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新宿の喧騒の中にある、アートルームに泊まってみた!
新宿・歌舞伎町の通りを進んで行くと、ひときわ存在感を放つゴジラがいる。その左手に昨年できたのが、映画館やレストラン、ホテルが入る東急歌舞伎町タワー。その18・20-38階にあるHOTEL GROOVE SHINJUKU, A PARKROYAL Hotelにアートルームがあると聞いて、泊まりに行ってきました!
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都会の喧騒を抜け、ホテルの正面入口に一歩足を踏み入れると、巨大なアート作品が出迎えてくれる。まるで美術館のようなラグジュアリーな雰囲気に胸の高鳴りを感じながら左奥に進んでいくと、レセプションに繋がる直通エレベーターが。
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レセプションのある18階はガラス張りで、スカイツリーが一望できるので、チェックインを待っている間も退屈しない。レセプションの横にある壮大なアートウォールには、歌舞伎町がこれまで紡いできた歴史が刻まれていて見ごたえたっぷり。
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90° 傾いている!? アートルームへ。
ホテルには、アーティストの開発好明氏、玉山拓郎氏、鷲尾友公氏とコラボレーションした3タイプ、全9室の「GROOVE ROOM」があり、私は玉山拓郎氏がデザインした部屋をチョイス。部屋に入った瞬間から、「壁の鏡が傾いている......!? 朝食が壁にくっついている!?」と目を疑う装飾が。
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なんだかすごい世界観の部屋に来たぞ、とワクワクしながら中に進むと、イエローがなんとも可愛いキッチュな空間が広がっていました。よく見てみると、テーブルとソファまで90° 傾いているではありませんか! デザインのコンセプトは、"日常の視点をずらすことで見えてくる非日常感"。床や壁、天井の関係が曖昧になり、まるで無重力空間にいるような不思議な感覚を味わえます。
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そしてカーテンを開けると、新宿を一望できる開放的な景色と美しく晴れ渡った空が。下を覗くと、3路線の電車が並走する様子が見えます。(これは電車好きの子どもがいる親子にぜひおすすめしたい!)ベッドに横たわって、雲が流れていく様子や、飛行機が飛んでいるのをぼ〜っと眺めていると、脳が休息していることを実感。毎日忙しなく働く中で忘れてしまいがちな、"何もしない時間"の大切さや、"空のパワー"を改めて感じました。新宿のど真ん中に、こんなにパワーチャージができる一室があるなんて......なんとも贅沢!
36階の部屋から俯瞰してみると、いつも乗っている電車もミニチュアに見える。
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夜は、大人の隠れ家「JAM17 DINING」へ。
部屋でゆったりしていると、あっという間に夜ごはんの時間になり、17階にあるダイニング「JAM17 DINING」へ。夜景を見ながら食事ができる落ち着いたラグジュアリーな空間では、カジュアルなイタリアンスタイルの料理を味わえます。
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ダイニングの中心にオープンキッチンがあり、なんと石窯が設置されています。石窯の"やさしい強火"で仕上げる料理がここの看板メニュー。400度以上の高温でぎゅっと旨味を詰め込んだステーキは、口の中でジュワッと肉汁があふれます。三浦の青木農園で獲れた、旬のUFOズッキーニを煮込んでペースト状にしたパスタも甘くておいしい!
「神奈川県・三浦で潮風を受け、ミネラルが豊富な青木農園さんの野菜をはじめ、関東周辺で生産された新鮮で旬の食材を使っています。できるだけ、素材を生かした料理を心がけていますね」と佐藤 栄介料理長。だから鮮度も高くて、食材ならではの甘みがあるのか......と納得しました!
栃木産のロースステーキは、塩やペースト状にしたニンニクソースとともに。ジャンボシシトウの中には、夏野菜のトマト煮、カポナータが。シシトウも甘い......!
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さくらんぼを使ったデザートプレートが出てきた瞬間、アートピースのような一皿だなと心を掴まれました。さくらんぼの形をしたバニラムースやジェラート、どれも絶品! 「少しの遊び心を料理に入れることは常に考えています」とも話していた佐藤料理長。料理の飾り付けや食器選びからも、食べる人を喜ばせようとするやさしい人柄を感じました。
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気になる朝ご飯はビュッフェ形式で、メインは4種類から選べます。私はサーモンクリームオムレツをオーダーしたのですが、クリーミーなソースととろりとしたオムレツの組み合わせがやみつきになる味でした。デザートとしてジェラートもあって、朝から口福!
ダイニングの手前には、夕方5時から深夜2時までオープンしているバーもあり、季節限定のオリジナルカクテルや、バーのシグネチャーカクテルをゆっくりと楽しめます。屋外テラスでは、ビールやワイン、ハイボールなどがフリーフローで楽しめるサマープランも。
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バーの中央上で異彩を放っているのが、アーティスト西野達による、新宿の本屋のテーブルなど実際に街の人が使っていた家具をコラージュしたインスタレーション作品『新宿』。これだけでなく、タワーのいたるところに新宿・歌舞伎町の持つ歴史や文脈を汲んだ26組の作家の作品合計195点が設置されています。
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ホテルの中を探索するだけで、多くのカルチャーやアートに触れることができ、刺激の多いホテル滞在となりました。外国人の宿泊者も多いことから、海外のホテルにいるかのような気分も味わえるので、まだ夏休みが取れていない方は、ヴァカンス気分を味わいに一泊してみては?
エディター NANANA SATO
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