期間限定の絶品コースで、参宮橋から北イタリアへひとっ飛び。
2023年12月号「いま行きたい店」特集でもご紹介した参宮橋の人気イタリアン「オルケストラ」が、期間限定でエミリア・ロマーニャ州に焦点を当てたスペシャルなコースを振る舞うというニュースを聞きつけ、早速行ってきました。
ミシュラン二ツ星のリストランテでスーシェフを務めた小川慎二シェフのイタリア修行時代を振り返るこのコースは、彼の地の郷土色あふれるメニューをベースにしつつシェフの出身地でもある長崎の食材や文化をミックスしたオリジナルな内容。
全12品からなる卓上の北イタリア旅行を、編集MAがダイジェストでリポートします!
最初の1品、トルテッリーニ入りスープの素材を手に説明する小川シェフ。長崎特産の焼きあごから生ハム、パルミジャーノチーズまで海と山の旨味を結集させ、6時間かけて出汁を取るこのスープは同店のスペシャリテ。見た目の地味な印象は味わうと滋味へと昇華し、しょっぱなから胃袋をガッツリ掴まれる。
旬の筍と生ハムのジュレの冷前菜。「京都、辻さんのしらこたけのこ」とメニュー名に記されている通り、名だたる料亭がラブコールを送る生産者から取り寄せた筍は土の中にある状態で収穫されたもの。えぐみが全くないので下茹でする必要がなく、素材本来の風味をダイレクトに味わえるのが特徴。
エミリア・ロマーニャ州を代表する筒型パスタ「ガルガネッリ」は、まさにシェフの原点回帰を表現した1品。春らしい色合いのソースの主役となっているグリーンピースはわざわざイタリアから空輸しているそう。想像以上の甘さと、緑という色を舌で感じる強烈な風味がボーニッシモ!
モデナ地方でソウルフードとして親しまれている「ティジェッレ」を長崎の角煮まん風にアレンジ。専用の焼き型で焼かれた生地に挟まれているのは、とろとろに煮込んだオッソブーコ。屋台でテイクアウトしたかのような、カジュアルな紙袋で供されるプレゼンテーションも愉しい。
豚の畜産が盛んなエミリア・ロマーニャ州にちなみ、メインには仔豚が登場。カシューナッツとハーブを食べて育った「花悠仔豚」という千葉県のブランド豚をオープンキッチンの薪窯で、皮目はパリパリ&肉はジューシーに焼き上げる。付け合わせのキクイモのフリットを含め、食感のコントラストが絶妙。
デザートには、シチリア伝統のスイーツ「カッサータ」がアーティスティックなヴィジュアルでお目見え。カカオとキャラメルの甘露なフレーバーにカシスやフェンネルのアクセントがキリリと効いている。添えられている苺はなんと抹茶でマリネしたもの。
お店を訪れたらチェックしてほしいのが、壁面に飾られた絵。大きな油絵と、壁に直接マジックで描かれた絵はともに木梨憲武氏によるもの。カウンター8席のみの、一瞬ちょっと緊張してしまいそうな空間をピースフルな絵が和ませてくれる。
東京都渋谷区代々木4-1-7 森田ビル1F
tel:03-6383-4036
営)17:30、18:30、19:30、20:30 ※一斉スタート
不定休(日、月が多い)
要予約
Instagram:orchestra_jp
※期間限定コース「私を育てたエミリア・ロマーニャ州への想い」(16,500円)は、5月31日(金)まで。ワインペアリング(9,900円〜)やティーペアリング(6,600円)もある。
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