疲れたときに、私を元気づけてくれる一冊。
12月も中盤に差し掛かり、今年中に終わらせないといけないことが山積み......。焦ったり、イライラしたり、落ち込んだりと気持ちもぶれぶれで疲れてしまうけれど、そんな時に自分を落ち着かせるべく、ぱらぱらとめくりたくなるのがこちらの本『かえるの哲学』。
アーノルド・ローベル著 ブルーシープ刊 ¥935
私が小学校低学年くらいのときに流行っていた、アメリカの作家アーノルド・ローベルの絵本。なかでもカエルの親友コンビが愛らしい『ふたりは ともだち』『ふたりは いつも』といった、がまくんとかえるくんシリーズはとても印象に残っている。大人になったいま、再び手にすることになったアーノルド・ローベルの本『かえるの哲学』はこれらの絵本から抜粋したイラスト&言葉集だ。
この絵本シリーズ、今思い返すとただハッピーで仲良しこよしの話じゃない。切なくて、(カエルなのに)人間味があって、つっこみどころ満載な内容が妙にリアルで、そこが魅力なのだ。いつもネガティブでちょっぴり自分勝手ながまくんの不安な思いや反省の気持ち、がまくんのわがままを寛容に受け止めて問題解決に導くかえるくんの前向きな発言は、シンプルだけど噛めば噛むほど奥深い。深読みしてもいいし、深読みしなくてもいい。きっとひとつひとつの言葉の解釈に正解はないし、その時々の自分の状況や気分に当てはめればいい。気軽に読める、癒やしの一冊だ。
近年、すみっコぐらしやリラックマのような、子供向けのアニメや映画が大人の心に響く、という声をよく聞く。幼い頃に読んだあの本もいま一度読み返してみるのもおもしろいかもしれない。まずは、がまくんとかえるくんシリーズから改めて読んでみようかなと思っている今日この頃です。(編集部AT)
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