
新鮮な味わい! 初めてのラトビア料理体験記。
こんにちは、編集MAです。
幼少期から食べ物にはひと一倍興味があったので、日本の郷土料理から海外の新潮流系まで、チャンスさえあれば色々試してきたのですが、バルト三国は未体験。日本には残念ながら、ラトビア料理の専門店がないのです。2013年にフィガロでは、エストニア・ラトビア・リトアニアの特集をしているので、ページをめくりながら時折、その味を勝手に妄想して思いを馳せていました。
そんな未知との遭遇を実現できるチャンスがやってきました。
ラトビア共和国大使館が主催する、スペシャルディナーに出席することに。シェフは、バルト海に面したユールマラという別荘地にある「フィリップ」のヤニス・ズーヴェルブリス。その大柄な風貌に、力士・把瑠都が脳裏によぎったのは私だけではないはず......。
最初のひと皿は? とわくわくしながら待っていると、こちらが供されました。
ラトビアではチョウザメの養殖が盛んとのことで、キャビアは名物のひとつ。塩気もきつすぎず、燻製の風味のついた山羊乳チーズには酸味もあって、食欲を刺激します。
2品目はこちら。フォアグラとホタテ貝にバニラオイルを合わせています。フランス歴も長いヤニスシェフのオリジナル。ほんのりとしたソースの甘さがしっくりきました。
続いてこちら。ラトビア料理初の私が、勝手に「ラトビア」っぽいと感じた料理です。リー・ド・ヴォーとセップ茸にこっくりとしたカボチャのピューレを合わせています。ラトビアの人々は、よく森にキノコを摘みにいくんだとか。その点、とっても北欧らしいですよね。食べると「秋だなあ」としみじみ。
お口直しのカリンのアイスも、その清々しいすっぱさに開眼しましたが、メインのこちらもなんともさわやか!
鹿肉のソテーにキャラメリゼした洋ナシとベリーのソースを添えたもの。洋ナシは思った以上にお酒が利いていてとってもジューシー。ベリーも甘酸っぱく、野性味ある鹿の赤身肉がぐんとさわやかに開花します。むっちりとした歯触りも心地いいです。
欧州を中心に海外で活躍してきたヤニスシェフらしく、時にフランス、時にロシアのエッセンスが加わり、ラトビアの伝統料理とは少し異なるオリジナリティあふれたコースでした。7皿を通して十分堪能......と思ったのですが、最後のひと押し、ちょっと胸がざわつくようなデザートで締めくくりとなりました。
チコリのアイスとライブレッドのデザートです。独特の塩気があって、食べても食べても不思議な味わい。最後の最後まで魅了されました。ラトビア、奥深いです。
ヤニスシェフの店「フィリップ」もますます気になる! これは一度、現地を訪れないと......と心に誓った夜でした。
Philippe Restaurant
www.philippe.lv
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