
レディ・ペネロープに魅せられて...... 満島ひかりさんの声が楽しみな「サンダーバード55」!
サブスクに初回登録するときに出てくる、「好きな映画のジャンルは?」という質問にものすごい悩む、映画担当YKです。DCもマーベルもミュージカルも観るし、いわゆる単館系も好きだし……アニメーションを観ていたかと思えば、硬派なドキュメンタリーばかり観ている日も。そんな映画雑食系の私が、年明けの上映で楽しみにしているのが『サンダーバード55/GOGO』。操り人形と精巧なミニチュアを操演した、現代の特撮モノの元祖ともいえる『サンダーバード』(1964年)の、半世紀を経た正当な続編です。
『サンダーバード』の舞台は、戦争のない21世紀。世界規模で起こる災害や事故に、勇敢な大富豪一族とその協力者たちが、秘密裏に「国際救助隊」を組織し、1号から5号まであるサンダーバード・メカを駆使して立ち向かうというストーリーが展開されます。
アラサーのYKがなんでそんな昔のものを知ってるのかといえば、2003年にNHKで再放送していたシリーズを、サンダーバードファン世代の父親と一緒に毎週観ていたから。もともと特撮大好きな子どもだったので、オープニングでメカが動いている映像に心臓を射抜かれ、また毎度「国際救助隊」が直面する危機に、ハラハラドキドキし通しでした。
今回の映画は、かつてサンダーバードに憧れた子どもであった若きスタッフたちが大集結! クラウドファンディングで資金を集め、いまならCGでできるであろう仕事も昔ながらのミニチュア特撮にこだわり、半世紀前と同じ手法で撮影されたというとんでもない作品なのです。
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そんなタイミングで、おとなりの書籍編集部から『サンダーバード完全読本。』が刊行されました! 「Pen」が2013年に特集した内容をもとに、今回の映画の情報を追記した「永久保存版」です。ページをめくっていると、とても美しい女スパイが!
国際救助隊を援助する英国貴族のレディ・ペネロープです。イヴ・サン=ローランのモンドリアン・ルックを身に纏っているかと思えば、ある時は『シャレード』(63年)のオードリー・ヘップバーンのスカーフスタイルを取り入れていたり……と、メカの考証もさることながら、毎回登場するペネロープの衣装もこの番組の見どころのひとつです。上の写真は、65年に刊行された、彼女の名前を冠した雑誌。サンダーバードの製作会社・APフィルムズのPR誌と合わせ、毎週130万部(!)の売り上げがあったというのですから、当時どれほど人気があったかが分かろうというものです。
書籍のなかでは、ペネロープのファッションの他、彼女の愛車(ピンクのロールス・ロイス!)や邸宅、船にライフスタイルまでを解説。彼女の顔は誰に似ているのか? 人形はどのように動かされていたのか?気になるポイントがいっぱいです。
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また、映画版の声も気になるところ。本国版『サンダーバード』では、格調高いクイーンズイングリッシュを話しているペネロープですが、日本語版では黒柳徹子さんが吹き替えを担当されていました。今回の『サンダーバード55』で彼女の声を引き継いだのは、なんと満島ひかりさん! ドラマ『トットてれび』で若かりし頃の徹子さんを演じていた満島さんへのバトンタッチに、納得の配役です。そのほかメンバーも、いまの洋画吹替やアニメーションを代表する声優が勢ぞろい。彼らのコメントも必見です。
「観てから読むか、読んでから観るか」懐かしいキャッチコピーを思い出してしまいましたが(←本当は何歳なんだ)、レディ・ペネロープの魅力を探るためにも、メカの秘密を知りたい人も、作品がどう作られたのかを知るために必携の一冊です!
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