
リニューアルしたビュフェ美術館。
こんにちは、編集NSです。
朝夕が冷え込んでもうすっかり秋ですね。
先日、静岡・長泉町にある「ベルナール・ビュフェ美術館」に行ってきました。
複数のカルチャー施設とレストランやショップが集まる「クレマチスの丘」にあり、しばらくリニューアル工事をしていましたが、4月に再オープンしています。
現在開催されているのは、開館40周年記念展『現代の眼で見るビュフェ』(2014/3/23まで)。
デビューから死の直前に描いた鬼気迫る作品まで、ビュフェ作品のさまざまな魅力を感じられる展覧会ですが、とくに印象に残った作品のひとつが『大運河』でした。
『大運河』1962年
ヴェネツィアをテーマにした絵画は多いですが、ビュフェの作品は誰とも似ていません。
この街の色気のようなものが、なんだか禍々しい力に入れ替わっているかのよう。
でもそれなのに美しくて、強烈な引力がある作品です。
近くに展示されていた、高層ビルが立ち並ぶニューヨークのストリートを描いた『マンハッタン』のほうが、"線の画家"といわれるビュフェ向きの題材かもしれませんが、なぜか『大運河』のほうが強烈な印象を受けました。
もうひとつ挙げるなら、『声』でしょうか。
『声』1957年
こちらはジャン・コクトーの原作に、ビュフェが銅版画(ドライポイント)による挿入画22点を描いた作品です。
ビュフェが描いた文字はとても神経質そうですが、絵とともに自由にレイアウトされ、なんだか映画を観ているかのような錯覚に。
ジャン・コクトーの適当そうな文字(すみません、イメージです!)では決して醸し出せない、緊張感に満ちています。
同じクレマチスの丘にある「ヴァンジ彫刻庭園美術館」もそうですが、ひとりの芸術家のために造られた美術館というのは、本当に贅沢です。
ミュージアムショップ「ツリーハウス」(カフェもあり)もセレクトが素敵です。
東京からも近い場所ですので、ぜひ訪れてみてください。
データ
ベルナール・ビュフェ美術館
●静岡県長泉町東野クレマチスの丘515-57 開館時間:10時~18時(4~8月) 10時~17時(2~3月、9~10月) 10時~16時30分(11月~1月) 休館日:水(祝日の場合はその翌日が休館。12/25は開館)、年末年始 入館料:一般¥1,000 ☎055・986・1300
www.buffet-museum.jp
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