Editor's Blog

自然と人、古と現代を結ぶ、アマン京都子連れ旅。

苔の間に敷き詰められた石畳、山紅葉や高く聳え立つ悠々とした杉の木、どこからか聞こえてくる小川の湧き出る音。

森の庭と呼ばれる敷地内に入ると、思わずその神秘的な空気を身体に存分に入れ込みたく大きく深呼吸した。ここは京都の北、金閣寺にも程近い鷹峯三山の麓にあるアマン京都。

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今回は子連れでのアマン京都滞在記をご紹介します。

プライベート邸宅にいるかのようなアットホーム感とラグジュアリーな非日常の体験をコンセプトにしたリゾート、アマン。
このアマン京都もアマン東京やアマネムをはじめ、アジアのホテルデザインの第一人者でもある建築家ケリー・ヒルが手がけたリゾートだ。
もともとヒルのデザインは地域に根付いた文化、風土を尊重し最大限に活かしたつくりが特徴。このアマン京都もしかり。

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アマン京都の敷地面積約2万4000平方メートルを誇る「森の庭」も、もともとは「紙屋川庭園」と呼ばれ、京都・西陣織を扱う織物屋であった所有者が織物美術館をつくろうとおおよそ40年もの歳月をかけて丁寧に心を込めて育んでいた庭だったという。
経営の事情もあり、その美術館作りを断念せざるを得なかったようだが、その景観と思いを引き継ぎ作られたのがこのアマン京都だ。
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よく見ると、整然と等間隔で並ぶ杉の木は織物の模様を彷彿とさせ、紅葉の時期になると石畳の隙間に色づいた葉だけが残り、まるで美しい帯のような表情へと変わる。

あえて不均等に配置された石畳。そこにはゆっくりとした歩みを促し、忙しない日常から離れてリラックスしてほしいという思いが込められているという。あるがままの自然を存分に生かし、森に溶け込むように24室の客室と2室のパビリオンが佇んでいる。

そんなアマン京都に子連れで!

正直、客室の何かを壊さないだろうか、大人のプライベート空間に大騒ぎする未就学児二人を連れてご迷惑をかけないか。そんな恐れ多い気持ちもありました。

ですが、宿泊前に宿から届いたアイテナリーを見て、その不安が飛んでいきました。そこには、「お母様がゆっくりできるようにお子さま向けのアクティビティをいくつかご用意いたします。お母様の目が届く範囲でできるアクティビティにしましょうか」などなど、まだ2歳と4歳のため、母から離れると緊張してしまう年頃、そんなことまで考慮いただいてのご提案にまず感激!

到着後、まるでファミリーのように迎えていただき、子どもにもとても優しい目線で見守ってくれるおもてなしにほっと旅の疲れが溶けていくようでした。

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客室に入ると、子どもたちは大きなお風呂にまず大興奮。日本旅館らしい和のしつらい、窓から見える自然の造形美はまるで窓枠をフレームとした絵画のよう。

自然光あふれる室内は木の温もりとミニマルなインテリアで、落ち着く空間です。子ども用のアメニティ、パジャマはもちろん、オムツ用のゴミ箱、塗り絵なども用意されており嬉しい心使いが随所に。

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宿泊客に用意される午後のティータイム「甘味」の時間に、早速子ども向けアクティビティを体験しました。

ホテルのスタッフの方が折り紙で椿、駒などを作ってくれます。その傍らで大人はのんびりスイーツを楽しむ。子どもにはフルーツの盛り合わせ。

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オールデイダイニングの「ザ・リビング パビリオン by アマン」には、外のテラスに暖炉もあり、自然と調和したリュクスな場に癒されます。

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ディナーではイタリアでも修行を積んだ小澤総料理長が腕をふるう味を堪能。

ツブ貝、雲丹、独活の黄ニラソースかけは、独活の香りが口の中に広がるとまさにまわりの深々とした緑の自然と一体となったような気持ちが蘇り、日本の美しき古都に来たという喜びを改めて感じるようなひと皿。水尾柚子の風味が効いた白魚と菜の花のフリット、京都産黒毛和牛のローストと、京の食文化と洋風の融合による優しい味わい。

そして、子ども用のメニューも充実しており、ミートソースパスタを注文しましたが、そのお肉の濃厚さに4歳の子どもが「こんなにおいしいミートソースは食べたことがない」と感激しておりました。

翌朝、私は和食の朝食、子どもたちはフルーツたっぷりのパンケーキをいただき、早速またアクティビティに。

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「森のこの葉とこの実たち」というアクティビティに参加。

ホテルの敷地内にはたくさんの木の葉や実が落ちています。それらを集めて色画用紙に思い思いに彩っていく、そんな自然の恵みをダイレクトに感じて遊ぶことができる体験です。

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次の「お友達をさがそう」という体験。身体を動かすことや探偵ごっこが大好きな子どもは大興奮。
「カエルのお友達が森の庭で迷子になってしまいました。あちらこちらに隠されたおてがみをもとに、カエルのお友達を探す冒険にでかけましょう」というのがこのアクティビティの説明文。大人の私もなんだかドキドキです。

広大な森の中、あちこちに隠されたお手紙を探しながら探索します。

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子どもはお手紙に隠されたヒントを聞いてもう大興奮。

お手紙に書かれた文章もまた素敵なのです。例えば「うつくしくてつめたいみずをのんだあと・・・いしがきをのぼっていこうとしたのかな、なにかヒントがあるはず」と。

その物語を辿ると、次なるお手紙が隠された箱が隠されていて・・・

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最後にはカエルを発見!子どもにはお土産に、木の枝の先にちょこんとカエルが座っている手作りのおもちゃをいただきました。

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歩きながら、これは「アセビ」といって毒のある植物なので、近隣の鹿除けの意味合いもあります。などと植物の説明などもしてくれるため、大人もとても楽しい時間なのでした。

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旅の終わりにお土産として贈られたのは「京のくみひも」でした。
人とモノとご縁を結ぶくみひも。

木々、石、水、苔、時を経て大切に育まれてきた自然と、旅する人がほっと一息つけて心も身体もまっさらになれるような瞬間。古都ならではの静寂と人々の手によって作られた緻密な自然美に、改めて日本の奥深さを感じ、そしてアクティビティを通して、アマンならでは人との繋がりの朗らかさに癒される。まさにくみひもが紡ぎ結ぶ、ご縁にあふれた、とても温かい旅でした。

アマン京都
京都府京都市北区大北山鷲峯町1番
宿泊予約:075-496-1334
www.aman.com/ja-jp/resorts/aman-kyoto

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