
極寒のパリで見つけた、おしゃれの鉄則。
2月末〜3月頭、パリコレに行ってきた。
そう報告すると必ず「どうだった?」と感想を求められるのだが、どのブランドが良かった、とか、こういうムードが気になったとか肝心なことを言う前に、開口一番答えてしまうくらい、とにかく「寒かった」。前半戦は最高気温がマイナス、という日がざら。すっかり春めいてきた今日この頃に、同じ月にもかかわらずしんしん冷え込んだパリのストリートスタイルをご紹介したいと思う。
最高気温はマイナス2度。雪もちらほら降った日、合間にアズディン・アライアの回顧展に行ってきた。そんなに広いスペースではなく、すぐに見終わってしまったのだが、寒いからもうちょっと……と、うだうだしていたところに気になる人物が入場してきた。ファーコートに黒いスキニーパンツ、白いスニーカーという、まあよくあるスタイルではあるのだが、黒いカーリーヘアというところがいい。なんだか最近褐色の肌のラテン系なモデルたちが気になっているところだったのだ。で、振り返ったところをキャッチしたのがこちら。
フェミニンな男子でした……
でもこういう格好、ボーイッシュな女子にもおすすめ。よくよく観察すれば、ブランドバッグではなくあえて布、スニーカーはスタッズ付きのモードなもの、というバランス感覚もよいのかもしれない。
同じ日に地下鉄を待っていると、カラフルなダウンが目についた。
とくにファッション好き、という人ではなさそうだったのだが、配色はじめとにかくダウンがいい。ショート丈で、ちょっと裾が広がっているシルエットも絶妙。前回お知らせしたとおり、ダウンは一着も持っていないので、どこで買ったのか聞いてみたいくらいだった。こういうの、ヴィンテージショップで見つかるのだろうか。
お次は少し過ごしやすくなった後半戦。といっても最高気温は一ケタだ。ところで、そんなに厚着をしなくても寒さに耐えられる方法がある。それは、首まわりと耳を防御することだ。つまりは、フードをかぶることがいちばん。その一例が以下だ。
フードをかぶるとストリートキッズっぽさが出てしまうものだが、大人ならばそれを避けたい。彼女はシックなワントーンでまとめて、足元をヒールにしたのが成功だろう。
そして最後に、最強のスタイルをマレで発見!
フード付きのファー!
いやもう、本当にこれがうらやましくなるほどの気温だったのだ。なんの工夫もないように見えるかもだが、赤茶色のロングブーツはヒールの形がヴィンテージっぽい。ただのマダムになりそうなところに、独自のムードを加えている。
ということで、桜咲き誇る中いまいち季節感のないレポートだったが、おめかしにはやっぱり暖かい気温と、晴れた空が最適!ということを身をもって思い知ったシーズンなのであった……。
ARCHIVE
MONTHLY