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フレンチ・ポップス界の新星ミューズ、クララ・ルチアーニのファッション性。

今年の「ヴィクトワール・ドゥ・ラ・ミュージック」では、ネクタイをしたラメのパンツ・スーツ姿で、ディスコのミラーボールの輝きの中で「レスピール・アンコール」を歌って、盛り上がっていたシンガー・ソング・ライター、クララ・ルチアーニは、このところフレンチ・ポップス界の新しいミューズとして、その実力もファッション性も、高く評価されている。

18歳の時に以前ここで紹介した、パリで人気上昇中のグループ「ラ・ファム」と出会い、ボーカルをしていたが、その後辞めてソロ活動を始め、「愛のモンスター」を、フレンチ・ポップス界の大物、ベンジャミン・ビオレイにプロデュースしてもらったことで注目度が増した。現在ユーチューブでも再生回数がますます増えているようだ。

 

好きなミュージシャンは、セルジュ・ゲンズブールやニコ、フランソワーズ・アルディだそうだし、エキセントリックなテーストのアーティストが好みらしい。もともと家族はシシリアのアジャクシオ出身で、彼女自身は南仏で育った30歳。
今秋からはフランス国内ツアーを年末まで続けるそうだし、国民的スターへの階段を登っていくのかもしれない。

長身で同じヘアスタイル、どこかシャネルのミューズだったカロリーヌ・ドゥ・メグレに似ている。

 

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もうひとり今コンサートをすれば、たちまちチケットが完売するといわれているのは、ノルマンディー出身のラッパー、オレールサンだ。日本のアニメ「サイタマ」の中で、「ワン・パンチ・マン」の声優をしたそうだが、漫画ファンの彼は大喜びだったという。

 

ラッパーにも、ニューウェーブが生まれているのかもしれない。最近「PNL」という北アフリカ系のラッパーの曲をきいてみた。ラッパーはアグレッシブだと思っている人は多いと思うけど、「ブランカ」という曲は幻想的で、クリップも排他的なイメージはまったくなく、結構メランコリックな曲だった。

アフター・コロナに向かって、音楽の世界も、ローテンションになってきているのかもしれない。

村上香住子

フランス文学翻訳の後、1985年に渡仏。20年間、本誌をはじめとする女性誌の特派員として取材、執筆。フランスで『Et puis après』(Actes Sud刊)が、日本では『パリ・スタイル 大人のパリガイド』(リトルモア刊)が好評発売中。食べ歩きがなによりも好き!

Instagram: @kasumiko.murakami 、Twitter:@kasumiko_muraka

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