Editor's Blog

こんな北斎、初めて観た!

みなさん、江戸は好きですか? 私、編集MIは、江戸が大好きです。江戸時代の人々、社会、食べ物、文化、ファッション、すべてが憧れです。戦のない平和な世、貧しさはもちろんあれど、人々の暮らしは賑やかで楽しくて、文化や娯楽や食などが豊かに発展した時代。それはそれは楽しいだろうなあ・・・。

そんなわけで、江戸庶民が親しんだ浮世絵も、もちろん大好きな私。先日、森アーツセンターギャラリーで開幕した北斎の展覧会へ、早速出かけてきました。今回の『新・北斎展 HOKUSAI UPDATED』は、北斎の生涯をたどりながら魅せる、総括的な内容。頻繁に改号を行った北斎の画業を、画号ごとに「春朗」「宗理」「葛飾北斎」「戴斗」「為一」「画狂老人卍」の6期に分けて展示。木版画から摺物、肉筆画まで、美人画から花鳥画、名所絵、漫画、組上絵まで、北斎ワールドが全開。北斎のすべてに近づくことができそうな展覧会といえます。

見どころは、アメリカ・シンシナシティ美術館所蔵の『向日葵図』や『かな手本忠臣蔵』、旧津和野藩主家が所蔵していた摺物などの初公開作品はもちろん、東京での公開が最後となる、本展監修者の永田生慈氏が収集した永田コレクション(本コレクションは永田氏の遺志により、本展出品後は故郷・島根県のみでの公開となるそう)。壁の色味やあしらいが可愛い会場構成も、大充実の展示を飽きさせない内容となっています。

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エントランスは波で勢いよく。

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グレイッシュなピンクに和む展示スペースは「葛飾北斎期」。手前に見える巻物は、『隅田川両岸景色図巻』(1805)。こちらは2008年にロンドンのオークションで100年ぶりにお目見えした貴重な肉筆画。永田氏の熱い思いが叶い、2015年に墨田区の所蔵となりました。2/11まで展示。

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こちらは「戴斗期」の『北斎漫画』のコーナーですが、壁には思わずクスっとしてしまうあしらいが。壁の色はブルーグレー。

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こちらはおなじみの花鳥画が並ぶ「為一期」のコーナー。背景は深みのあるグリーンです。展示風景より、左から、『芥子』、『芙蓉に雀』(ともに1830-34頃、1/28まで展示)。

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「宗理期」の背景はからし色。この時期北斎は、私的な出版物「摺物」の創作が増えていったそうです。展示風景より、左から、『亀井戸開帳』、『両国夕涼』(ともに1801-04、2/18まで展示)。

と、壁の色味を眺めるだけでも個人的にワクワク。絶好の写真スポットもあります。

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会場の片隅にどどーんとそびえたつ江戸の町の一角。こちら、銭湯ですね。実はこれ、描かれたパーツを切り抜いて組み立て立体に仕上げる「組上絵」というもの。絵師にとっては難解な作業となるのですが、北斎はこちらも名手だったそう。江戸のお風呂屋さんの前でぜひ記念撮影を。

会場構成の楽しみをざっとご紹介してきましたが、作品ひとつひとつが秘めるエネルギーやユーモアに引き込まれ、一枚の絵から想像される物語が果てなく頭を巡ります。会場を進むごとに、江戸時代へ迷い込んでいくよう・・・。作品数は膨大なため、じっくり観るには2時間はかかるかと。観終わった後には心地よい疲労感。あらためて北斎の画力、デザイン力、作風の幅広さに感動しきり。グッズも豊富なので、そちらもお忘れなく。私はこの機会に、豆本も購入。

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こちらは芸艸堂から出ている豆本シリーズ。北斎だけではなくさまざまな作家の本があります。和綴がいいですね。

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お気に入りの花鳥シリーズにしました。か、可愛い・・・。

ポストカードや『北斎漫画』がデザインされたマスキングテープも入手し、ホクホクしながら帰路につきました。みなさんも新しい北斎に会いに、ぜひ六本木へ!

『新・北斎展 HOKUSAI UPDATED』
会期:開催中~2019年3月24日(日) ※会期中、展示替えあり
会場:森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー 52階)
開)10:00~20:00(火曜のみ17:00まで)※最終入館は閉館の30分前まで
休)1月29日、2月19日、2月20日、3月5日
入場料金/一般¥1,600ほか

●問い合わせ先:
tel:03-5777-8600(ハローダイヤル)
hokusai2019.jp

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