Bontempsのランチと、キュビスム展。
時差ボケからまだ抜け出せていない頭で、日本から来ている友人とランチへ。
ティータイムに訪れて、ランチにも来てみたいと思っていたBontempsに行く。
週末はすごい混雑だけれど、平日のお昼は落ち着いていた。
本日のスープと、キッシュを3種の中から選んで、最後にデザートというランチコースを。
どこまでも乙女な世界の店内で、“リサーチとかじゃなくて、友だちとランチしてそのままお茶をするなんていつぶりだ!?”と考えていたら、気が遠くなりそうだった。
明るすぎない照明と、たっぷりのお茶と、塩味が利いたタルト生地のデザートで、疲れを実感していない身体が少しずつほぐれていった。
2月に入ってすぐ、大きな仕事をひとつ終えたのだが、終える前から気持ちはすでに次へ向かっていた。
ずっと取り組んでいたものから解放されて、ものの見方を変えたい欲求が高まっていた。
それで行きたかったのがポンピドゥー・センターで開催中のキュビスム展。
企画展会場の最上階に着くと、始まったばかりのヴァザルリ展に長蛇の列ができている。
最低30分の待ち時間、とアナウンス。
それを横目に通り過ぎ、キュビスム展へ。
並んではいないものの、こちらもけっこうな混み具合だ。
ピカソとブラックの作品を、それはそれは熱心に観ている人たちが多くて、会話がおもしろい。
「肘掛椅子しかわからないけど」
「でも、ここに本があるわよね」
「ここは、脚を組んでるわね。 ここが太ももでしょ?」
こんなふうにひとつずつを観ていったら、そりゃあ時間がかかる。
でも、それこそが私のしたいことだった。
キュビスムでも、とりわけ彫刻を観たいと思っていたのだが、絵画もおもしろくて、なかなか彫刻まで辿りつかない。
見るたびに惹かれるロベール・ドローネーの『La Ville de Paris』の前に、これまた好きなブランクーシの『Le Baiser』が置かれていたり、
なんだか得した気分になる配置がそこかしこにあった。
じっくり観すぎていたのか、疲れが腰に出てきて、これはまずい、と途中で断念。最後はさらっと観るだけになってしまったから、もう一度行かないと。
会場を出ると、スモーキーな色彩のパリがいた。
ARCHIVE
MONTHLY