猫ごころ 巴里ごころ

世界でただ一つ、おしゃれな映画ブランドが放つ映画館ホテルのオープン。

ポール・ゲッティのような大富豪が寝室のベッドから、壁面に映る大きなスクリーンで映画を観ている。そんなイメージがあるし、一度は体験したいもの。最近パリの12区ナシオン広場にできたホテル・パラディゾでは、世界で唯一その夢を叶えてくれるところ。ベッドからはもちろん、バスタブからも映画が観れるという。それも3メートルのスクリーンで。

 

夜になると屋上のジャンボ・スクリーンで映画を、といった感じで、映画狂、シネフィルにとってまさにパラダイスのホテル。フランス語の勉強にもなるし。

今はまだだけど近いうちに、過去のものだけでなく封切りと同時に観れるようになるというから、待ち遠しい。

恋人か友人たちと一緒に一泊して「勝手にしやがれ」や「軽蔑」を観て、ゴダール論をしてみたり、いややはりトリュフォーがいいなどと夜中まで議論をしたいもの。最近の「シンプルな情熱」も観てみてみようか、などと話は尽きないかもしれない。

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先日自宅のPCであなたの映画を観た、といったら行定監督、とても悲しい顔をしていた。やはり監督にとっては映画館で観て欲しいもの。ホテル・パラディゾでは、なんと映画館と同じDCI2Kで映すので、クオリティも同じだというからうれしい。カラオケにもなるそうだ。

それもそのはず、このホテルの経営をしているMK2は、映画製作、映画館経営などしていて、パリの文化人や若者たちに絶大に人気のブランド、映画のことなら信頼できるところ。

寝室は34部屋、それに2スイートルームがあるというし、リモコンで軽食や飲み物も注文できる。値段は1泊100ユーロから。
住所は135 BD Diderot 75012 Paris

一夜だけでも、プライベート映画館のオーナーに?

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村上香住子

フランス文学翻訳の後、1985年に渡仏。20年間、本誌をはじめとする女性誌の特派員として取材、執筆。フランスで『Et puis après』(Actes Sud刊)が、日本では『パリ・スタイル 大人のパリガイド』(リトルモア刊)が好評発売中。食べ歩きがなによりも好き!

Instagram: @kasumiko.murakami 、Twitter:@kasumiko_muraka

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