サントノレで香水とコーヒー。
ふと思い立って香水を買いに行くことにした。
使っていた香水が切れて、すでに数カ月が経っていた。
指輪よりも欠かさずに身につけるのが常なのに、珍しいことだ。
なぜか、なんだか、すんなり買いに行く気持ちにならずにいたのだけれど……
寒くなったからだろうか。
寒い季節は特に香りを纏いたくなる。
それで買いに行った。
前につけていたものは、髪が長いときに選んだもので、その頃と比べるといまは50センチくらい短い。
香りも変えようかなぁと思った。
向かうはチュイルリー公園とヴァンドーム広場の間にあるジョヴォワ。
お気に入りの香水ブランド、ウィーナーブルート(WienerBlut)を扱う香水のセレクトショップだ。
今回もウィーナーブルートのものを買うつもりでいた。
ずっと身につけていたのは、トップノートがサフランやプラム、コニャックと甘美な印象の「パレ・ニザーム」。
でも前にもらったテスターを嗅いで「ヘスペリア」というマンダリンやセドラの香るものにしようか迷っていた。
これはベースにフランキンセンスレジンというのも入っている。とても爽やか。
両方つけてみて、店員さんに、どっちが私の印象に合うかと聞いたら、ふたりともが「ヘスペリア」という。
「パレ・ニザーム」は大好きな香りなのだけれど、そうね、変えよう!と思って「ヘスペリア」にした。
香水が手に入ると、途端に安心する。
気が張ったままの日々がこの先も2月まではずっと続くから、このタイミングで買ってよかった。
そして香水を手にしたら、コーヒーだよね、と思う。
それでヴェルレへ。
行くと様相が変わっていた。
大手のカフェ・リシャールに買い取られ、4月にリノベーションしたらしい。
以前よりも広々として、これならいつでも席がありそうだ。
パナマのコーヒーを頼んで、PCを持って行っていたので仕事をした。
帰り際に、コーヒーのセレクトは前と同じですか?と聞いた。セレクトも焙煎も変わらない、というので、「焙煎は、パレ・ロワイヤルの脇のところで?」と重ねて聞くと「そう、rue de Montpensierのあそこです」
基本の味は変わらずに受け継いでいくようだ。
向かいのアスティエ・ド・ヴィラットのウィンドーにはクリスマスオーナメントがすでに飾られていた。
ARCHIVE
MONTHLY