パリ街歩き、おいしい寄り道。

クリシーのハーブ薬局と、ブイヨン・ピガール。

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1週間ほど、呼吸が浅いのが続いていた。
朝、コーヒーを飲むと息苦しさが増す気がして、
紅茶にしてみたら、やっぱり同じようだったから、
“これはカフェインがダメになってしまったのか?”
と思い、カフェインの入っていないものを飲むように
したのだけれど、やはり呼吸が浅い。
連日会う約束をしていた友人たちに、状況を話すと、
“それよっぽど疲れてるか、ストレスだよ”と
口を揃えて言われてしまった。
でも、ストレス、いまないけどな〜。
いずれにしても困ったな、と思い、煎じ薬を買いに
サン・ラザール駅の裏手にあるハーブ薬局、
herboristerie de la place Clichy (87, rue
d’Amsterdam 75008 Paris) に行くことにした。
症状を伝えると、「喘息は?」と聞かれたので、
「ないです」と答えてから「でも、子どものころから
気管支は強くなかったです」と付け加えると、
それならこれ、と棚にあるパックの中からひとつを手
に取り、差し出された。
「気管支を開く作用があるから楽になるわよ」と言う。
よかった、とほっとして、お店を出た。


薬局から徒歩12、3分。ピガールの駅前に
11月にオープンしたばかりのブイヨン・ピガールへ。
近くに住む友人と、ランチの約束をしていた。
ここは、お昼から夜中24時までノンストップで営業
していて、予約を取らない。
ともかくいつも並んでいる、と言うので、ランチの
ピーク時からは外して行ったつもりが、土曜日だった
こともあって、みんなが遅めランチなのか、やっぱり
並んでいた。外で待つこと25分。中に入ってから
さらに10分。
「カウンター席でもよければご案内します」と言われ、
窓側の席につく。
メニューには、ウフ・マヨ、ポロネギのヴィネグレッ
トソース、塩鱈のブランダードにタルタルステーキ、
ポトフなど、王道ビストロ料理が並んでいる。
隣に座った男性は、うれしそうに、料理名を全部
読み上げていた。その気持ち、なんかわかるなぁ。
友人が、メインはブッフ・ブルギニヨンにする、と言
うので、私はブランケット(仔牛のクリームシチュー)
に決めた。それに、サイドメニューにあった、
マーシュのサラダと、フリットは食べておきたいよね、
とフリットも注文することに。
前菜は、やはり定番のニシンとポテトのオイル漬け。
食べてみて、これだけ人気なのも納得。
お値段が安いだけじゃなくて、ちゃんとおいしい。
お塩がきついことの多いニシンも食べやすかったし、
ブランケットにおいては、まさに食堂の味!と思える
正統派のブランケットだった。どれも食べやすい味付
けの中、きりっとお塩の効いていたフリットが、
好みの揚げ方でうれしかったなぁ。
次回もフリットはまた、サイドでオーダーするなぁ。

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翌日、買って来た薬草を煎じようと、包みを開けると
予期していなかった姿の植物が入っていた。
パッケージには「森の松」とある。
でも、これが、効きました。随分楽になった。
薬草の力ってすごい!

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川村明子

文筆家
1998年3月渡仏。ル・コルドン・ブルー・パリにて料理・製菓コースを修了。
朝の光とマルシェ、日々の街歩きに日曜のジョギングetc、日常生活の一場面を切り取り、食と暮らしをテーマに執筆活動を行う。近著は『日曜日はプーレ・ロティ』(CCCメディアハウス刊)。


Instagram: @mlleakikonotepodcast「今日のおいしい」 、Twitter:@kawamurakikoも随時更新中。
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