
映画『ディオールと私』と感動と涙。
こんにちは。先週、編集部に入りましたTMです。
どうぞよろしくお願いいたします。
実は初出勤の前日、公開したばかりの『ディオールと私』を観に行ってきました。
以前FIGARO.jpでもご紹介した今作品は、ディオールのアーティスティックディレクター、ラフ・シモンズが、就任後初めてのコレクションを作り上げるまでを描いた、モード好き必見のドキュメンタリーで、内容は皆さんもご存じの通り。
デザイン画を描かないラフの独特なデザイン手法に必死に食らいつくお針子さんたちや、オートクチュールの世界ならではのトラブル(なるほど、と思いました)、さらに、ラフのアートへの深い関心から無理難題が繰りだされたりと、ひとつのショーを完成させるまでの苦労が事細かに描かれています。
気が遠くなるお張り子さんの作業、ラストを飾る美しいドレス、そして、観た人々がきっと涙するであろうラフがテラスでみせる"あの"シーン。
「ディオール」という巨大なメゾンを背負ったプレッシャーがひしひしと伝わってきて、息をするのを忘れてしまいそうになってしまいました。
張りつめた緊張感が解かれ、ショーとして鮮やかに開花する様は、涙無しでは観られないはずです。
カリーヌ・ロワトフェルドの『マドモアゼルC ファッションに愛されたミューズ』よりも細かに心情が描かれ、アナ・ウィンターの『ファッションが教えてくれること』よりもライブ感にあふれた、ラフ・シモンズの『ディオールと私』。これは名作としてたくさんの人々に刺激をあたえていくのだろうな、と思いました。(ドキュメンタリー作品はDVDやブルーレイで......という方も多いかと思いますが、この作品は絶対にスクリーンで観てほしいです!)
ファッションの素晴らしさが伝わってくるのはもちろん、「がんばって生きていこう」と思わせてくれた今作品。僕が観た回は満員で、かなりの数の人たちが目を赤くしておりました。
渋谷「ル・シネマ」では、4月末までの公開とのこと。残すところあと1カ月です。
まだチェックしてない方は、ぜひぜひ劇場で"美しき緊迫感"を堪能してください。
『ディオールと私』
Bunkamuraル・シネマほかにて、公開中。
http://dior-and-i.com
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