パリ街歩き、おいしい寄り道。

ラボルダージュと、シャルロット・ペリアン展。

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行きたい行きたい、と思いながら行けずにいた、ルイ・ヴィトン財団美術館で開催のシャルロット・ペリアン展。
最終日の24日にどうにか滑り込めた。
きっとじっくり観ることになるだろうから、どこかで腹ごしらえをしてから……と向かったのは、サン・トーギュスタン教会(Eglise Saint-Augustin)のすぐ近くにある「ラボルダージュ」(L’Abordage/2, place Henri Bergson 75008 Paris)。
確か、このブログで一度だけ書いたことがあるけれど、このビストロはそれ以外、一度も取材したことも、記事を書いたこともない。
日本人ともすれ違ったことがないし、観光客も見たことがないと思う。
本当に近くで働くビジネスマンたちが日常に使っている飾り気のない店で、私は、たまに喧騒が聞きたくなって、行く。
100席はあるだろう店内はランチタイムになるといつでも満席で、それは活気があるのだ。
前菜にはウッフ・マヨネーズ、根セロリのレムラードソースなど定番が揃って、料理は、牛ステーキや鴨胸肉などのグリル系のみ。
そして、お昼しか営業していない(午後はカフェとして開いていて夜は閉店)。
すごい混みようなので、ランチタイムが終わりかけの13時半を過ぎてから行くようにしている。
それで仔牛のレバーを食べる。
シェリービネガーを利かせたソースを絡めて食べると身体が温まって元気が出る。
この日はスモークした鴨肉の乗ったサラダも取った。
酢が利いたドレッシングが軽やかで、見た目よりもずっとさっぱりしており、サラダを食べたかった気持ちが満たされた。日本の感覚からするとけっこうお値段はするので(前菜は8〜16ユーロ、メインは17〜25ユーロ。アラカルトのみ)食堂、というのはためらわれるけれど、食堂感満載のお店です。


メトロで美術館へ向かう。
チケットをあらかじめネットで購入していたので、ほぼ並ばずに入ることができた。
予想はしていたけれど、最終日、やっぱりかなり混んでいた。
とはいえ、ル・コルビュジエのタピスリーから始まった展示は見応え抜群で、相当楽しめた。
入場してすぐに、1929年の秋のサロン(見本市)で発表されたというappartement moderne(最新の設備を備えたアパート)が復元されているコーナーがあった。
復元よりも先に、写真を見て、そしてその上に掲げられた1929年という年号に驚いた。
昭和4年じゃん!?
といったところで、昭和4年がどんな感じだったかそこまでわかっているわけではないけれど、それでも、ほとんどの人が和装だったはず。
すごいな、この近未来感。
復元されたコーナーのリビング・ダイニング部分に置かれているソファや椅子は、座れるようになっていて、“ここはIKEAか?”と言いたくなるくらい、代わるがわる人々がくつろいでいた。
ル・コルビュジエやジャンヌレと一緒に手がけていた制作が、時の経過とともに感じられる展示はおもしろかった。
1941年に日本で開催された展覧会のポスターや、日本で作られた椅子やテーブル、イサム・ノグチ、カルダー、ロベール・ドロネーらの作品とひとつの空間に配置してある展示は、最初から最後までまったく飽きるところがなかった。
最後のほうに、ピカソの作品だけが掲げられた展示室があった。
そこの休憩用の椅子が一度座ったらなかなか立てない座り心地で、誰もがそう感じるようで、ずっと埋まっていた。
テラスに出て、夕暮れまで楽しんだ。
写真は18時40分。
日が延びたなぁ。

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川村明子のコペンハーゲン滞在記。

川村明子

文筆家
1998年3月渡仏。ル・コルドン・ブルー・パリにて料理・製菓コースを修了。
朝の光とマルシェ、日々の街歩きに日曜のジョギングetc、日常生活の一場面を切り取り、食と暮らしをテーマに執筆活動を行う。近著は『日曜日はプーレ・ロティ』(CCCメディアハウス刊)。


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