
なんでもない平日に、あえての3ツ星レストラン。
先日のこと。長年3ツ星をキープし続ける、東京の宝物のような店へ向かいました。
品川のカンテサンス。お値段的にも予約のしづらさ的にも、とてもとても気軽に行ける店ではありません。
平日ど真ん中だったので直前まで仕事でバタバタしていたのですが、このエントランスが目に入った瞬間、ふっと日常から非日常へ、スイッチが切り替わりました。
これからこの館で最高のフレンチをいただくんだな……なんてイメトレ。こういう瞬間から、3ツ星体験は始まっている気がします。
アミューズ、カニの冷製スープに続き、出てきたのがこちらのスペシャリテ。山羊乳のババロアです。何度食べても、いつもハッとするおいしさ。ピュアなババロアにユリの根とマカダミアナッツのコクやほっくり感がプラスされ、カサカサになっていた心に沁みます。


モンサンミッシェルのムール貝に野性味溢れる数種類のキノコがシューの上に。目からウロコのおいしさ! 具材そのもののおいしさもさることながら、旨味をたっぷり含んだ生地がなんとも。脱帽です。
続いて登場した逸品は、野菜のフレッシュ感にほんのりエキゾティックな香りが加わります。


この日のメインはバスク豚! 真っ赤ですが、もちろん火は通っております。とにかくみずみずしい味わい。脂身もとってもピュア。
最後にデザート3種。大締めはお決まりのメレンゲのアイスクリーム。ミルクセーキに近いかも⁈ とにかくホッとする懐かしい味でコースを締めくくれます。
最後、岸田シェフとお話しし、見送りをしてくれるのですが、ここまでの時間がまさにシンデレラタイム。駅まで歩いているうちに魔法はとけてしまうのですが、でもいいんです。
おいしかったな、って反復&咀嚼することでいろいろ頑張れます。
誕生日でも記念日でもない日常ど真ん中の贅沢、ちょっと勇気が必要ですが、身体と心のチャージにおすすめです。
今日の明瞭会計
→諸事情でノンアルコールワインを1杯、サービス料込で\27,000ほど。
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