栗山愛以の勝手にファッション談義。

何げなさが光る永遠のおしゃれと、トレンドに揺れ動くモード魂。

先月末、またベルリンに行ってきた。

なんだかんだで4回目になるが、毎度滞在期間が短いこともあり、まだまだ行ったことのないエリアがたくさんある。今回は南部を流れるラントヴェア運河沿いで開催されるフリーマーケットNowkoelln Flowmarktを見てみることにした。

到着したのはお昼どき。まずは腹ごしらえでもしましょうか、と周辺を歩き回ったのだが適当なお店がなかなか見当たらない。後で調べたらこのノイケルン近辺は「若者に人気のおしゃれ地区」らしい。そんなに「おしゃれ」だったかなあ。ともあれようやく感じの良さそうなカフェを見つけて入店。それが、Okay Café https://okay-cafe.com/であった。

中はとても混み合っていて席が空くまでしばらく待たねばならないようだったが他に行くあてがないので致し方ない。そこで順番待ちリストを記入していたのがこの子。

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お店のオリジナルTシャツにブラックデニムを合わせていてなんてことないのだが、そのアメリ的な風貌にも関わらず腕にタトゥー。かわいらしい女の子のアニメキャラの絵柄ではあったものの、そのギャップにやられてしまう。足元が厚底スニーカーというところもなかなか良い。

よくよく見回してみれば、このお店のスタッフ、皆おそろいのTシャツを着用しているもののキャラが立っている。このバリスタの方とか。

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ちょっとぽっちゃりした女子だったのだが、キャップを浅くかぶってメガネをかけ、短めのワイドパンツを選んでいて、自らのキャラを熟知している様子だった。そのままだとただのわんぱくな少年風になってしまいそうなところに、この子もタトゥーとごついシルバーのイヤリング。それに、おそらくバズカットではないかと思う。いい具合に緩急つけている。

お客さんにも魅力的な人がたくさんいた。

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レジカウンターで話し込んでいた常連らしきこの方は何と言っても足元アシックスというのに心奪われた。シックな色味でまとめていて、ハイテクスニーカーのブルーのラインやピンクの靴紐がアクセントになっている。紐がほどけても気にしてない感じのラフな佇まい(教えてあげればよかったのか?!)。服と人がなじんでいる気がする。

どうやらスウェーデンの「フィーカ」というコーヒーを飲んで落ち着く文化を推奨するお店だったらしく、メニューにはスウェーデン風の食べ物なんかが並んでいた。けっこうな時間待たされたが、充実した人間観察ができたし、おいしい食事にありつけたし、フリーマーケットでは全く収穫がなかったが大満足。

やっぱり着る人のキャラが生かされた何げないおしゃれは永遠にすてきなのである。

と言いつつ、秋冬のトレンディアイテム、スカーフを頭に巻いて市場に買い出しに来ていたおばちゃんのスタイルが気になって仕方がないのであった…

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栗山愛以

ファッションをこよなく愛するモードなライター/エディター。辛口の愛あるコメントとイラストにファンが多数。多くの雑誌やWEBで活躍中。

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