パリ街歩き、おいしい寄り道。

リュクサンブール美術館と、シルキュス・ベーカリー。

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久しくロンドンに行っていない。
行かなくてはならないようなうれしいきっかけができないかなぁと思いつつ、機会を伺っているけれど、どうも来年になりそうだ。
そんな気持ちを募らせながら、リュクサンブール美術館で開催中の展覧会『イギリス絵画の黄金時代 -レイノルズからターナーまで-』に行くことにした。
テート・ブリテンが所蔵する1760年から1820年までの作品の展示という。
もう何年も前に、テート・ブリテンでターナーの企画展があり、それがとてもよかった。
観ているうちに顔がホクホクしてきたのを覚えている。
それで今回も楽しみにしていた。
展示された作品は、想像していたものよりもずっと重厚感があって、イギリスの歴史を感じさせるものだった。
なかでも、一攫千金を狙って1784年に、カルカッタに上陸したというトーマス・ダニエルのインドを描いた作品が、心に残った。
まだ私はインドに行ったことがないのだけれど、その時代、インドに渡ったイギリス人に、かの地は実際、どんなふうに映ったのだろうなぁ、匂いにはすぐに慣れたのかなぁ、などと思った。


美術館を出て、次の目的地に向かうのに、リュクサンブール公園を通って行くことにした。
ちょっと遠回りになるけれど、広い空を感じたかった。
葉が少し色づき始め、冬に近づいている気配を漂わせた雲の広がる空の下、子どもたちの元気に遊ぶ声が賑やかだった。

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向かったのは、Circus Bakery (63, rue Galande 75005)。
フランス語風に読むと、サーカスではなく、シルキュス、となる。
少し前に木曜から日曜の夕方5時からは天然酵母を使った生地のピザを焼く、とインスタグラムで見ていて、その焼きたてを目当てに行った。
ところが、行ってみたら、ピザは11月から再開する、という。
残念。
でも、まだ食べたことのなかった、新作のカルダモンロールがあったから、それを食べることにした。
インスタ映えするシナモンロールがものすごい人気だけれど、個人的には、このカルダモンロールのほうが断然好みだった。
カルダモンの余韻が口の中にしばらく残っていた。
一度だけ、ロンドンのHoney&Coで飲んだ、カルダモンコーヒーを思い出した。
あれももうだいぶ前のことだ。
その独特な風味が、記憶の中に色濃く残っていた。
カルダモン、好きなんだよなぁ。
バゲット型に焼かれたパン・オ・ルヴァンを買って帰った。
これもまた、普通に焼かれたものよりも、好みだった。

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川村明子

文筆家
1998年3月渡仏。ル・コルドン・ブルー・パリにて料理・製菓コースを修了。
朝の光とマルシェ、日々の街歩きに日曜のジョギングetc、日常生活の一場面を切り取り、食と暮らしをテーマに執筆活動を行う。近著は『日曜日はプーレ・ロティ』(CCCメディアハウス刊)。


Instagram: @mlleakikonotepodcast「今日のおいしい」 、Twitter:@kawamurakikoも随時更新中。
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