オトコが好きなファッション!? ライターの本音トーク

さりげなく素敵な革サンダルは、ギリシャ人女性デザイナーもステキ (会ってきた!)

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夏に女性を見て思うこと。

「ぺたんこサンダル、かわいい」

なんですかね、
足音カツカツより、ペタペタなほうが、愛嬌があります。
夏っぽいですし。
ヒールシューズでのエレガントな服装がお好みの人も多いでしょうけど、ぺたんこサンダルでニコニコして一日を過ごすのも楽しいと思うのです。
年間350日はスニーカー履いてるオトコの意見ですけども。

サンダルにもいろいろある中で、近頃気になってたのが、
「エンシェント・グリーク・サンダルズ(ANCIENT GREEK SANDALS)」
(上写真)

知り合いPRオフィスの取扱いアイテムとして知り、大人女性向けセレクトショップでも見かけるようになり、
「どんなブランドなんだろ?」と。

そんなおり、そのPRオフィスさんから、
「アンタがどーしても気になるというのなら、来日するデザインチームに会わせてあげても、構いませんけどっ」
とのお知らせをいただきまして。
(……あ、いや、実際はむっちゃご丁寧なお知らせでした)

「モノづくりパーソン」好きな私としては願ったりなお話で、ちょい緊張しながら一人で都内某所に向かいました。

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溢れんばかりのリゾート気分なお二人が、そのチーム。
リラックスしてお話を伺えそうな予感。

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左の女性が、デザイナーのクリスティーナ・マティーニさん。
右の男性が、彼女のビジネスパートナーでCEOのニコラス・ミノグロウさん。
フレンドリーで優しい印象のお二人です。

え〜〜、ではインタビューのスタート。
(通訳つき)
最初に私が尋ねたのは、
「ブランドを表すキーワードを、3つ挙げるならどれ?」

二人がしばらく話し合いつつ、答えてくれたのは、
「ハンドメイド、フェミニン、グッドクオリティ」

「エンシェント・グリーク・サンダルズ」のサンダルは、
職人による手づくりで、素朴な中にも女性的な華やかさがプラスされています。
素材が上質なため、ラグジュアリーな服装にも合う仕上がりです。

そして彼らのブランドには、この3つのキーワードを総括する、さらに重要なコンセプトがあります。
それは、
ギリシャの伝統サンダルをベースにした、ギリシャ製サンダルであること。

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この日のクリスティーナの足元。
今季2018年春夏モデル。
日本展開していない参考色だそうです。
¥34,000(以下、すべて税抜)

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イギリスに留学して靴づくりを学び、パリに住んで「ルイ・ヴィトン」や「バレンシアガ」の靴部門などで働いてきたクリスティーナ。
独立して自身のブランドをつくろうと決意したのは、故郷ギリシャへの深い思いでした。
片や、ロンドン生まれでギリシャ育ちのニコラスは、アメリカの大学でMBA(経営学修士)を取得した人物。
クリスティーナは彼と出会って意気投合したことで、会社の設立に至ったそうです。

「観光地のギリシャは、2,500年前の古代ギリシャから続くサンダルの伝統があります。
観光客向けお土産の、手づくりサンダルがたくさん売られています。
値段も、とても安くてね。
でも、おしゃれでかわいく、ハイクオリティなのがなくて。
だから自分でやることにしました」

「デザインするときに、ファッションコーディネートはとても意識しています。
私の友人たちの服装を思い浮かべたり。
合わせる服装のイメージの基本は、ロングドレスか、デニムです。
『エンシェント・グリーク・サンダルズ』をお薦めしたい人は、ふだんバレエシューズを履くような人。
ペディキュアを塗ってみたり、おしゃれに履いていただけたら嬉しいですね」

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上から時計回りに、
ピンク ¥24,500(参考色)、黒 ¥35,500、黒 ¥34,000(参考色)、ブルー ¥24,000
切りっぱなしの生地やリボン、花のコサージュがフェミニン。

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革素材は、ラグジュアリーブランドと同等の品質を誇るイタリア製だそう。
高級レザーといえばイタリア、これ世界のファッション界の常識。

えーーー、
ここでちょい、私からのウンチクをお話していいですか!?

「高級な革には、どんな意味があるのか」ってことなんですけど。
見た目が美しいとか、肌ざわりが滑らかってだけじゃないんです。
いい革とは、
「復元力がある」
つまり、形が崩れにくく、
「返りがいい」。
曲げても元に戻りやすく、すり減りも少なく。
機能面でも優れてるんですね。
だから、「エンシェント・グリーク・サンダルズ」のような革ソールのサンダルはとくに、いい革を使う必要があるのです。
そのぶん価格にも反映されますが、歩きやすさや耐久性につながりますから、欠かせない要素です。

えーーーーーー、話を元に戻します。
クリスティーナに尋ねました。
「ギリシャサンダルの特徴とは?」

「ストラップやアッパーが、ソールの内側に取り付けられていること。
ソールの幅に余裕が出ますから、安定性がいいのです」

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彼らのデザインポイントにもなっているのが、翼がついたサンダルを描いたロゴマーク。
由来について、ニコラスが解説してくれました。

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「この絵は、ギリシャ神話の神の、『ヘルメース(ヘルメス)』が履く、翼がついたサンダルがモチーフです。
ヘルメースを知らない?
えーと、どんな姿かというと……」

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「これ!」

確かに、翼サンダルでキメた神です。
走るの早そう。
(帽子もかわいいんですけど)

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翼をストラップのバックルにしたキュートなモデル。
「♡」っぽいですね。
¥24,000(参考色)

さーて、ここでさらにマニアックな、サンダルの構造の話に入りますよ!
ついていけない人はですね、少しスクロールして、PR女性の「足元おしゃれSNAP」でも眺めてくださいませ。

この手の薄い革サンダルで気に掛かるのは、「歩きやすいの?」ってこと。
彼らは構造を工夫して、シンプルな見た目のままに、街歩きもできるサンダルを仕立てました。

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クリスティーナいわく、
「3層に革を重ねてソールをつくっています。
アッパーを、フットベッド(インソール)につけた切り込みの中に差し込んで、ソールを圧着させて固定。
ただヒール部分だけは、くさび状に斜めに削った革を挟み入れ、
4層構造で高さを出して前に踏み出しやすくしました。
さらにヒール部分のアウトソールにゴムを貼り付けることで、
高さと滑り止めの役割を兼ねさせています」

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「外側のエッジは、あえて強く磨かずに、革の素の味わいを残して」
とニコラス。

こんな奥深いエピソードを教えてもらえるのが、
モノづくりパーソンと直接会う醍醐味なワケですよ。
なるほどなー!と、ウンチク好きオトコは感心しきりだったんですが、
皆さんを完全に置いてってる気がするので、
PR女性二人の、私物サンダルを履いたおしゃれに話を移しましょう。

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とろみパンツとベルベットサンダルの、シックな同系色コーデ。
色っぽいですねー。
サンダルの大きなリボンがアクセント。
今季モデルです。
¥27,500

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スカートふうワイドパンツを合わせた、リゾート系スタイル。
足に巻き付けたような編み紐と、ペディキュアの色合わせもキレイ。
2017年モデルです。

最後にもう一足、コンフォート発想の新作をご紹介。

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白とブラウンのバイカラーが涼しげなこの一足は、アウトソールがほぼスニーカー。
革のフットベッドも、クッション性の高いソフトなもの。
長く歩く人にはぴったりです。
ストラップをとめる、翼のカタチのバックルもかわいい。
¥23,500

さあ皆さん、
今回の、「エンシェント・グリーク・サンダルズ」はいかがでしたか?
クリスティーナもニコラスも、まー、ジェントルな方々でしたよ。

実は帰りがけに、
「わざわざ会いに来てくれたから」ってことで、
お土産をいただいちゃいました。
中身は嬉しいことに、
オリーブオイル、オリーブ石けん、ハーブスパイス、オリジナルコサージュの、
洗練されたギリシャ製品詰め合わせ!

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彼らはまるで、ギリシャの魅力を広める伝道師
ナショナリズムとかじゃなく、自分たちのアイデンティティや、暮らす周辺を愛することの素敵さですよ。
思わず共感して、サンダルを履きたくなっちゃうってモンですよ。

皆さんも、一足くらいほしくなってきましたかね !?
……あ、そんな方への役立ち情報を言っとかないと…。

ポップアップショップ @東京・銀座「GINZA SIX」

6月26日(火)まで、​2階フロア「SIXIÈME GINZA」にて、
ポップアップショップ「Ancient Greek Sandals POP UP STORE」が開催中。
日本限定品もあるみたいですよ。
クリスティーナとニコラスは、このイベント記念で来日したのでした。
ginza6.tokyo/news/32497

イベントに行けない人はですね〜、彼らのサイトをチェックしたり、
www.ancient-greek-sandals.com

購入できるお店について、こちらにお問い合わせしたり。
ステディ スタディ/TEL:03-5469-7110

photos © Kazushi Takahashi
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高橋一史

明治大学&文化服装学院卒業。編集者がスタイリングも手がける文化出版局に入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。担当ジャンルは、ファッション&音楽。退社後はフリーランスとして、原稿書き・雑誌編集・コピーライティング・広告ディレクション・スタイリングなどを行う。

kazushi.kazushi.info@gmail.com

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