パリ街歩き、おいしい寄り道。

朝イチのデリバリーで、朝ごはんもランチも。

春の外出規制期間中に、デリバリーの道中で撮るパリの風景をインスタグラムのストーリーズに毎日アップし、パンだけでなく投稿でも人気を集めたブーランジュリー、Circus Bakery。
以前は、店に立ち寄りコーヒーを飲みつつ、パンを頬張るのが楽しみだったが、外出規制が解除されてからも、店舗での販売は再開せず、デリバリーとクリック&コレクト(オンライン注文の上、店にピックアップしに行くシステム)のみの営業形態に切り替え、パン屋さんとして独自路線を切り拓いている。
10月にはインスタグラムのアカウントも削除し、ウェブサイトFlying Circusだけの展開になった。
これが、目を見張る拡充具合だ。

いまではパンのほかに、店特製のオーツミルク、パリ近郊(中にはパリ市内)産の野菜に果物、イタリアンレストランPasseriniが経営するフレッシュパスタの店Pastificio Passeriniのラビオリやショートパスタ、シチリア産オリーブオイルを軸としたシチリア食材の専門店La Tête dans les Olivesのオリーブに、オイル、そして柑橘類、前は店で飲むことができたHexagon Caféのコーヒー豆などなどを販売し、最近になってチーズとワインもそのレパートリーに加わった。

パスタもオリーブオイルも、制限のない状況であれば、いずれも自分で足を伸ばし買いに行っていた店だ。これはとてもうれしい。
注文は、翌日分を前日のお昼から受け付け始めるのだけれど、パスタはやはり人気なのか、夜になってオーダーしようとすると、すでにsold outと出ていて何度も逃した。

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やっと、ラビオリにありつけた日。
ほかにも、シード入りのパン、シチリア産ミカン、オリーブオイル 、オーツミルク、それに無料でくれる天然酵母を注文。
朝8時〜9時に配達でお願いしたので、届いたそばから、パンを切って朝ごはんに。

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この食パン型シード入りのパンは、生地のしっとり加減がほかにはないもので、おまけに、お腹も快調になるものだから、すっかりこの店でだけ買うようになった。
普段は、軽くトーストして、バターを塗りハチミツをかけて食べる。
でもこの朝は、あまりにも生地がしっとりしていて、それを満喫したくて、焼かないことにした。ぺとっとした生地に、冷たくて硬いバターをのせて食べるのが好きだ。
いまの季節には頻繁に食べたくなる、マーシュとコンテのサラダも用意した。ドレッシングは、くるみオイルとリンゴ酢で。ハチミツを加えようかとも思ったけれど、やめた。代わりに、パンの最後のひと口にハチミツを垂らして、大満足の朝ごはんを終えた。

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念願のラビオリは、キノコ入り。
キノコだったら、卵黄と絡めたいなぁと思った。
パセリの根が少しあったから、バターで炒め、そこにラビオリの茹で汁とクレーム・フレッシュ、酢漬けのケッパーを汁も一緒に少し加えてソースにしよう。
冬になるとマルシェに出てくるパセリの根は、ゴボウの食感を軽やかに、香りを爽やかにした感じで、私は好んでよく使う。

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クレソンのバター炒めを添え、上にポーチドエッグをのせて、ランチの出来上がり。
栗の粉か何かが入っているのかなぁ? ラビオリはほんのり甘味があって、でも生地はものすごくしっかりしていて、おいしかった。
こんなふうに家で楽しめてしまうなんて!
少し前まで注文票にあったラビオリは、ポロネギ入りだった。
またカムバックしたら、それも食べてみたいなぁ。

パン屋さんのデリバリーで、朝ごはんもランチも充実でありました。


*お知らせ*
12月8日(火)TBSラジオ「アシタノカレッジ」に出演します。
22時45分ごろからの登場になります。
よかったら、聞いてみてくださいね。

川村明子

文筆家
1998年3月渡仏。ル・コルドン・ブルー・パリにて料理・製菓コースを修了。
朝の光とマルシェ、日々の街歩きに日曜のジョギングetc、日常生活の一場面を切り取り、食と暮らしをテーマに執筆活動を行う。近著は『日曜日はプーレ・ロティ』(CCCメディアハウス刊)。


Instagram: @mlleakikonotepodcast「今日のおいしい」 、Twitter:@kawamurakikoも随時更新中。
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