旅するミュシャ#10 グランマ・モーゼスの「サンクスギビング」
中島 ミュシャさん、明けましておめでとう!今年も何卒宜しくお願いします。
ミュシャ 画伯、今年はあたちをもっとしっかり構ってちょうだいね。
中島 はい…笑(旅するミュシャ、今年も何卒宜しくお願いいたします)
さて、今回はグランマ・モーゼスの世界を旅するよ! 本名はアンナ・メアリー・ロバートソン・モーゼスと長いのだけど、アメリカを中心に世界的にグランマ・モーゼス(モーゼスおばあちゃん)として親しまれた画家さんだよ。
ミュシャ 画伯もおじいちゃんになっても親しまれるといいわね!
中島 頑張ります!さて、ミュシャさんはグランマ・モーゼスの作品を見てどう感じる?
ミュシャ とってもカラフルでかわいい絵だと思うわ。でも、特別上手というわけでもないし、なんでモーゼスおばあちゃんは人気画家になったのかちら?
中島 さすがミュシャさん、鋭いご指摘です。
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中島 グランマ・モーゼスを語る時に欠かせないのが、彼女が絵を描き始めた年齢なんだ。
ミュシャさんは、何歳だと思う?
ミュシャ にゃにゃ、ひっかけ問題かなにかちら? 50歳くらいかちら?
中島 おしい! なんと彼女が絵を描き始めたのは70代になってから、リウマチのリハビリで描き始めたのがきっかけなんだ。
そして初個展はなんと78歳! 少子高齢化が叫ばれる日本でも、なかなか聞いたことがない話だよね?
ミュシャ 少子高齢化ってなにかちら?
中島 あ、ごめんごめん。初個展を偶然見たコレクターとの縁でその後彼女はMOMA(ニューヨーク近代美術館)で個展を開くほどの人気画家になっていくんだよ。
そして101歳で亡くなるまでになんとなんと、1600点もの作品を描いたんだ! 30年描き続けたとして、毎年50枚以上、月4点以上の作品を描き続けたなんて、本当にびっくりだよね!
ミュシャ なんてことかちら!この作品も沢山の人や、動物が描かれてるからきっと大変なことなのね。
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中島 さすがミュシャさん。
彼女の作品には、必ず沢山の人々(老若男女)動物、自然、そして民家などが描き込まれているんだ。模写するなかで気づいたことは、技術こそ拙いものもの、とってもとっても丁寧に描かれているということなんだ。
ミュシャ みんな仲良さそうに見えるわね。
中島 彼女の作品を見ると、人はひとりでは生きれないし、沢山の人と協力するからこそ得られる幸福があるということを思い出させてもらえるよね。
人間関係が希薄な現代だからこそ、一層グランマ・モーゼスの作品は僕らの心に響くのかなぁ……。
ミュシャ (また画伯が何か難しいことをいってるにゃ)
中島 彼女が晩年残した言葉が僕はとても大好きなんだ。
ミュシャ 聞かせて頂こうかちら。
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中島 「人生はいつだって自分で切り開くもの。いままでもそうだったし、これからもそう。
私の人生は、振り返ってみればよく働いた一日のようだった。」
彼女の作品を見ながらこの言葉に触れると、僕はなんとも言えない暖かい気持ちになるんだ。
ミュシャ 冬だから、たしかにしっかり暖かくした方がいいかもちれないわね。
中島 うーん、まぁそう言う事なのかなぁ。
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