パリ20区。バラタンとル・プティ・グラン。
20区に大好きなビストロがある。
ル・バラタン Le Baratin
(3, rue Jouye-Rouve 75020 Paris)。
夜は夜でとってもよいのだけれど、
実は私は、ここのお昼ごはんの大ファンだ。
数週間前から行きたくて、やっと時間に調整がつき、
金曜のお昼に行くことにした。
メトロ11番線のピレネー駅で降り、
遠くにエッフェル塔の姿を認めながら、坂を下る。
先客はふたり。いずれもひとりで来ているお客さん。
いちばん好きなカウンター横のテーブルが空いていて
運よく座ることができた。
ランチは前菜+メイン+デザートで19ユーロ。
それぞれ数皿チョイスがあって、好きなものを選ぶ。
前菜には好物のトリッパがあって惹かれたけれど、
体調を考えて、鶏のレバーのサラダ仕立てにした。
メインは、牛ハラミ肉の付け合わせを聞くとポテト、
仔羊のソテーにはお米、というので、仔羊に。
夜の黒板メニューは達筆でいつも美しいのに比べ、
お昼は明らかに書く人が別で、日替わり感が強い。
お料理もざっくばらんとしている。でもこの加減が、
なんともいえずおいしいんだよなぁ。
メインはお肉もしくはお魚に、大抵ポテトかお米で、
このお米付きのお皿が、食堂風情に溢れていて
大好きなのだ。夜よりも常連客が多くて、
予約なしで来る人が半分以上いて、
空気がゆったりしている。
隣のテーブルに座ったご夫婦と、途中から自然に会話
が始まった。ムッシュが、バラタンが好きで時折来る
らしい。彼も、お昼の雰囲気がお気に入りだそうだ。
だいぶ前だけど仕事で日本へ行ったことがあるよ、
というのでどこを回ったのか訊ねると、東京と京都、
と言う。直島は?と聞いたら、行きたかったんだけど
僕たちは時間がなくて息子だけ行ったよ、と残念そう
だった。「日本に旅行に行ったというフランス人は、
本当にみんな直島に行ってる」と私が笑っていうと、
みんな必ず行くよね、とご夫婦も笑った。
息子さんは豊島にも行かれましたか?と聞いたら、
「それが行ってないんだ」というので、「次回日本に
行かれるとしたら豊島美術館はマストですよ!!」
とお薦めすると、「写真で見るだけでもそれはわかる。
豊島美術館だけじゃなくて、あの建築家の作品は
素晴らしいよ。日本の建築家は世界的に活躍してる」
とムッシュが言うので、ちょっとうれしくなった。
彼らの方が先に食事を終えて、「じゃあ、きっとまた
近いうちに」と言って帰って行った。
こんな時間が、本当に好きだ。
求めていたおいしさを満喫して、時間ごと味わって
自分をしっかり取り戻した気分で、
ベルヴィル中華街の坂を下りていった。
「フィガロジャポン」本誌パリ特集でも紹介した
ビストロ「ル・グラン・バン」が、向かいに出すよ!と
予告していたパン屋さん「ル・プティ・グラン」が、
いよいよオープンした。
数日前に夕方に行ったらすでにパンがほぼ売り切れで、
そのときはドーナッツを買った。
この日は目当てのライ麦粉のパンと全粒粉のパンを
無事購入。
ここのライ麦粉のパンを試作の段階でいただいたら、
これまでに出合った中でダントツに、私的おいしい
ナンバー1で、オープンを心待ちにしていたのだ。
さっそく翌朝、いただきました。
よかったら朝ごはんブログ、ご覧ください。
*お知らせ*
スリランカ紀行の最終回も今日、公開されました。
湖で迎えた夜明けの動画、ジェフリー・バワの自邸だった
「ナンバー11」のゲストスイートの写真など
盛りだくさんです。ぜひご覧ください。
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