ローズガーデンで過ごすオーガニックな時間
こんにちは、都田です! 1ヶ月ほど前になりますが、自然の中に静かに佇む素敵なお家を訪れました。
こちらは、私と同じ流派の茶道を嗜むはるみさんのお家で、お父様が生前に大切な時間を過ごされた特別な思いのある別荘なのだそうです。
都心から特急の電車で1時間ほどで着くこの地は、今となってはヨガや茶道を嗜む仲間が余暇を楽しむためにやってくる場所。新緑の季節も重なり、まさに楽園のような存在です。
訪れた日は、はるみさんが亭主となって、親交のあるお茶の先生や友人らを招き、茶の湯のおもてなしをモダンな室礼で行う、茶事スタイルの会でした。
庭のローズガーデンを寄付や露路として活用し、招かれたメンバーが食事と濃茶、薄茶を楽しめるようになっているのです。
今回私は、はるみさんと茶道を通じて親しくさせていただいているご縁から、昼食のケータリングをご依頼いただいたのでした。
テーブルには、亭主を務めるはるみさんが自らの毛筆で書いたメッセージカードをテーブルに配し、お客様を笑顔にし、気持ちを和ませる演出からスタート。
ローズガーデンのバラの花びらを楽しみながら、美と健康を意識したローフードをベースにしたお酒に合うプレートをお召しあがりいただきました。
トマトの無水ガスパチョ、自然栽培キャロットと甘酒のグラッセ風、発酵調味料のドレッシングと柑橘サラダなどを用意しました。自然とつながる心地よい時間を過ごしていただきたいと、味付けは極力シンプルにして、ハーブやエディブルフラワーは、私が育てたものを添えました。
みなさまから、「美味しかった」と、温かなお言葉を頂戴しました。
食後は、次の濃茶を美味しくいただくための主菓子が出されました。
さて、後半が今日のメインイベントです。濃茶と薄茶を点てる最適な空間づくりのために、食事を終え、一度退席したお客様を再び部屋に迎え入れる準備をします。
お客様は亭主が打つ銅鑼の音が聞こえると、気持ちも新たに部屋に入室します。それまでとは異なる深淵な時間が流れる中、参加者たちの期待感がますます高まります。
はるみさんが、この日のために取り寄せたという干菓子も大変美味しく、一人一人に点ててくださったお茶も上品な香気とまろやかな味でした。
静けさの流れる中、今日のために細部に至るまで準備を重ねてこられたはるみさん。全てはお客様のためにと、思い入れのある素敵な茶道具の数々をご紹介くださり、その思いをしっかりと受け止め、じっくりと味わいました。
普段は茶室で設けるおもてなしの茶事ですが、今回は、自分のこだわりを自由に実現するオーダーメイドの茶事。いつかは私も理想の茶事を叶えたいと思うようになりました。
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