
ミラノの絶品レストラン、「アルポルト」。
こんにちは、ミラノコレクション視察から帰ってまいりました、編集YFです。あわただしいなかでも、3度の食事には手を抜かないのがフィガロ編集部。現地在住のコーディネーターさんのお力をもって、あちこち美味しいお店を食べ歩きました。新しいお店チェックにも余念がないのですが、ミラノを訪れるたびに絶対に行くのが「アルポルト」です。日本の方には、東京・西麻布にある片岡シェフのお店のほうになじみがあるかもしれませんが、ここはその片岡さんがミラノ在住時代に通い、修業もし、日本でお店を開くにあたってオーナーから名前を使う許しをもらったというリストランテ。海の幸を満喫するなら、やっぱりここです。
左:生のスカンピのオリーブオイルがけ。時節もので、獲れたときしか出合えない貴重なひと皿。右:海の幸のフリット・ミスト。小ヤリイカやエビ、カタクチイワシ、小さめの舌平目まで!
ここでは、今日のおすすめの魚を好きなだけ、好きな調理法で食べることができます。「ホタテを2個、さっとソテーして」とか「タコとイカをフライにして」などという具合。前菜とパスタという組み合わせでもいいし、パスタとメインでもよし。今回は、あったらラッキーといわれていた「生のスカンピ(手長エビ)」に遭遇することができました! 日本でも食べられるスカンピですが、生は初めて。どういうふうに調理するのかなと思っていたら、実にシンプルなお皿がやってきました。レモンを搾り、オリーブオイルをかけて、塩とこしょう、それだけ。まさにイタリア版お刺身、という風情。ひと口、運ぶと......おおお! 甘エビのようなとろっとした食感で、しかしそれほど甘味は強くなく、潮の香りが口中に広がります。頭のミソ部分も濃厚ながらアクが強すぎず、身に絡めて食べると最高です。思わず食べることに集中して、あっという間に食べ終わってしまいました。
メインには、カラッと揚げたフリット・ミストを選択。どっさりやってくるのですが、あっさり味の魚介揃いで、これまた味付けはレモンと塩という組み合わせゆえに、ぱくぱく食べられます。合わせるのはピノ・グリージョの白ワイン。さっぱりと口中を洗って、食が進みます。
よい素材を最高の調理法でシンプルに食す、これぞ最高のご馳走ですね! ここはクラシックな店構えで、いまどきのモダンなインテリアや創作系レストランの華やかな盛り付けとは無縁ですが、きびきび&ニコニコ笑顔で働くおじさまサービスマンたちの応対も気持ちよく、心から寛げます。ミラノを訪れる機会があればぜひいらしてみてください。
●「AL PORTO」
Piazzale G. Cantore
Tel: +39-02-89407425
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