猫ごころ 巴里ごころ

デコはカラフルでマキシマリストの時代になる?

いわゆる「ZEN」スタイルといわれる東洋の美意識、無機質で単色の空間が広がるミニマリズムのスタイルがだいぶ前からもてはやされてきたけど、最近その流れに逆流して、ありとあらゆる時代のものが一緒くたに飾られ、皮やガラスだけでなく、いろんな素材が使われ、壁にはアフリカの風景の壁紙を貼ったりした、少し前までは「バロック」とか「トゥー・マッチ」と言われていたような雑然としたスタイルの方が、むしろお洒落だと評価されているように思う。

本棚も本はきちんと並んでいず、何冊か倒れている方が味があるらしいから、そこだけなら我が家の棚も合格かもしれない。
一見散らかっているように見えて、ひとつひとつが思い出の貝殻や、子どもの描いたデッサンだったりして、どこかにぬくもりを見せるのがコツらしい。
となるとミニマリストなら、片付ければよかったけど、マキシマリストはセンスよく散らかすのだから、こちらの方が難しそうだ。

先日インスタを見ていたら、いかにもマキシマリストのスタイルの冷蔵庫を見つけた。それは電化製品メーカーの「スメッグ」と「ドルチェ&ガバーナ」のコラボから生まれたもので、冷蔵庫の表面全体にカラフルな細かい絵を描き込んだもの。こんなのが自宅にあったら、どんなに楽しいことだろう。ところが値段を見て驚いた。37600ユーロ、(533万円!)マキシマリストというのは、どうやら値段もマキシマリストのようだ。

 

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ロシアのウクライナ侵攻など、世界は不安要素が山積しているというのに、そういう時は却って高価なもの買う人が多いというから不思議なものだ。
ラグジュアリー再燃の兆しで、いま最も話題になっているのは、LVMHの傘下に入った宝飾店ティファニーが、パリでの展開を一段と強化していくといわれていること。シャンゼリゼにフラグショップがあるけど、これからはカルティエと競いながら、華やかなパリの高級感をますます高めていくそうだから、面白くなりそう。

最近プラスチックを使用しないように、金属製の「マイ・ストロー」を持ちたいと思っている私が、やっと見つけたのはティファニーのシャンペンゴールド色(?)の小さなお猿がつかまったメタリックなストロー、勿論買えるわけはないが、こんなのをiphone入れにさりげなく突っ込んでいたら、どんなに愉快だろう。

 

初夏の昼下がりのシエスタ、幻想のテーマには事欠かない。

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村上香住子

フランス文学翻訳の後、1985年に渡仏。20年間、本誌をはじめとする女性誌の特派員として取材、執筆。フランスで『Et puis après』(Actes Sud刊)が、日本では『パリ・スタイル 大人のパリガイド』(リトルモア刊)が好評発売中。食べ歩きがなによりも好き!

Instagram: @kasumiko.murakami 、Twitter:@kasumiko_muraka

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