おいしい料理求めて、まりモグがゆく。

出張前後に訪れた日本料理店で、
春と初夏の和食材を愛でる。

最新号のバスク特集、お手にとっていただけましたでしょうか? 特集制作につき約2週間スペインに行っていたのですが、そんな時恋しくなるのがやっぱり和食。ということで、出張前後に和の真髄を味わえる表参道の日本料理 太月へ向かいました。
出張前、訪れたのは4月末ということで、まさに春の息吹を感じられる献立でした。この日、特に気に入ったのが先付けのこちら、そら豆×ウニ。そら豆の上品な風味にウニのコクが加わり、繊細かつ華やか。八寸は山菜も盛り込まれ、気持ちも徐々に春モード。

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主役はやっぱりこちら、お椀。蓋を開けると削りたてのかつお節を使った、店自慢の出汁の香りがふわりふわりと広がります。この日はアイナメ葛たたき。みっちりと濃密なアイナメの身と、ツルっとした葛の食感をじっくり楽しみます。
お造り等々を味わったあとは、お初にお目にかかる花山椒と牛のしゃぶしゃぶ。花山椒好きとしてはたまらない香りと風味。お出汁の中に仙台牛をさっとくぐらせていただくのですが、肉の甘さと花山椒の爽やかな香りが交わり、鼻からふっと抜けていきます。花山椒が旬の時期しか食べられず、その期間わずか1~2週間というから、旬の尊さ、はかなさを感じます。

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炭水化物ファンとして毎回注目している土鍋ごはんは、サクラエビ×フキでした。もう色からして春全開です。エビのシャクシャクとした歯触りがフキとよく合っていました。
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スペイン帰国後、今度はランチで太月にうかがいました。席に着いてからずっと注目していたのが鮎。カウンターの目の前でつきっきりで焼きあげます。頭からがぶりといきましたが、大人っぽい苦味と繊細な白身、ほどよい塩味が初夏の訪れを感じさせてくれます。おいしいバスク料理を食べてきて「バスク最高!」と豪語していたのですが、一気に「日本最高!」モードに。節操なくすみません。
この日のお椀は鱧。こちらも目の前で主人の望月英雄さんが骨切りしていたので、その音を聞きながら、いまかいまかと待ちわびていた逸品です。添えられたじゅん菜がにくいです。大好物なのでいくらでも食べられそう。

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和の洗練を受け、ようやく日本人としてのアイデンティティを取り戻したところで、癒やしのご飯タイム。甘い甘い、スイートコーンを使ったものでした。大きな土鍋で炊かれるので完食できなかったのですが、その分はおにぎりにしてもらえます。うれしい! なお、持ち帰ったおにぎりはサンタニにお裾分け。
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日本には四季がありますが、気候、食材で見ると当然、それはさらに細かく分かれています。そんな微妙な季節の変化を、おいしい食べ物を通して知ることはとっても有意義で豊かなこと。日本料理 太月は、それを一流の技と選び抜いた食材で、ストレートに教えてくれます。
 

今日の明瞭会計
→不明です……申し訳ありません。昼は¥5,400~と¥8,640~、夜は¥16,200~と¥21,600~のコースを用意。

日本料理 太月@表参道
東京都港区北青山3-13-1 北青山関根ビルB1F
tel:03-6450-5991

 

まりモグ

幼少期から北京を拠点にアジア、欧米、太平洋の島々などを旅し、モンゴルの羊鍋からフランスのエスカルゴまで、さまざまな現地の料理を食べ歩く。特に香港は、多い時で年4回のペースで通うほどの“香港迷”。食べ過ぎ飲みすぎがたたり、28歳で逆流性胃腸炎を発症。ワイン好きが高じて、2021年にJ.S.A.認定ワインエキスパートを取得。

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