ボローニャ「森の家」暮らし

冬から春へ。アートのパワーを実感した2月、3月。

250402-blog-01.jpg

ボローニャの丘の上はただいま春真っ盛り。庭のワイルドプラムの木々は3月中旬に満開を迎え、その後さまざまなプラム、モモ、アンズの花が咲いた。これからリンゴ、洋梨、桜が咲きだす。

250402-blog-02.jpg

変わりやすい天気で、天気予報は外れっぱなし。1日のなかでも雨が降ったり晴れ間が出たり、まったく気まぐれな空模様。きっとあちこちで気付かない間に虹が見えたに違いない。

250402-blog-03.jpg

2月はじめは7時30分が日の出 、17時30分が日没で日照時間が9時間30分だったのが、3月下旬には6時に日の出、18時30分が日没、日照時間は12時間30分と、1カ月で随分日が長くなった。朝キャンドルを灯してメディテーションとヨガをする時に、窓の外が随分明るくなった。残念ながらうちからは生まれたての朝日は見えないけれど、向かい側の丘が朝日を浴びて赤々とするのが見えてうれしい。

---fadeinpager---

250402-blog-04.jpg

時間を遡って、まだ寒々しい2月のこと。ボローニャではアートフェアがあり、街中がアートにあふれる。それに合わせて私と親友のアーティスト、ユリアの二人展『U INVERSE ~自分の中の宇宙~』が開催された。

250402-blog-05.jpg

オープニングの日は、深夜0時までギャラリーやショップなどでアートイベントが行われたホワイトナイトの土曜日。会場の下には外まで続く行列が出来ていた。

250402-blog-06.jpg

会場のオレア・マリアは、1978年創業のヘアサロン。創立者のマルコは元ミュージシャンで、創業当時からアバンギャルドなことを行ってきて、業界内外から一目置かれる存在。

250402-blog-07.jpg

さまざまな映画や音楽シーンのヘアスタイリングを手掛けたり、自らもコレクターのアートや音楽にまつわるイベントを行ってきて、アートフェアのオフィシャルオフイベントになるサロン内での展示は、アート好きは見逃せないイベントに。

250402-blog-08.jpg

マルコはVIP用にキャンペーンに使ったビジュアルのジンを作った。

250402-blog-09.jpg

このビジュアルの缶バッジも配られた。自分では絶対しないようなことばかりで、なんだかおかしい。

250402-blog-10.jpg

展示は<賢者の石>から始まる。「安定と知恵の石」は、バランス、知識、内面の変化を象徴。

250402-blog-11.jpg

この作品は、9つの作品で構成される<天と地の次元の狭間>の作品のひとつ。

250402-blog-12.jpg

中央上には<無限>。永遠にスパイラルに巡るエネルギー、ストーリの輪に、金の光の輪が後輪のように輝かしい光を放つ。

250402-blog-13.jpg

マルコはふたりがそれぞれの作品を展示するのかなと思っていたそうだけれど、実際はふたりで二重奏のように一緒に作り上げた作品がほとんど。大きな円の作品<超越>は、土台にはワイヤーで街のような立体的な構造が張り巡らせていて、ユリアが粘土質の土の下に何カ月も埋めた麻布や石膏を塗った布などさまざまなテキスチャーの素材が張り巡らされている。金箔とインディゴの光と影の演出が魅惑的。

250402-blog-14.jpg

<人生の螺旋>......それは成長、進化、継続的な発展の旅。ひとつひとつのかぎ針の目や結び目は人生に置けるさまざまな階段と経験を表す。

250402-blog-15.jpg

<放射>......アイディアや感情は波紋のように広がり、私たちの周りの世界に影響を与える。人間の相互作用が目に見えない微妙な力によってどのように動かされているかを考察。

250402-blog-16.jpg

<U INVERSE>......創造の惑星から生命の木が育ち、時空を超えてドラゴンが飛ぶ。

250402-blog-17.jpg

生命を育むコクーンは宇宙のポータル。次元空間を超えてドラゴンは悠々と天を泳ぐ。

250402-blog-18.jpg

通常はヘアサロンの会場、ギャラリースペースのようなクリーンな空間ではないのと、個性が強い内装なので、作品が負けそうで心配だったけれど、そんなことはなく、たくさんある鏡が思った以上のビジュアル効果を演出し、ユリアもマルコも胸をなでおろした。

250402-blog-19.jpg

鏡の効果が強調するのは、すべては視点次第だということ。視点を変えればすべてが変わる。それに、人それぞれ個々特有の背景をもち、そのうえさまざまな角度から物ごとを見ていて、さらにその時の精神状態や周りの環境からも受ける印象は変わるもの。そう思うとひとりひとりがひとつのギャラクシーであるかのように奥深く、不思議に満ちているように思えてならない。

250402-blog-20.jpg

この展示は親友のユリアと9カ月寄り添って作り上げた。同時進行でさまざまな作品を形にしてきて、行き詰ったものはしばらく寝かしたり、方向転換したり。数カ月後に思わぬ形に展開したものもあった。どちらかがひらめいたことを言葉にしたり形にしたりしたら、そこからまたひらめきがあり、それが形になり、これだ!そう、それだ!とふたりで大興奮してハイタッチして抱き合って喜んだり。そんなことを繰り返して生まれた作品は、何か純粋さと深い友情と喜びの波動を放っていて、それは会場でもたくさんの人が感じていたよう。すべては波動でできていて、同じ波動を持つもの同士は同調するもの。できるだけ良い波動でいたいし、良い波動のものに囲まれていたいし、そんな波動のものを創っていきたい。

この日着たマクラメのトップは、10年前ユリアが私の結婚式に作ってくれたもの。何百もの結び目にはユリアの愛情が込められていて、誇り高きウォーリアーのような凛々しい気持ちになる。この10年間、お互いいろんなことがあったけれど、創造することは、悩みや苦しみを消滅してくれる。逆に、悩みや苦しみや創造する力を消滅させてしまう。本当にそうだと思う。女性として、友人として、母親として、アーティストとして、インスピレーションのかたまりのユリアとこうして一緒に創造して笑って泣いて、この人生をともに歩めることは、天からの贈り物だ。

---fadeinpager---

250402-blog-21.jpg

2年前、2025年の展示に声をかけてくれたサロンのマルコ、マルコの右腕のピーノ(写真外)マルコの長年のパートナーで、私も愛してやまないベアトリーチェ(私の左)、ボローニャからカナリア諸島に移住して、今回コミュニケーションを担当してくれた何年来の友人、マリアローザ(ユリアの左)と、カナリア諸島から駆けつけてくれたチームのファビオとジュリア、みんなのサポートに、心から感謝。

250402-blog-22.jpg

ユリアはアートフェアの直前になんともうふたつの大きな個展を行った。何カ月も同時進行で3つの展示の準備を進めてきたユリアは、私は週2回は会っていたけれど、友だちからは音信不通と言われるくらい最後の数カ月は作品作りに没頭して、子どもたちのことなど最低限のこと以外は一切シャットアウトしてきた。そうでもしないとクリエイションの波が途切れてしまいそうでもったいないと言っていた。もと教会で、劇場のテアトロ・サンレオナルドで行われた展示は、CRONOTOPO、時間をテーマにした体験型のひとつの大きな作品。

250402-blog-23.jpg

米のスターチを塗ってパリッとしたインド綿に、インディゴや錆を塗った布を鉄の軸にかけて行く。枝のような構造が必要で、折れをワイヤーで作った。

250402-blog-24.jpg

4人で2日がかりで日付が変わる頃まで作業。無事オープニングを迎えられた。

250402-blog-25.jpg

CRONOTOPOは、ミュージシャンと科学者たちも関わるアートとサイエンスのインタラクティブなイベントだった。コンポーザーでバイオリニストのヴァレンティーノは、この時の森をイメージした音楽を書き上げた。それに、波長ごとにさまざまな感情に触れるような音源を作った。

250402-blog-26.jpg

6人のグループごとに会場に入り、科学者のダニエレが参加者をハイパースペクトルカメラを通して、それぞれの人が発する電磁スペクトルを分析。

250402-blog-27.jpg

赤いとハイパーアクティブで、青は活動が鈍いところ。実はこれでどこが弱っていたり病んでいたりするかというのも見えるというからすごい。ユリアはこの実験中、友だちの電磁スペクトルを見て、隠れた病気がないかどうか見ていたという。ガンと闘病中の友だちは、患部が黒っぽく、身体全体の信号が薄かったという。ある友だちは下腹部が黒っぽくて、病気の検査を受けるようすすめようと思うと言っていた。ちなみに私はバランスよく全体的に黄色く光を放っていたという。前日には時の森を歩く前と後の脳波を図る実験があって、「日常的にメディテーションをしていますね?」と言われた。

250402-blog-28.jpg

参加者たちはその後ヴァレンティーノのコンポジションを聞きながら、時の森を好きなように歩き回る。それからまたハイパースペクトルカメラの前に立つ。すると、始めはバラバラだったみんなの電磁波長に調和が取れてくる。この波長の変化の様子は信号化され、ヴァレンティーノが準備した波長ごとに作られた音源から自動的にコンポジションが作り上げられる。そして今度は自分たちの電磁波長から作り上げられたオリジナルの音楽を聞きながら、再び時間の森を歩く。

私が参加したグループが作り上げた音楽は、鈴やハープ、女性の澄んだ歌声など、とてもアンジェリックで神々しい音楽で、鳥肌がたった。データを読むと、私たちが発する電磁波長は全体的に40%ほどアップしたそうで、その効果は数時間続くという。実に興味深い。これからのセラピーは、音(バイブレーション)、それに光が、もっとメジャーになると確信している。

250402-blog-29.jpg

実験後、参加者の中にこのイベントに来る前に1時間サウンドセラピーを受けて着た女性がいて、15回も大きな手術をしたことがあり、生死をさまよった経験をしたと聞いた。それ以来、彼女は天使のエネルギーを感じたり目にしたりするようになった。はじめに時の森を歩いた時、たくさんの天使を感じたそうで、彼女は円の中央に長らく座っていた。そして、その後波長を測った後に作り上げられた音楽を聞きながら森を歩いた際には、会場に溢れるほどの天使と光を感じたそう。

また、別のグループには自閉症の子がいて、はじめは母親に手を引かれて会場に入って、途中で母親の手を離してひとりで歩き回っていた。普段はほぼ喋らない子が、最後には感想を話して母親を驚かせた。自閉症の人たちは、魂と身体の波長が合っていないため、自分の身体をコントロールすることができない、身体を持っていることさえわからないという話を聞く。ユリアのアートとヴァレンティーノの音楽が、この自閉症の子の身体と魂の波動を整えたのかもしれない。

絵画でも彫刻でも写真でも、オーケストラでも舞踏でも、アートはさまざまなレベルから人の魂に触れることができるものだと思う。アーティストは世界を変えることができる。科学者や医師、政治家以上の力がある。もっとリスペクトされるべきだと言う学者がいた。みんながそれぞれ波動を発していて、影響しあっていること。何かの体験をともにすることで、波動はハーモニーが取れていくこと。自分たちが発する波動が音楽となって体験できるユリアたちのこんなプロジェクトが、学校やコミュニティレベルで体験できれば、みんなの意識が高まり、より良い社会ができるのではないか。

---fadeinpager---

250402-blog-30.jpg

アート、クリエイションの喜びと、その影響力のすごさに高揚としたまま、空の旅。

250402-blog-31.jpg

地球の反対側に旅すると、いろんなことを考えさせられる。時間はイリュージョンであること、物ごとを俯瞰的で見ることの大切さ、この景色の中には数えきれないほどの命が、細胞が、アトムが影響しあって存在していること。

250402-blog-32.jpg

朝日や夕日、空のクラデーション、ドラマチックな雲の形にいちいち感動したり見とれたりするのは、地球上の他の生き物にはない人間特有なこと。美しいことに惹かれることは、木々が光を求めるのと同じくらい自然で生存上必然なこと。それは、進化上の利点になるから。そう思うと、人それぞれどんなものを美しいと思って、どんな進化上の利点になるのかならないのか、好奇心を掻き立てられる。

250402-blog-33.jpg

窓の外に富士山が見えてきたら、そろそろ到着。一年ぶりに三姉妹の下のふたりを連れて帰国。

250402-blog-34.jpg

神奈川の実家からは丹沢の山々と富士山がよく見える。凛とした山に手を合わせたくなるのは日本人だからだろうか。富士山から実家まで、直線距離で42キロ。父は、富士山が噴火したら火山灰が30センチは積もるかもしれず、それ以上積もると家が潰れるかもしれないからと、家の模型を作ってそうなった時はどこから登って灰下ろしをするかをシミュレーションしている(もとコンピューターエンジニア)。

250402-blog-35.jpg

祖父母の心配孫知らず。次女のみうと三女のたえは時差ボケもなく日本滞在を楽しんだ。

250402-blog-39.jpg

私の日本滞在の楽しみのひとつは、母の朝ごはん。大好きの納豆があれば良いのだけれど、栄養士の勉強をした母は、毎日毎食何品も食卓に並べてくれる。キノコや大根、葉物などの常備食が多くて、「いつも同じで悪いね」というけれど、それで充分。

250402-blog-36.jpg

帰国するといつも立ち寄る近所の出雲大社相模分祠。家族と訪れる初詣はいつもここだった。

250402-blog-37.jpg

敷地内にある小さな神社も佇まいが好き。この神社の脇には樹齢千年の大きなケヤキが。

250402-blog-38.jpg

このケヤキの木には、靴を脱いで寄り添ってご挨拶。古い大木には何か特別な知恵があるように思える。今回の滞在がみんなにとって幸せなものになるようにとお祈りした。

---fadeinpager---

250402-blog-40.jpg

ボローニャでの展示があったので、遅れた東京での個展の準備で子どもたちをほとんどどこにも連れて行けなかったけれど、可愛い電車を乗り継いで、下町の友だちのアトリエにお邪魔することができた。

250402-blog-41.jpg

料理のお仕事をしているサイちゃんこと橋本彩子さん。20年以上前に当時彼女が活躍していたケータリングチームとの仕事で出会った。

250402-blog-42.jpg

昨年もお邪魔して美味しいおでんをご馳走になったサイちゃんの小さなアトリエでは、レシピ開発、試作、撮影のほか、料理教室やさまざまなイベントを開催している。

250402-blog-43.jpg

2月の料理教室のレシピ、だまこ入りブイヤベースは、私のことをイメージして作ってくれたレシピ。だまこは、炊いたお米、お餅、チーズを潰して団子に。

250402-blog-44.jpg

エビの殻と頭をしっかり潰して炒め、昆布出汁を加え、骨付きタラ、ジャガイモを加えてグツグツ。

250402-blog-45.jpg

トマトジュースといしるで味を整える。だまこはお好み焼き機でカリッと焼く。

250402-blog-46.jpg

最後にエビとイカ、セリを加えて、だまこを入れたら出来上がり。

250402-blog-47.jpg

香ばしいだまこは、魚介の旨みがきいたブイヤベースを吸ってリゾットのような美味しさ。

250402-blog-48.jpg

それに、ウドなど春野菜にアジアンの味付けの鶏肉を巻いてじっくり揚げた春巻き。サイちゃんいわく、「春巻きは蒸し料理」。何本でも食べたいと思うくらい美味しかった。

250402-blog-49.jpg

今回、レシピ交換しよう、という約束で、私が作ったのはヒヨコ豆のファリナータ。ホットケーキの生地くらいにドロッと溶いたヒヨコ豆の粉に、ターメリック、パプリカ、塩胡椒、それに今回はタマネギを混ぜて、天板に流し、オイルをかけ、オーブンでこんがり焼いた。スナック感覚で食べられて大好き。今回の長旅のおやつにも作ったくらい。ほうれん草や人参、フェンネルやカリフラワーなどいろんな野菜を入れて作ってきたけど、タマネギは絶対入れたい。料理のプロのサイちゃんも「これいいね!」と気に入ってくれた。

250402-blog-50.jpg

近所の家族経営の和菓子屋さんの桜餅までご馳走になった。そして話はいつも尽きず、通える距離にいたらしょっちゅう一緒に料理しながら食にアートにイベントに、いろんなアイディアを一緒に形にできるのになぁと思った。

---fadeinpager---

250402-blog-51.jpg

乗り換えの代々木上原は、2008年にイタリアに引っ越すまで5年ほど住んでいた町。昔からあったけど行ったことがなかった串カツ屋さんに寄ってみた。

250402-blog-52.jpg

ここではなんと、子どもには無料でタコ焼きを作らせてくれるのだ。1日で2度もタコ焼き機を使うことになるとは!みうもたえもタコ焼き好きだけど、タコは苦手。昨年コンロに乗せるタコ焼き機を買ったものの使ったことがなかったので、帰ったら具を変えたり教えてもらっただまこも作ってみたい。

250402-blog-53.jpg

ふたりが感激していたのは、餅の串カツ。揚げたお餅、美味しいよねぇ。

250402-blog-54.jpg

最後にサービスのソフトクリームまでご馳走になって、大満足。日本のおもてなしはいつもすごいと思う。こんな手厚いキッズサービス、他国ではなかなかない。

---fadeinpager---

250402-blog-55.jpg

今年の東京個展は、昨年と同じ原宿で。昨年の今頃はまだ工事中だったこのビル、テラスのグリーンに多方向を写すミラー仕立ての壁面でなかなかのインパクト。この近くのPR事務所に勤務していた時は、代々木上原から毎日自転車で通っていた。その頃に比べてこの辺りもかなり変わった。4月のイースター休みの頃、イタリアの友だち3家族が東京に旅行に来る。おすすめを聞かれるけれど、私の東京情報がアップデートされていないので 、老舗や伝統もの以外あまり役に立ててる気がしない。

250402-blog-56.jpg

Pale Juteと開催した東京で4度目になる個展。会場には暖かな日差しが入り、気持ち良い空間。

250402-blog-57.jpg

この2年間の森での日々の様子を撮った写真。緑や空を見ると、やっぱりホッとする。町での暮らしも好きだけれど、鳥の合唱を聞いて朝を迎え、木々や草花の芽吹きを日々観察し、庭の野草や畑の野菜を食卓に乗せ、朝焼け、夕焼けに飽きもせず感激し、いろいろ不便も多いけれど、田舎暮らしの体験を家族でできることに、感謝。そして、その様子をSNSなどを通じて世界にシェアできて、それが誰かのインスピレーションになって、日々が豊かになるきっかけになればいいな、と思う。

250402-blog-58.jpg

今年のテーマは「INTERMUNDIA ~世界の間~。」

250402-blog-59.jpg

それは、ボローニャでの展示、U INVERSEとも繋がっている。 私たちはひとつの世界に生きているようで、実際は人それぞれ異なる世界を生きている。個々が受けた教育、精神状態、考え方などにより、それぞれ固有の周波数を発信し、それに同調した世界を体験している。

250402-blog-60.jpg

動物や虫、魚、植物などは、私たちとはまったく違う感覚でこの世界を体験している。私たちの目では見えなくても、波動さえあえば、スピリットや空想的な世界もマインドの目で見えたり感じたりすることができる。

250402-blog-61.jpg

どんな言葉に触れ、思考を持ち、どんなムードで日々過ごすかは、自分次第。自分の内なる世界の状態は、自分に主権がある。内なる世界の状況をどう保つかにより、発する波動も変えることができ、周りの世界も変えることができる。

250402-blog-62.jpg

私が生きたい世界、愛と不思議と魔法に満ちた世界にチューニングを合わせるにはどうしたらいいか、ということを、いつも考えている。そして、それを自分の思考や行動のバロメーターにしている。

250402-blog-63.jpg

会場には、もう何年も私の活動を見守っていてくれる人たちも沢山訪れて、友だち、親戚、同志とのリユニオンのような感じさえする。3日間たくさん話して笑って泣いてハグして、エネルギーの交換をした。個展では、いつもその時いちばん表現したい世界を作ってきた。それは、人から求められているものと違うかもしれないけれど、コマーシャルなものより自分軸のほうを大事にしたい。過去の個展を振り返ると、その時期どんなふうに外と中の世界を見ていたかがわかっておもしろい。今回の展示を終えて、表現したかったことは、人生のチャレンジを好奇心を持ってアルケマイズ(元素を変える)させる、糧にする、ということだったのだ、きっと。

250402-blog-64.jpg

私を介してこの世に生み出された作品と、それが表現するメッセージに同調した方々の心地よいエネルギーで満たされた会場は、高い波動のエネルギー発信源になったように感じられた。個々がそんなエネルギーのジェネレーターになれれば、みんなの調和がとれて、世界は優しい場所になるのではないかと思う。

---fadeinpager---

250402-blog-66.jpg

17日ぶりに森に帰ったら、すっかり春だった。

250402-blog-65.jpg

肌寒くても春の日差しが嬉しくて、たえは半袖のワンピースで庭を駆け回り、花をつれて帰ってきた。

250402-blog-67.jpg

犬たちも、ロバも元気。留守にしていた間、かなり雨の日が続いたようで、みんな久々の太陽が嬉しそう。

250402-blog-68.jpg

ネコたちは薪のセントラルヒーティングが入ってから、暖房室から出なくなった。それでカゴに入っていたまま外に出して日光浴を楽しんでもらうことに。

250402-blog-69.jpg

夏はバラのアーチになるはずだったのに、バラの新芽が出る頃に、くいしんぼうロバたちに食べられてしまった。残念。

250402-blog-70.jpg

バラの手前の大きなバケツに植えていたブッドレアは大きくなりすぎたので植え替え。アイリスも掘り起こして根を分ける。

250402-blog-71.jpg

ジョウロを覗くと、そこにはカエルが。たくさん降った雨で水がいっぱいだったのに。今までどうしていたのだろう。

250402-blog-72.jpg

畑の中にある柳の枝を植えて作ったアーチ。強風と、右側の柳がすべて枯れてしまって大きく傾いてしまった。

250402-blog-73.jpg

新しく柳の枝をもらってきて、植え直した。もう新芽が生えているので、これから青々していくのが楽しみ。

250402-blog-74.jpg

庭の木の剪定もした。たえが登っているのは洋梨の木。

250402-blog-75.jpg

収穫しなかった白菜やブロッコリーからは、たくさん花が咲いていた。花にはたくさん虫が来るので譲ってあげ、ツボミを少しずつ収穫している。

250402-blog-76.jpg

ケール、サラダ各種、ラディッキオ、タンポポ、スミレなど。新鮮とれたての葉っぱの美味しいこと。

250402-blog-77.jpg

麻の実、カボチャやヒマワリのタネ、レモン汁、美味しいオリーブオイルと塩で味付け。実際毎日食べているくらい好き。

250402-blog-78.jpg

緑の葉っぱはバジルのジェノバソースようなイメージで、オリーブオイル、ナッツ、ニンニク、パルミジャーノ、それにタンパク質を増やしたいので豆腐を入れてかくはんしてソース状にして、パスタを和えたり、トーストしたパンに塗ったり。常備していると便利な一品。

---fadeinpager---

250402-blog-79.jpg

日本で毎日食べていた納豆。お留守番していた長女のゆまに買って帰ったら、たえと取り合って食べていた。

250402-blog-80.jpg

最後に作ったのは3年前。冷凍しておいた納豆を使って作って、何を間違ったか失敗。この納豆の素は昨年買ってきたもの。この1年間で作ることはなかった。今年こそ作ろうと決心。

250402-blog-81.jpg

24時間浸水した大豆。今までは圧力鍋で茹でていたけれど、今回は蒸してみた。納豆菌は熱湯で溶かし、蒸したての大豆に混ぜ込んで、45度に保温できる状態で24時間。私は日本から持って帰ったヨーグルトメーカーを使用。大豆が3段以上になるとよく発酵が進まないと書いてあった記事を見たので、発酵中3回容器を振ってひっくり返してみた。そして蓋の間にタオルを挟んで蒸気が大豆に落ちないようにした。

250402-blog-82.jpg

24時間後、粘りがしっかり出る、イメージ通りの納豆のできあがり。これを一日冷蔵すると、発酵が落ち着きアンモニア臭がなくなり、完璧な納豆になる。納豆作りには3日かかることがわかった。

250402-blog-83.jpg

乾燥大豆400グラム強でひとつの保存容器に納豆のパックおそらく3個分ずつくらい×5の納豆ができた。この納豆を混ぜて熱湯をかけて納豆菌の液を作ればずっと納豆を作り続けられるのだ。

250402-blog-84.jpg

納豆の美味しさに目覚めたたえは、ぺろっと容器の半分以上食べてしまった。でもあまりネバネバさせないで食べるのが好きだそう。いつも食べさせてあげたい。

250402-blog-85.jpg

3月最後の週末に、時計の針を1時間巻き戻し、サマータイムになった。朝は暗くなったけれど、日没は19時40分になり、気をつけないとずっと畑にいて、夕ご飯を作るのが遅くなってしまう。森に移住して6度目の春。今日もこうして緑に囲まれて深呼吸して、やりたいことを沢山できることに、感謝。

小林千鶴

イタリア・ボローニャ在住の造形アーティスト。武蔵野美術大学で金属工芸を学び、2008年にイタリアへ渡る。イタリア各地のレストランやホテル、ブティック、個人宅にオーダーメイドで制作。舞台装飾やミラノサローネなどでアーティストとのコラボも行う。ボローニャ旧市街に住み、14年からボローニャ郊外にある「森の家」での暮らしもスタート。イタリア人の夫と結婚し、3人の姉妹の母。
Instagram : @chizu_kobayashi

ARCHIVE

MONTHLY

35th特設サイト
パリシティガイド
パリシック
フィガロワインクラブ
Business with Attitude
BRAND SPECIAL
Ranking
Find More Stories

Magazine

FIGARO Japon

About Us

  • 広告掲載
  • お問い合わせ
  • よくある質問
  • ご利用規約
  • 個人の情報に関わる情報の取り扱いについて
  • ご利用環境
  • メンバーシップ
  • ご利用履歴情報の外部送信について
  • Twitter
  • instagram
  • facebook
  • LINE
  • Youtube
  • Pinterest
  • madameFIGARO
  • Newsweek
  • Pen
  • Pen Studio
  • 書籍
  • 大人の名古屋
  • CE MEDIA HOUSE

掲載商品の価格は、標準税率10%もしくは軽減税率8%の消費税を含んだ総額です。

COPYRIGHT SOCIETE DU FIGARO COPYRIGHT CE Media House Inc., Ltd. NO REPRODUCTION OR REPUBLICATION WITHOUT WRITTEN PERMISSION.