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ロスチャイルド家の令嬢が、老舗香水キャロンのADに?

18世紀にフランスでは市民革命があったのだから、本来なら貴族階級は廃止されているはずだけど、フランスは今もなお王族貴族は社会的にも一目置かれているような気がする。

初対面の時、相手の姓にDEが付いていたら紛れもなく貴族だし、その人が家紋の付いた指輪をしていたら、もう間違いなく公候伯子男、つまり公爵か侯爵か、または伯爵か子爵か男爵、ということになる。中世の頃、王族に支える騎士団がこれを付けていて、印鑑やはんことして使っていたというけれど、それが21世紀の現在も残っているというわけだ。

今では企業のイメージ作り、というコンセプトは常識になってきているが、パリで日本の雑誌社の仕事をしていた頃、ある時病院を取材することになったら「広報の窓口を通してほしい」といわれた。病院でさえ、悪いイメージになる記事を書かれないように、細心の注意を払っているのが伝わってきた。その病院は、マリア・カラスのパートナーだった海運王のアリストテレス・オナシスが亡くなったりしたパリでも有名な病院だったので、当然だったのかもしれない。担当者はたしかDEが付いていた。

その後ファッション界の各メゾンの要となっているような広報の人たちの名前を見ていると、結構DE付きの人が多いようだった。

1904年ベル・エポックの時代に誕生した老舗香水ブランド「キャロン」は、パリのブルジョア階級に根深い人気のある香りだ。

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photography: shutterstock

これまで色々なイベントや、アートなコンサルタントをしてきた大富豪のロスチャイルド家のジェイコブ・ドゥ・ロスチャイルド男爵の令嬢、オリヴィア・ドゥ・ロスチャイルドが、最近「キャロン」のイメージを新しくするために、アート・ディレクターとしてアドバイスを始めたという。

ロスチャイルド家の別の御曹司が、パリス・ヒルトンの妹、ニッキーと結婚したので、オリヴィアとニッキーは親戚というだけでなく、一緒にショッピングをする程の仲良しになったという。

大富豪でハイソの社交界は、どこかでつながるものらしい。

村上香住子

フランス文学翻訳の後、1985年に渡仏。20年間、本誌をはじめとする女性誌の特派員として取材、執筆。フランスで『Et puis après』(Actes Sud刊)が、日本では『パリ・スタイル 大人のパリガイド』(リトルモア刊)が好評発売中。食べ歩きがなによりも好き!

Instagram: @kasumiko.murakami 、Twitter:@kasumiko_muraka

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