシェ、日々の街歩きに日曜のジョギングetc、日常生活の一場面を切り取り、食と暮らしをテーマに執筆活動を行う。近著は『日曜日はプーレ・ロティ』(CCCメディアハウス刊)。


Instagram: @mlleakikonotepodcast「今日のおいしい」 、Twitter:@kawamurakikoも随時更新中。
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