パリ街歩き、おいしい寄り道。

デルソーのランチと、ブーランジュリー・ボー。

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3日間で8軒、取材でフレンチが続いて、
終わったら、無性にラーメンが食べたくなった。
もともとそんなにラーメンは好きなわけではなくて、
自分から食べに行くことはほとんどない。
たまに食べたくなると、家で鶏ガラやら豚の骨やらで
スープをとって、ラーメンもどきを作る。
だけどこのときは、いま食べたいんだよなぁ、という
気分だった。それで、どこに食べに行こうか考えた。
思いついたのは、四川系の激辛麺のお店。
でも疲れていて、いまいち胃が持つ自信がない。
そうだ今日ならデルソーのランチがあるじゃん!
と、名案が浮かんだ。
土曜はランチ営業があり(火~金は夜のみ)、
自家製ラーメンを出しているデルソー。
ランチのラストオーダー時近くに着くと、運よく、
カウンターに1席だけ空きがあった。
腰かけて、早速メニューとにらめっこ。土曜のお昼は、
うまいもの食堂さながらのラインナップで、
サイゴン・トースト、
ボーユー台北スタイル(手打ち麺)、
レモングラス風味の豚肉BBQにカツカレーなど、
魅力的なものがいくつもある。でも、初志貫徹。
Ramen Tonkotsu/Kitakata styleにした。
それと豚足の春巻に、ニンジンとワカメのサラダ。
残念ながら春巻がすでに売り切れで、代わりに、仔羊
肉入りのミニコロッケを出してくれた。これを目当て
に来るお客さんが少なくない、人気料理らしい。
ジャガイモとほぐした仔羊肉のタネはゆるめで、
揚げ衣は薄く、とても口当たりの軽いコロッケ。
あっという間に食べてしまった。これ、もしシェア
してひとり1個とかだったら、2皿目頼んじゃうなぁ。
友人でもあるシェフが、注文した以外にも、赤カブの
キムチ、アンディーブのサラダなどいろいろ出して
くれて、つまんでいると、ラーメン登場。
まるで、卵黄を溶いて加えているかのようなとろみと
コクのあるスープは、豚骨を10時間煮詰めて作った
もの。コシのある自家製麺とスープを交互に味わい、
結局スープも全部飲み干して、完食。
食べている間に、目の前をいくつも通り過ぎていった
パン・ペルデュが気になっていたのだけど、さすがに
デザートまで食べる余裕はなく、断念した。

帰りがてら、ブーランジュリー・ボーに寄って、
ガレット・デ・ロワを買っていくことにする。
ガレットは、年始、東京でオーボンヴュータンのもの
をいただいて食べていたので、今年はこれでふたつめ。
ここの4人用サイズは楕円形で何だか可愛い。
レーズンとフェンネルシード入りのパンも買って、
帰った。

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川村明子

文筆家
1998年3月渡仏。ル・コルドン・ブルー・パリにて料理・製菓コースを修了。
朝の光とマルシェ、日々の街歩きに日曜のジョギングetc、日常生活の一場面を切り取り、食と暮らしをテーマに執筆活動を行う。近著は『日曜日はプーレ・ロティ』(CCCメディアハウス刊)。


Instagram: @mlleakikonotepodcast「今日のおいしい」 、Twitter:@kawamurakikoも随時更新中。
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