栗山愛以の勝手にファッション談義。

Y2Kファッション、大人が取り入れるなら?

Y2Kファッションとやらが気になっている。
Y2Kとは「Year 2000」の略だそうで、2000年ごろに流行ったスタイルらしい。20年末くらいからちらちら目にはついていたのだが、敬愛するスタイリスト、ロッタ・ヴォルコヴァさんがそのムードに関心を持っている様子で、彼女がスタイリングしているミュウミュウのキャンペーンやブルマリンのランウェイ、彼女自身のスタイルにその感じが漂ってくるようになってきた。彼女のアンテナに全幅の信頼を寄せているがゆえに、ここらでちゃんとチェックしておいた方がよいのかもしれないと思った次第。

2000年ごろといえば、自分はファッションで生きていきたい、と思い始めていた時期。ファッションを学問的に論じてみようとか、いや、やっぱり現場を知らねばならぬとか画策し頭でっかちになっていて、あんまりセレブやストリートには目を向けていなかった気が。どうやらいま注目を浴びているのはそのあたりの私が遠くから眺めていたようなスタイルらしい。

アイコンはパリス・ヒルトン、代表的なブランドはジューシー クチュール、映画は『キューティ・ブロンド』(2001)や『ミーン・ガールズ』(04)といった感じのよう。ざっと見てみると、ジューシー クチュールのベロアのトラックスーツをはじめ、ランジェリーモチーフのトップ、ちびTシャツ、ローライズのジーンズ、ミニスカート、イニシャルのペンダント、トングサンダル、ラインストーンの装飾あたりが目につく。『ミーン・ガールズ』で「●曜日はピンクの日ね!」みたいな女子グループのお約束があったが、とりあえず推し色はピンク。ピンクのワントーンコーデにプラダのナイロンバッグを斜めがけしたりしていて、若かった当時は全然食指が動かなかったが、いま見るとかわいい気がしてくる。

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しかし、やっぱりこうしたスタイルにはさすがに若さが必要ですよね、と思いながらリアルタイムではスルーしていた『ミーン・ガールズ』を見ていると、女子グループのリーダーのお母さんがジューシー クチュールのピンクのトラックスーツで登場した。こういうのは大人も着ていいんですかね? と想像してみたが、はたしてどうなのか。

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いやー、そのお母さんからも「若作り感」がぷんぷんだったが、大人は手を出しちゃいけない気がする。それに、Y2Kスタイルはほとんどが身体にぴったりフィットするシルエットで、お腹を出すことを厭わないのが特徴。幼児体型の自分には向いていないし、全体に少々品がよろしくない。若気の至りでギリ許される、というやつだ。

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うーむ、今回ばかりは難しいか……と諦めようとしたが、小物とか、ちょっとしたアクセントに用いるのであればいけるのでは?! と思い立った。そういえば、以前取材させていただいた縁もあって、ケイティでクリアチェーンのハンドル付きメタリックラベンダーのミニバッグを買った。90年代がテーマだったが、ちょっとギャルっぽくてY2Kムードに通ずるところがあるような。はずしに使うつもりだったのでちょうどいい。

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あとは、引き続きのロングネイルを今月はメタリックピンクにしたのだった。サンローランの最新コレクションを見てメタリックいいな、と思ったからだったのだが、ネイリストさんにハートにくり抜かれているチップをおすすめされてまあ、1、2本くらいはいいか、とやってみたので、図らずもY2K寄りになっているのかもしれない。

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ということで、Y2Kは前面に押し出すのではなく、様子を見ながら小出しにしていこうと思っています。

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栗山愛以

ファッションをこよなく愛するモードなライター/エディター。辛口の愛あるコメントとイラストにファンが多数。多くの雑誌やWEBで活躍中。

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