Editor's Blog

ソフィア・コッポラのオペラ『椿姫』は素晴らしいっ!

こんにちは、編集KIMです。
映画監督であるソフィア・コッポラが、初めてオペラを演出する、と聞いた時は大興奮! そして、初演は日本ではなかったし、まさかその舞台が観られる日が来るとも思っていませんでした。でも、観られた! 上野の東京文化会館で。谷根千に暮らすKIMにとってはご近所であり、子どもの頃から大好きだった劇場のひとつ。有名建築集まる上野の杜にあって、JR上野駅目の前という立地もうれしいこの場所に、ソフィア本人は来日できなかったのですが・・・・。

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いつもシンプルシックないでたちのソフィア・コッポラ。そのクリエイション、存在感は常に憧れの的です。photo : Dick Page & James Gibbs

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第1幕のセット。観客から長方形に見える舞台の画角に対し、大胆に走る階段が効いている。photo : Kiyonori Hasegawa

3幕まである舞台は、何度も休憩がはさまれましたが、その間にホワイエでは、観客たちの舞台絶賛の会話が聞かれました。こんなに、讃えられるのを聞くのはけっこう珍しいです。
その理由のひとつは、衣装。この『椿姫』の衣装を担当したのは、自身の名を冠したブランドからは引退しているヴァレンティノ・ガラヴァーニ。ソフィア・コッポラも演出する際に、イマジネーションの方向を決めるいちばんの鍵となったのは、ヴァレンティノの衣装、という意味のことを言っています。トラディショナルなオペラの舞台だと、サテンやベルベッドを用いてごてっとしたものになってしまうことが多いのですが、今回の衣装はシフォンやレースを多用して、色彩もブラック、ホワイト、レッドなど、シンプル。パーティのシーンでも、色が極力抑えられているぶん、視覚的な誘惑が絞られていて、歌手やドレスの動き、舞台セットに集中でき、そのぶん、歌にも意識がより強くいくような気がしました。とても、モダンな新しい感覚でクラシックなクリエイションを見せられているように感じます。

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これは部屋着の設定のヴィオレッタなのですが、美しい白いレースの部屋着です。ヒロイン椿姫役のフランチェスカ・ドットは、記者会見の際に近くでお顔を拝見したところ、リヴ・タイラーにちょっぴり似てました。photo : Kiyonori Hasegawa

ソフィア・コッポラは、他の舞台演出の『椿姫』を、余計な先入観を持たないために、あえてなるべく観ないようにしたそうです。ただ、オペラの演出を引き受けたいちばんの理由は作品が『椿姫』だったからだ、とも語っています。ヴィオレッタがソフィア自身と同じ現在に生きている女性として感じられれば、その役柄の繊細さや心の動きを伝えることができる、と。ロマンティシズムと悲劇のラブストーリーの側面を強調したいと考えている、とインタビューでは語っていたようです。
ソフィアのこの考え方やシンパシーの持ちようは映画『マリー・アントワネット』を監督した時と似ていますね。

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第2幕の第2場で、自分から離れていったヴィオレッタに、愛の強さあまり憎悪の感情をぶつけるアルフレード。photo : Kiyonori Hasegawa

『椿姫』は女性にとっては、とても「泣ける」作品なのかもしれません……。社交界の華である高級娼婦が愛など知らずに生きてきて、青年アルフレードから心から純粋に愛されることで、愛の悦びに目覚め、そのために犠牲になり、短い生涯を終える、という物語。
KIMは、1936年の映画『椿姫』リバイバル上映で、グレタ・ガルボ演じるヴィオレッタを観た後、号泣しました。それが映画、舞台、小説含め、『椿姫』初体験だったのですが、最初のヴィオレッタであるグレタ・ガルボのハンサムウーマンでとっぽい感じが、私の中の永遠のラ・トラヴィアータです。モノクロ映画の女優の、豪快な美しさをどうぞ観てみてください。

今回、ローマ歌劇場の来日で、もう1作演目があります。『マノン・レスコー』です。

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少女マノンは男を惑わす奔放なキャラ。photo : Silvia Lelli / TOR

残念ながらこちらは観られていないのですが、今回のローマ歌劇場来日公演は、女性が主役の、それも悲劇の運命をたどる作品にフォーカス。そして、演出家が2作品とも、女性の、芸術界でのサラブレッドであることも注目です。
キアラ・ムーティは女優でもあり、制作も手がける才媛。そして父上は、有名指揮者のリッカルド・ムーティです。

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キアラ・ムーティも本当に美しい! 今回来日してくれました。

ぜひ、この機会に、女性演出家による新しい時代のオペラに興味を持っていただけたら・・・・・・。
まだ、何回か、公演が残っています!

『椿姫』 
9/12(水)15時~、9/15(土)15時~、9/17(月・祝)15時~東京文化会館(上野)にて

『マノン・レスコー』
9/16(日) 神奈川県民ホール(横浜)、9/20(木)、9/22(土) 東京文化会館(上野)にて

●問い合わせ先:
日本舞台芸術振興会
https://www.nbs.or.jp/ticket/ticket.html

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